ロルフィングハウス フェスタ FESTA

はじめての方はこちらをどうぞ、festaの考えです。

はじめまして。
Rolfing House festa(ロルフィングハウスフェスタ)です。

festaは、山形にある「とんがりビル」の3階にあって、「ロルフィング」という身体の軸を整えるボディワーク(施術)と、「A-Yoga」というポーズにこだわらずに、自分の身体にゆっくりと向き合えるヨガを通じて、「痛みや不調のない、健やかで自由な身体づくり」をサポートしています。

少し長くはなりますが、このページでは、festaがどんな考えを持った場所なのかをご紹介したいと思います。最後までお付き合いいただけたらうれしいです。

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山形の中心地にある「とんがりビル」。この3階にfestaがあります。


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木の床がすべすべで気持ちがいいので、よく寝っ転がっています。


「地方」でボディワークをするということ

山形もそうですが、日本全国の「地方」では、身体に痛みや不調があると、まずは整形外科などの「医療機関」を受診するか、鍼灸接骨院などの「保険が利く(保険適用)」場所に通うのが一般的だと思います。

それでも思うように改善されなければ、カイロプラクティックや整体などの「保険が利かない」施術を受けたり、特に身体に困った症状がないとしたら、「リラクゼーション」のためにクイックマッサージなどを受ける方もいらっしゃると思います。

さらには、「人に触られるよりは、自分で動いてなんとかしたい」という方は、スポーツクラブに通ったり、パーソナルトレーナーに見てもらったり、ヨガやピラティスのスタジオに行く人もいると思います。

海外では、それぞれの国で微妙に状況が違いますが、身体に何か不調がある時には、「自分が何を求めていて(痛みをとにかくすぐになくしたいのか、根本的に改善したいのか、そうならない身体づくりをしたいのか、などなど)、それに対して、適切な方法を自分で選択する」というのが「大前提」になります。

東京などの都市部では、大分その考えが浸透してきているので、もしも病気をしたとしても、ただただお医者さんの言うことを「鵜呑み」にするのではなく、その病気のことを自分で調べて、その病気に関しての診察、治療に優れている病院を検索して、いくつかの候補を実際に周って、「いろいろな意見(セカンドオピニオン)を聞く」のが通常のことだと思います。

それだけなら、もちろん地方でもしている方もいらっしゃいますが、「この接骨院ではどんな治療方針でどんな治療法をするのか?」や、「どのパーソナルトレーナーが、自分で求めているものにフィットするのか?」などを、自分で調べる人も多くなってきています。

コンビニなどに並んでいる雑誌にも、かなり身体の「専門的な」情報を目にするようになりました。

そう考えると、まだまだ山形では、「医療機関」であったり、「保険が利く」というのが、根強い「第一選択」であって、なかなか「それ以外の(オルタナティブな)選択肢」を目にする機会は少ないかなと思います。

自分の身体に何か不調があった時に、「ボディワークを受ける」ということも、「いくつかの選択肢の一つ」として、これから都市部ではどんどん定着してくると思います。(実際に、「Exercise is Medicine(運動は薬である)」という考え方も広まってきています。)

山形で「ロルフィングとヨガを通して、健康的な身体をサポートしている場所なんです」と自己紹介をすると、「そのロルフィングって保険利くの?」という質問がとても多く、「いえ、保険は利かないのです。ロルフィングというのは...」と、ロルフィングのコンセプトを説明させてもらうのですが、もうその方の「興味のシャッター」は降りているので、なかなか自分たちの考えを理解してもらうのは難しいと感じることが多くあります。

それでもfestaでは、これからの時代は、「自分で考えて、自分で行動して、自分で健康になる」という人が多くなってくると考えているので、そういった方のサポートができる場所になっていきたいと思っています。


街の「からだの相談窓口」として

英語では「診察室」を、「a consultation room」と言います。つまり、「(専門家に)相談する、助言を求める場」であって、お医者さんの意見を、そのまま受動的に受け取るということではありません。(ということで、「診察室」では、どんどん自分の意見や、気になることは質問してもいいのです。)

多くの人が自分の身体に責任と関心を持ち、そんな身体と生涯に渡って長く良好な関係を保つためにも、「自分に合った方法」を見つける必要があります。そのために、festaが「からだの相談窓口」になれればいいなとも考えています。

先にも書きましたが、最近は身体に関する情報が溢れかえっていて、専門家ですら「何が正しいのか、判断に迷う」こともあります。ましてや、一般の方となると、「健康な身体のためにボディワークを受けるといっても、どこに行ったらいいのかわからない」というのが普通だと思います。

さらに、身体にまつわる業界というのは、「縦のつながり(上下関係)」はとても強いのですが、他のやり方を安直に批判したりして、「横のつながり(ネットワーク)」はほとんどないと思ってもらってもいいと思います。

私自身は、神戸のスポーツが専門の整形外科で常勤トレーナーとして3年ほど勤務していた経験もあり、「医療機関」がどんな診察、治療をしていて、手術をするにしてもどんな選択肢があるのかも大まかには把握しています。

さらに接骨院を開業している友人も、ヨガやピラティスや他のボディワークをしている知り合いもいて、定期的に情報交換をし合ったりもしています。

festaが、みなさんの身体の健康をサポートする「選択肢の一つ」になるのはもちろん、もしも他に適切な場所や人を知っているのであれば、なるべく「偏り、バイアスなく、公平に」、他の可能性、選択肢も提案させてもらって、「選択肢を増やす機会」にもなれたらと思います。


「ネットワークで癒される」時代

これからの時代の流れは、「西洋医学か、東洋医学か」や、「保険が利くか、利かないか」や、「施術を受けるのか、自分で動くのか」などにも関係なく、身体に関する「横のネットワーク」がどんどん構築され始めていくでしょう。(今まで存在していた「境界(壁)」がなくなり、ゆるやかにつながり始めると思います。)

そして、その時その時の自分の身体の状況に応じて、そのネットワーク上を「流れる」ように移動していき、「整形外科にしか行かない」などと「一つの場所」や、「あの先生はゴッドハンドだから何でも治してくれる」などと「一個人」だけに、患者さんが「縛られる」こともなくなってくると思います。

膝を怪我をした直後は整形外科の先生に手術をしてもらって、術後もすごく良好だから、先生と相談して、今後は再発予防のためにトレーニングしていこうとなったの。だから、今はパーソナルトレーナーさんに週一でトレーニング見てもらって、ヨガのスタジオにもたまに通ってるかな。そして、今度そこのヨガの先生が紹介してくれたロルフィングっていう施術を受けに行こうと思ってる。全身を整えてくれて、自然に身体を支えてくれる軸ができてくるんだって。怪我をした時には、痛くて苦しいし、自分の身体が嫌いになったけど、その時その時のいいタイミングで、いろんな人がサポートしてくれたおかげで、今では自分の身体の声が聞きやすくなったし、いろいろと探求してみたいなと思い始めたんだ

というように、「点(個人)が治す」のではなく、「ネットワークが癒やす」時代に変化していくだろうと思います。

そのためにも、私自身が学びを忘れずに、いろいろな業種の人とオープンに交流して、「地域のみんなが健康になるように」という大きな目標のために、ゆるやかにつながっていくことが大切だと考えています。


「ロルフィング」と「A-Yoga」で心身を健康に

そんな大きな目標のために、festaとしては「ロルフィング」と「A-Yoga」を提供しています。それぞれの詳細に関しては、このウェブサイト上にページがありますので、そちらをぜひご覧になってみてください。

すごく簡単に言うと、「徒手による施術を受けたい」という方は「ロルフィング」をおすすめしていますし、「自分で動いて健康になりたい」という方は「A-Yoga」が合っていると思います。

festaにいらっしゃる方には、最初はA-Yogaのレッスンを定期的に受けられてきて、何かふいに身体を痛めてしまったり、急に体調を崩された場合には、ロルフィングを受けるという方もいますし、ロルフィングの10シリーズを受けて、身体のベースが十分に整ってから、そこからA-Yogaを受けることでそれを維持していこうという方もいっらしゃいます。

「ロルフィング」に関しては、現在は海外でしか資格認定を受けることができず、全国では120名、東北に限ってしまうと3名しか認定ロルファーがいないので、まだまだ認知されていないボディワークになります。

ということで、上記のロルフィングのページだけではなく、こちらにロルフィングの情報をまとめた記事がありますので、そちらもご覧になってみてください。

関連記事:「ロルフィングに関しての情報をまとめました。」


今までのRolfing House festaの道のり

現在のfestaは「とんがりビル」の3階にありますが、その前に2回ほど「お引越し」をしています。

1年半ほどの時間をかけて海外でロルフィングの資格を取得して、2012年に奥さんと2人で神戸に自分たちのお店をオープンしました。

神戸では3年ほど活動してきて、2014年に子どもが生まれるの機に山形に移り住み、なかなか東北には根付いていない「ボディワークを選択肢の一つして受ける」という文化を広めようと、いろいろなことをチャレンジしてきました。

その「道のり」をまとまた記事は、下のリンクからご覧になれますので、ご興味ある方はそちらもどうぞ。

過去記事:「3番目のfestaまでの、楽しい5年間」


SNSで最新情報を更新しています

festaは「Facebook」と「Instagram」もしています。

主に、日々の心に止まった風景や出来事を綴った日記のようなものですが、イベント情報や、A-Yogaのレッスンスケジュールなども更新しています。

とても気楽な内容ですので、そちらももしよかったらフォローしてみてください。

Instagram → https://www.instagram.com/rolfinghousefesta/




最後までお読みいただいてありがとうございました。

このブログには、他にもいろいろな記事を書いていますので(中には身体には関係ないものもたくさんありますが)、そちらも気になるものをいろいろと覗いてみてください。

もしも実際にロルフィングやA-Yogaを受けたいと思った時には、「CONTACT」ページから気軽にご連絡いただければと思います。

以上、「はじめての方はこちらをどうぞ、festaの考え方です。」でした。

これからもfestaをよろしくお願いします。




Rolfing House festa

( Posted at:2019年12月 3日 )

ヨガのチケット回数券の価格変更について。

いつもfestaのヨガにお越しいただきありがとうございます。

日々のレッスンの中で、一緒に身体を動かしたり、みなさんと笑顔でお話したり、「身体がすっきりと楽になった」などの嬉しい感想をもらうことで、私自身が元気をもらっているように感じます。感謝しています。

 この度、10月の消費税増税後からしばらく検討してきましたが、来年の1月から「回数券の価格変更」をさせていただくことにしました。

festaのヨガは「細く長くつづけること」を大切にしていますので、回数券はなるべく「低価格」で、「期限なし」で使用してもらえるようにこだわってきました。

みなさまにはご負担になってしまいますが、どうかご理解いただけたらうれしいです。

これからも、みなさんの身体が自由で快適で、いつまでも健全であるように、少人数で丁寧なレッスンを心がけていけたらと思っています。

来年からもfestaのヨガをよろしくお願いします。


          変更前            変更後(2020年1月〜)
1回券      2,500円   →       2,500円
3回券      6,800円   →       7,000円 
5回券    10,000円   →     11,000円
10回券    15,000円   →    18,500円




Rolfing House festa
Ryoko

( Posted at:2019年12月 2日 )

A-Yogaレッスン 12月のスケジュール

山形でも初雪が降りました。

街の中から見える蔵王の山々にも、さらりと白がコーティングされていてきれいです。

これからぐんぐん気温も下がってきて、雪が降り積もり、足もとも滑りやすくなったりして、からだが縮こまって、こわばりがちです。

さらに「師走」という言葉もあるように、12月はとても忙しい時期になりますので、緊張や疲れも抜け切らない人も多いかと思います。

「ヨガの動き」そのものも大切だと思いますが、日常から少し間離れて、「スキマを作る」ことがまずはポイントなのではないでしょうか。

ヨガのレッスンに来ていただくのはもちろん、お気に入りの喫茶店でゆっくりと本を読んだり、温泉でリラックスしたり、そんなことでもからだは「ほころぶ」ものだと思います。

からだが「ギュッと」硬くなっている方は、festaで一緒にからだを「ほどいて」いきましょう。

はじめての方も大歓迎です。

気軽にご連絡ください。




◯A-Yoga定期レッスン

上のスケジュールの、ピンク色のアンダーラインのところが、とんがりビルのfestaでのA-Yogaの定期レッスンになります。(クリックすると、拡大したものが見れます)

ヨガがはじめての方でも、ほとんど運動をしたことがない方でも、もちろんヨガ経験者でも大丈夫なクラスを心がけています。

ヨガの「アーサナ」だけにはこだわらずに、その日に集まったみなさんの身体に合わせて、シンプルでもじっくりと深めていける動きを紹介します。

回数券があるので、購入していただくと、お得にレッスンを受けることができます。

ヨガに関しては、「細く長くつづけること」が大切だと思っていますので、一度購入していただいたものは「期限なし」でご利用できます。ご都合の合う時にご予約ください。
    
回数券:2,500円/1回
    6,500円/3回
         10,000円/5回
    15,000円/10回
 (どの曜日でも使用可、期限なし)



◯maaruでつながるYoga

12月18日(水)11:30 - 13:00(ヨガ60分+ランチタイム)

場所:ドーナツ小屋 maaru

料金:2,500円/1回


ヨガがはじめての方でも大丈夫です。


前回のドーナツランチです。


参加者みんながつながる楽しいレッスンです。




以上のヨガレッスンは全て「要予約」となっています。


ご予約、またはお問合わせは、

電話:090-4476-6395(大友)

までご連絡をお願いします。


みなさまの参加を楽しみにお待ちしています。

 


Ryoko

( Posted at:2019年11月29日 )

一匹のスズメ。


昨日の朝、festaがあるとんがりビルまで歩いていくと、一階で働いてる男の子が地面を見つめていました。

「どうしたんですか?」と尋ねると、彼の足元には、小さなスズメが一匹倒れていました。

話を聞くと、どうやらガラスに飛び込んで衝突してしまったようで、ほとんど動きありませんでした。

そっと自分の手に取ると、その小さな体は温かく、羽触りは驚くようになめらかでした。

「まだ生きている」

優しく手で包みながら、指で静かにその小さな体を撫で、衝突の衝撃が抜けていくように、少しの間、手の中で様子を観察していました。

そうすると、次第に脚に力が入るようになり、首をキョロキョロと動かし、口を開け、目をぱちばちとするようになりました。

「そろそろ『満ちた』かな」と感じたので、トントンと背中をつついてあげると、とんがりビルの扉の上に一休みして、しばらくして木の方へと飛び立っていきました。

少し前のことですが、宮城の山へと向かう途中、前の車が四方を田んぼに囲まれた一本道を走っている時に、雀の群れがバッと飛び立ち、一匹だけスズメを跳ねてしまったのを見たことがありました。

すぐに車を止めることができなかっので、「かわいそうだけど、自分には何をしてあげられない」と心に残っていたのですが、そのスズメが会いに来てくれたように感じました。

「鳥は仏の化身」だと聞いたことがありますが、手の中で大切なことを教えてもらったような気がします。



Yuta

( Posted at:2019年11月 4日 )

この手の中で、種が芽を出すような。


種から根がまっすぐと伸びていくと、今度は横へと広がっていき、土との確かなネットワークを形成していく。

その頃になると、芽が地面から顔を出し、ぐんぐんと上へと伸びていき、葉をのびのびと広げ、陽の光を存分に受け取る。

そのうちに花を咲かせ、他の生き物をも魅了し、豊かな実をつけ、種を育み、それが世界へと拡散されていく。

このような「伸びて、広がっていく力」は、人間の身体にも備わっていて、それには「順序(段階、プロセス)」があります。

誰から教えられるわけでもなく、それぞれの段階を十分に「味わう」と、次の段階へと「移行」していきます。

身体に触れている時に、このような「生命の力」を感じることができると、その時には自分まで「満ちた」気持ちになります。

そんな素晴らしい体験ができるこの仕事を、できるだけ長く続けていけたらいいなと思っています。


息子と公園で見つけた「どんぐりの芽」




Yuta
( Posted at:2019年11月 2日 )

(残り1枠です)2019年最後の神戸出張ロルフィングのお知らせ。


山形は蔵王の山の上の方が、紅葉で紅く染まり始めてきています。

四方を山々で囲まれているので、街のどこにいても山が見えます。

これから、少しずつ紅葉の「色の波」が、山から僕らが暮らしている街の中まで広がってきて、長い雪の冬が始まるまでの束の間を、豊かな彩りで満たしてくれます。

自然が移ろい、それを知ってか知らずか、生きとし生けるものも、それに「応える」ように変化していきます。

身体は「紅葉」することはありませんが、朝の空気の締まり方、風の広がりと動き、空の距離感を感じ取りながら、静かにゆらぎ、移ろっていくのです。

できるならば、ロルフィングを通して、身体の中に「季節が流れ込む」ほどの「ゆとり」を作れたらいいなと思います。

12月になりますが、また神戸に滞在して今年最後の出張ロルフィングをさせてもらいます。

今回は、一か所でのセッションを予定しています。

初めての方でも大丈夫です。

ご希望の方は、お早めにご連絡ください。


※予約希望の方が多かったために、11月10日(日)に予約枠を追加しました。

(予約状況は11月30日現在です)


12月12日(木)
①14:00 - 16:00 ×
②16:00 - 18:00 ×
③18:00 - 20:00 ×

12月13日(金)
①  9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:00 - 20:00 ×

12月14日(土)
①  9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:00 - 20:00 ×

12月15日(日)
①  9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ○
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:00 - 20:00 ×

12月16日(月)
①  9:00 - 11:00 ×


【場所】
「各線三宮駅から徒歩10分以内」の場所になります。ご予約いただいた方には場所の詳細をお知らせします。

【セッション料金】
 12,000円(90〜120分)

【予約方法】
 ①電話     090-2954-8207
 ②メール info@rolfing-festa.com




Rolfing House festa
Yuta

( Posted at:2019年10月28日 )

陸上選手と生物学者が話した「体(自然)」のこと。

為末大さん(左)、福岡伸一さん(右) ジャガーHPより

上の写真の左側の男性は「為末大」さんという方で、元陸上競技400mハードルの日本記録保持者で、世界陸上選手権では2001年エドモントン大会、そして2005年ヘルシンキ大会で銅メダルを獲得した、日本を代表するランナーだった方です。

現在では、テレビでコメンテーターなどもされています。

僕は元々、ロルフィングでハンズオンの施術をする前には、オリンピックを目指すようなアスリートから、学生スポーツ、一般、高齢者の方までを対象にした「トレーニング指導者」をしていました。

大学卒業後、Washington Nationalsのルーキーリーグでインターンしていた時

まだ中京大学の学生だった頃、大学のトレーニングセンターに毎日のように通い詰めて、トレーニング指導の教科書を真面目に勉強することよりも、様々なスポーツのトレーニング風景を観察していたことがありました。

スポーツの競技によって、それぞれが行っているトレーニングはまるで違います。目の前で行われているトレーニングの多くは、「教科書には載っていないもの」であったり、「教科書に書いてあるやり方とは違っているもの」でした。

中でも、特に僕のトレーニング指導に大きな影響を与えたのが、「陸上競技」のトレーニングで、中京大学は全国的にも陸上競技の名門大学で、多くのオリンピック選手、メダリストを輩出しています。

そんな世界レベルの陸上競技のトレーニングを観察して、「何を目的にしてやっているんだろう」といろいろと想像して、自分の身体で試してみて、それを何度も何度も繰り返すことで、とても多くのことを学び、吸収していきました。

さらに、陸上競技経験者しか読まないであろう『陸上マガジン』を大学の図書館で読み漁るようにもなり、そこで、その当時陸上短距離界のエースであった「末續慎吾」さんや、まだ現役選手だった「為末大」さんのことを知りました。

その頃から、走りの美しさはもちろんなのですが、「言葉をすごく大切にしている人」ということと、「自分の頭で深く考えている人」というのが、為末さんに対しての印象でした。

陸上競技を引退されてからも、ご自身のウェブサイトで、「陸上競技」のみならず、「スポーツ」に関して、さらには「人間」そのもの、そしてそれが作り出す「社会」についてなどの多様なテーマに関して、幅広い想像力と、深い洞察に基づいたコラムを書かれています。

今回はそのコラムではないのですが、「福岡伸一」さんという『動的平衡』、『生物と無生物のあいだ』など、多数の著書も執筆されている生物学者の方との、とても興味深い対談が「ジャガー」のウェブサイトに載っていたので、その一部を紹介したいと思います。

普段、僕がロルフィングをする上で、とても大切にしている「観点」が、お二人の対談の中でも登場してきます。

以下が対談を抜粋したものです。


・・・・・

為末:ふと思い出したのですが、現役時代に、左のアキレス腱の痛みが取れないことがあったんです。いろいろと試しても、なかなか治らない。でもあるとき、自分のフォームをビデオで観たところ、右肩が回転しているのに気づいたんです。こういう動作は対角線上のパーツに負担をかけるので、右肩の回転を止めてみたら、アキレス腱の痛みが引いて驚きました。

ここから連想したのですが、いま私たちは人間社会の様々な問題を解消しようとして、部分最適化の罠に陥っているように感じます。個別の問題に対処しようとするばかりで、社会全体をどうしていくかの議論ができていない。どうすればこの行き詰まりを打破できますか。

福岡:為末さんの例で言えば、物理的に離れて見えるパーツであっても、生命の中では全体が相互に作用していると考えた方がいいと思いますね。人間はついつい、分節的にものを考えやすい。まず、この傾向に自覚的になるのがスタートです。

我々の体は、アキレス腱や半月板といった部品が、ロボットみたいに合体してできているわけではない。もしアキレス腱が痛んだときに新しいものと取り替えられるとして、それで治るかというと、おそらく根本的な原因を特定しない限り、また新しいアキレス腱が痛みだしますよね。

人間の営みである以上、社会についても同様だと私は思います。複雑なシステムゆえに、シンプルだったり部分的だったり、わかりやすいモデルに飛びつきやすい。一旦そこを我慢して、全体像に向き合わなければいけないでしょう。

為末:そのためには何が必要だと思われますか。

福岡自然はいつでも参考になりますよ。それは何も、山に行ったり海に行ったりすることだけではない。我々はこういう人工的な都市に住み、あらゆる人工物に囲まれています。だから「たまには自然が必要だ」なんて言うことがありますけど、私はちゃんちゃらおかしいと思っているんです。私たちは、常に自然ともっとも身近に接している。それが何か、おわかりですね。

為末自分の体、ですね。

福岡:はい。こんなに貴重な自然はないわけです。だから自然、身近なところでは自分の体について考えを巡らすことで、きっとヒントを得られると思います。

「遊びやゆらぎ」を許容する生物は淘汰されない、生物学者・福岡伸一×為末大対談、ジャガーHPより)

※文章中の太字は、僕自身の判断で付けています。

・・・・・


「複雑なものを複雑なまま受け入れる」ために

今、社会全体が「部分最適化の罠」に陥っていて、シンプルだったり部分的だったり、「わかりやすいモデルに飛びつきやすい」と、二人の対談にはあります。

ロルフィングをしていて、今までたくさんのクライアントさんに関わらせてもらってきましたが、「どうすれば〇〇はすぐに治りますか?」という質問であったり、「肩こりには肩甲骨を動かすのがいいって聞いたので、それをしているのですが合ってますか?」と聞かれることがよくあります。

私たちの「」というのは、まさに福岡さんが指摘しているように、「常にもっとも身近に接している自然」であって、それがゆえに「複雑なシステム」なのです。

ロルフィングというボディワークは、その「体という自然の複雑さ」に対して、「複雑なまま向き合う」という方法を取っていると、僕個人としては考えています。

複雑である」ということは、「豊かである」ということです。

その「体の豊穣さ」を、安易に「縮減」することなく、そのまま「享受」するにはどうすればいいのか。

そのためにロルフィングでは、「10回のセッション」を行うことで、十分に「時間」をかけ、「クリアに開かれた知覚」と「エゴのない透明なタッチ」を使い、「一方通行の治療」ではなく、「受け手の主体性」を大切にして、「身体を介したコミュニケーション」を丁寧にしていきます。

僕がロルフィングを学んだ「Dr. Ida Rolf Institute®」の動画です。

インスタントな答え」を求めていた人でも、「体のガイド役」のロルファーと一緒にセッションを重ねることで、体の「不必要な制限からの解放(筋の緊張の軽減、関節の可動域の向上、循環機能の改善など)」を体験して、「自由でひらかれた体」になっていきます。

そうすると興味深いことに、「最初は、この痛みをすぐに取り除こうと、それに執着というか、縛られれていたことに気づきました。それが次第になくなってくるにつれ、その痛みが、自分に何かを伝えようとしていることがわかってきて、体がいろんなことを教えてくれるような気がします」というような、「その人自身の存在そのものの変容」とでも言えるような「過程」を通過することがあります。

もうこの頃になると、すっかり「自分の体について考えを巡らすこと」にも慣れてきて、「腰痛にいいストレッチはありますか?」というような「問い」は変化していきます。

「(ロボットのように)修理したい」と思っていた体は、「発見や気づきを促すリソース」として機能して、そこからたくさんのことを学んでいけるようにもなるのです。

繰り返しますが、「複雑である」ということは、「豊か」であるということです。

複雑なものを複雑なまま受け入れる」には、少し「時間労力コスト)」が必要ですが、「適切なガイドメンター)」がいると、それは「どんな人にでも可能」になります。

世界でメダリストになった「陸上選手」と、日本を代表するような「生物学者」の対談が、ジャガーという「車メーカー」のウェブサイトでされていて、その結びが、「社会の諸問題は、人間の営みである以上、人間の存在に根ざしている自分の体に向き合うことで、そのヒントが見えてくるかもしれない」というのが、とても印象的だなと思います。

自分の体」は、思っているよりもずっと豊かで、眺めたり話しかけたりすると、「今のあなたに必要なこと」を教えてくれることもあります。

もしかしたら、その悩みの「ヒント」は、すでに「体が知っている」のかもしれません。




Yuta

( Posted at:2019年10月27日 )

モニターの方の10シリーズの感想はこちら。

festaのロルフィングがどんなものなのか、実際にモニターとしてロルフィングの10シリーズを受けてくださった方の感想をここにまとめています。

モニターの方は5名で、全て女性の方です。

年齢は20〜40代で、お仕事をされていたり、専業主婦をされていたり様々でした。

モニターの方の感想を元に、僕がその中で出てきたトピックを解説するというスタイルです。

10シリーズでは、各セッションごとに「テーマ」が決まっていて、そのテーマに沿って進めていくのですが、どんどんその方個人の特徴が出てきて、「その人だけの10シリーズ」になっていくのが、感想を読んでいただいても伝わると思います。

ロルファーになって5年ほど、「人のからだ」に向き合っていますが、「からだは単なる〈物質〉ではなく、〈生身の生きている存在〉である」と思うようになりました。

「いきもの」としてのからだは、それにきちんと向き合っていると、様々なことを教えてくれます。

そのことを「なるべく正直に、素直に、丁寧に」説明しようと思うと、どうしても書くことが多くなってしまいます。

結果的には、自分では想像もしていなかったことを書くことができたり、新たな気づき、発見も多くあり、ロルフィングをさせてもらった僕の方が、貴重な体験をさせてもらえたと思っています。

元々は「トレーナー」として働いていた自分が、「人のからだは自然そのものだ。まだまだ僕らにはわかっていないことがたくさんある」と感じて、「ロルフィング」を学び始めることになったのですが、このロルフィングのセッションで実際に起きたことを元に、それを文章にしていくプロセスを通して、「人のからだはおもしろい、そして奥が深い」と再確認できました。

「ロルフィングって何?」という方のために書こうと思って始めたものですが、文量もかなり多くなってしまったり、内容もややこしくなってしまったものもあって、余計に混乱させてしまうかもしれませんが、これを読んで同じように「人のからだ」に興味を持ってもらえたらうれしいです。

読んでいただく前に、簡単なルールも載せておきます。

・順番に読んでも、読まなくても大丈夫
(どのセッションから読んでもいい)

・途中で「読みにくい」「わかりにくい」「飽きた」場合には
 読まなくても大丈夫

・無理なく、楽しく読めるのが一番
(ロルフィングのことを少しわかってもらうのが二番)


◯モニターAさん

モニターに募集していただいた方の中で、最年少の20代の女性がAさんです。

「今すぐに身体に不調があるわけではないけど、今後の人生で長く付き合っていく身体なので、今のうちに整えておきたい」ということで、他のモニターの方に比べると、身体に目立った症状はありませんでした。

ただ、ロルフィングに何か「ピンとくるもの」を感じてくださって、それが10シリーズを受けていく中で、「なぜピンときたのか」が少しずつ明らかになっていきました。

Aさんが一番早く進んでいったので、10シリーズの各テーマの「概要」の説明もしています。「理論的にロルフィングが何をしているのか知りたい」という方にはおすすめだと思います。

セッション1
セッション2
セッション3
セッション4
セッション5
セッション6
セッション7
セッション8
セッション9
セッション10


◯モニターBさん

40代の女性の方で、いくつか身体に大きなケガの履歴があり、手術の経験もあって、「痛みだらけの身体の悲鳴が聞こえてくるようでした。」と、初回の感想にもあるように、身体の症状としては一番「ガタガタ」だったのがBさんです。

それでも、どんどん身体が整うにつれて、痛みや不調もなくなってきて、体重もかなり落ちたのが印象的でした。

「遠方から」通っていただいていたので、「月に一度」というゆっくりペースで受けられた方です。

そんなに頻繁に受けなくても、効果が長く続き、それがきちんと定着してくれるので、最後の方ではほとんど症状がなくなり、「ロルフィングの力」を僕自身もすごく感じた10シリーズでした。

・セッション10


◯モニターCさん

Cさんは、スポーツクラブにも通っていて、運動を定期的にされているアクティブな40代の女性の方です。

10回のセッションを受けていくことで、身体の「シルエット(ライン)」が結構変わってきて、友人などの「第三者」から変化に気づかれることもあったようでした。

自分が変わっていくことにすごく「オープン」な方だったので、身体の構造面はもちろん、「精神的な変化」も感想の中によく登場してきます。

「ロルフィングには人を変える力がある」というよりも、「本人自らが変わろうとする力」の方がとても大切で、それを「後押し」していくのがロルフィングのなのかなと改めて実感したのが、Cさんとのセッションでした。

セッション1
セッション2
セッション3
セッション4
セッション5
セッション6
セッション7
セッション8
セッション9
セッション10


◯モニターDさん

Dさんに書いていただいた問診票をまとめたのが下になります。

・手先が冷える。
・朝起きると、首、肩回りがこっている。
・両膝が時々痛い。
・歩いていると、左脚が上がらなくなる。
・なんとなく腰がずっと痛く、ギックリ腰になりかける。
・2年前に尻もちをついて、起きれないほどに痛かった。

Dさんは40代の女性ですが、女性によく見られる症状が並んでいます。

10シリーズでこれらに「直接的に」何かをしたことはありませんでしたが、それでも終盤になってくると、これらの症状は自然に消えていっていました。

「元を正すこと」の大切さが、Dさんとの10シリーズにはよく表れていると思います。



◯モニターEさん

元々はダンスを熱心にされていて、いくつかのボディワークを受けた経験もあり、「身体感覚に優れた」のが、30代女性のEさんです。

Eさんの感想は、自分で感じたことをうまく文章にまとめてくださっていて、とても読みやすく、初めての方には参考になることが多いと思います。

元々、そういった能力がある方だと思うのですが、ロルフィングを受けていく中で、さらに「身体感覚の言語化」が洗練されていったのではないかと感じています。

身体はすべてつながっているので、「触っているところとは別のところに反応が出て」きたり、「微細なタッチで全体が整うこと」が起きてきたり、ロルフィングの変化のおもしろさも伝わるかなと思います。





楽しく読んでいただけましたか?

少しでも、「人のからだってすごいなぁ。おもしろいなぁ」と感じてもらえたり、ロルフィングのことがなんとなく伝わっていたとしたら、モニターの方にロルフィングをさせていただいて、その感想を元にブログを書いてよかったなと思います。

読んでいただいてありがとうございました。


Yuta

( Posted at:2019年10月26日 )

僕とホカとのいい関係。


ちょっと前に、新しい靴を買いました。

ホカオネオネ(HOKA ONE ONE)」というメーカーのもので、フランスのアルプス生まれの「厚底」が特徴の靴です。

上の動画を観ていただくとわかりますが、「下り坂を快適に、効率よく走るため」に、自分たちで靴を作り始めたところ、それが他の人にも口コミで広がり、フランスのアルプスの過酷なトレイルに対応できるように試行錯誤を繰り返した結果、「あらゆる人に対応できる靴」が誕生したということです。

今回のこの記事では、「僕の個人的な靴の好み」を紹介して、そこから「ランニンシューズの発展を支えた日本人職人の存在」と、最近のトレンドである「厚底ランニングシューズの登場」との関係性を考えてみようと思います。

そしてそれは、「僕が最近買った靴」にもつながっていきます。

「革新的な道具の誕生」には、その「背景」があります。

それを「踏まえて」道具を使うことができると、より道具が「扱いやすく」なったり、「愛着」が持てたり、「道具との健全な関係性を保つヒント」にもなります。

みなさんも毎日必ず履いているであろう「靴」という「道具」、その「関係性」を見つめ直すきっかけになればうれしいです。


本気なら「アシックス」


僕は、普段は「アシックス(asics)」を好んで履いています。

「アシックス」の靴は、「寡黙な職人タイプ」が多く、「余計なことをせずに、プロとしてサポートに徹してくれる」靴が多いなと感じています。

基本的には「主役=履く人」であって、「その人の実現したい動きの邪魔をせずに、さり気なく、そして確実にサポートしてくれる」という感じです。

特に愛用しているのは、「ソーティ(SORTIE)」というシリーズと、「スカイセンサー(SKYSENSOR)」というもので、「マラソンシューズ」に分類されるものなのですが、「ソールはフラットで、なるべく薄くて、軽い」のが特徴です。

「ソーティ」はその最たるもので、まるで「裸足で走っている」ような感覚になります。

立っている時には、重心はつま先にも踵にも寄らずに「フラット」な感覚で、歩行の際、足裏の体重移動の軌跡は、とても「自然」なものになります。

「ターサー(TARTHER)」シリーズになると、その体重移動を「アシスト」するような感じで、前にグイッと押し出されるようになりますが、基本的に前に進んでいく陸上競技ならそれでいいのですが、僕は「どんな動きにも対応してくれる万能タイプ」を求めているので、「ソーティ」の方が合っています。

「スカイセンサー」になると、少しソールが「厚く」なり、その分だけ「クッション性」が増して、名前の通りに「空を飛ぶように走る」感覚になります。

さらに、ソールに「余計な細工をしていない」ので、「センサー」のように「地面を繊細に感じる」こともできます。


「どんな動きにも対応できる靴」を探して

今は「ロルフィング」を仕事にしていて、ベッドでのマンツーマンでの「施術」が中心ですが、以前は「トレーニング指導者」をしていました。

高重量のウェイトトレーニングはもちろん、それを爆発的に行うリフティング系のトレーニング、そして、ジャンプやダッシュ、切り返しなどの多様なトレーニングに対応できる靴が必須でした。

各シューズメーカーのマーケティング戦力上、しょうがないかなとも思うのですが、店頭に並んでいる靴というのは、「バスケットボールシューズ」というように、「何かに特化している」ものが多く、「(その一足があれば)何にでも対応できるもの」というのは、実はそんなに多くはありません。

あまり「クッション性」がありすぎても、ソールに「いろいろなものが付加」されていても、重いウェイトを担いだ時に、地面に伝える力が「逃げる」可能性が出てきてしまいます。

そのために、「ソールはフラットで、なるべく薄くて、軽い」方がいいのですが、さらにはそこから「走る」、「止まる」、「飛ぶ」などの動作も行わなければいけないので、それらも満たしてくれる靴となると、僕としては「アシックスのマラソンシューズ」が、「どんな動きにも対応できる、最もバランスがいい靴」になるのです。


店員さん泣かせの困った客

靴屋さんに行くと、デザインなどよりも、まずは「ソールの表情」を眺めます。

それを見るだけで、大体「どんな風に履いてほしいのか」という「作り手の意図」がわかります。

じっと靴の裏底を見ては、少し触ったり、ソールをねじったり曲げたりして、いろいろな靴を手に取ります。

店員さんは、「この人はどんなものをほしがっているんだろう?」と、手に取る靴などをヒントにそれを推測しようとしたりしますが、「エリートマラソンランナー用」の靴を見ていたと思ったら、「投擲選手の練習用」のものを見たり、「フットサル」や、「バレーボール」、「バスケットボール」のものまで見ていたりします。

僕としては、先に書いたように「どんな動きにも対応してくれる万能タイプ」を探しているので、特に「競技という括り」はありません。

店員さんは困ったように、「何かお探しですか?」と聞いてきてくれるのですが、「ランニングシューズの選び方は、まずはキロ何分くらいで走りたいかの目標を聞いて、それに合わせて大まかなモデルを選んで、そこからは、軽いのが好きだったり、クッション性がほしかったり、個人の好みで判断していく」という、「定型パターン」でしか話せない人が多いので、「ソールはフラットで、立った時に体重が前後に寄ったりせずに、なるべく軽くて、薄くて、地面を踏んだ時にズレがない感じで、競技はこだわらない」などという、「わがままな要望」にはなかなか応えてくれません。

こういった「競技、用途などの括りにこだわらず、自分が求める機能をサポートしてくれる靴選び」に関しては、知り合いの「日本一重いベンチプレスを挙げる男(体重別)」の記事も読んでいただけるとおもしろいかと思います。

【参考記事】「シューズ選びの重要性(木下進人)


一人の職人の存在


少し前のテレビドラマに、『陸王』という、元々は「足袋屋」をしていた店が、経営不振で伸び悩んでいた時に、「足袋型のランニングシューズ」を開発して、店を立て直していくものがありました。

その中で、「シューフィッター」と呼ばれる人が登場して、足袋屋さんに靴作りの「ノウハウ」を教えていくストーリーがあるのですが、それには「実際のモデル」が存在していました。

それが「三村仁司」さんという方で、「アシックス」に在籍していた当時、高橋尚子さんや、野口みずきさんなどの、日本人女子マラソン選手の輝かしい活躍を影で支えられてきました。その功績として、「アシックス」には、先ほど僕が挙げたような優れた靴がとても多いのです。

その三村さんは、次の活躍の場として「アディダス(adidas)」を選びました。

僕が大学を卒業してすぐの頃だったので、10年くらい前に、「アディゼロ タクミ(adizero takumi)」と呼ばれるシリーズが、三村さんが開発に関わったことで誕生してきました。

これも素晴らしい「名作」で、トップ選手でも、一般の市民ランナーの方でも、「アディダス」を選ぶ人がとても多くなってきています。

その三村さんが、今度は「ニューバランス(New Balance)」と契約されました。

これから、ニューバランスの「ランニングシューズ」の性能が、どんどん上がってくると予想されています。

そのことが書かれているのが、下の記事です。

【参考記事】「ナイキにニューバランスが果たし状

記事の中では、箱根駅伝ランナーのシューズの「メーカー分布」のことが書かれてありますが、三村さんの磨いてきた「薄底」の職人の技術と、昨今のランニングシューズ業界を席巻しつつある「厚底」との対比が書かれてあります。

三村さんの意見も載っているので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。


「厚底」とは何か


三村さんの仕事のおかげで、先に挙げた「アシックス」のシューズのような「薄底」が、特に長距離トップ選手向けの「マラソンシューズ」では主流になっていたのですが、そこに彗星のごとく登場してきたのが、「ナイキ(NIKE)」の「ヴェイパーフライ4%」という、上の写真の靴です。

見ての通り、かなり「厚底」なのがわかります。

今までの「マラソンシューズ」の「定説」を、見事に「ひっくり返すコンセプト」を持った靴です。


日本では、「大迫傑」選手がこの「厚底」シューズを履いて、主要なマラソン大会で好成績を収めたことで、一気に「火がついた」ようにこの靴が「トレンド」になりました。

この前行われた「東京マラソン」でも、テレビ中継を観ていると、かなりの人数の市民ランナーの方々が、この靴を履いているのが確認できました。

【参考記事】「3万円で2時間切り"ナイキ新厚底"の威力

上の記事には、このナイキの靴の「最新バージョン」に関しての情報が詳細に書かれてありますが、海外のトップ選手からの要望で、「クッション性がほしい」という声が多かったので、「厚底」になったという部分があります。

さらっと読むと、「厚底の誕生は、クッション性のため」と読むこともできますが、僕個人としては、それよりはむしろ、その「厚底」の間にある「カーボンファイバープレート」の存在が大きいのでないかと考えています。

どういうことかと言うと、「カーボンファイバープレート」という素材は、「軽くて、よくしなる」性質を持っています。

その素材を、「クッション性があって、厚い素材」によって「(上下から)挟む」ことによって、「積極的にカーボンファイバープレートをしならせる」ことができるようになります。

そして、それが「しなり返る」時に、「グイッと前に押し出される推進力を生む」ことが可能になるのです。

履いている人にとっては、「厚いソール」の中に埋め込まれている「カーボンファイバープレート」に、「いかに仕事をさせるか(いかにきれいに、効率よくしならせるか)」がポイントになります。(そのためには、「前足部接地」が必要になります。)

先ほどの「ターサー」にも、同じような機能ががあると書きましたが、それよりも圧倒的に「グイッと前に押し出される推進力」が大きく、それを仮に「薄底」に「搭載」したとしても、しっかりと「しならせる」ことは難しいかと思います。

ソールが「厚底」になった理由は、「クッション性」のためというのももちろんだと思いますが、それよりも、「カーボンファイバープレート」という「走りを加速させるエンジン」のような素材を、「より効率よくしならせるためのスペーサーとしての役割」の方が大きいのではないかというのが、僕の考えです。

大迫選手や、今では多くの市民ランナーの方々も使用しているこの「厚底」シューズは、「厚底の中にエンジンを搭載しているような靴」とも言えるかもしれません。

そうなってくると、三村さんに代表される「余計なものをなるべく削ぎ落とした」ことによって生まれてきた「薄底」のシューズと、「走りを加速させるエンジンを積んでいる」ような「厚底」のシューズというのは、ただの「ソールの厚さの違い」という、「単純な構図の比較」ではなくなってくるのではないかと思います。


「道具に仕事をさせる」という感覚

このことを書いていて思い出したのが、日本代表の「アルペンスノーボード」選手の遠征に帯同させてもらった時の経験でした。


アルペンスノーボードは、日々「道具の進化、イノベーション」が起きていて、「ある道具の登場」を境にして、「パフォーマンス」に明らかな差が生まれ、そのために「乗り方(身体と道具の操作の仕方)」までもが、まるで変わってしまうことがあるそうです。

極端な話ですが、その道具の存在を自分だけが知っていて、他の人には教えずにいると、自分だけが勝つことも可能になるということです。

それを聞いて、それほどまでに、「道具の性能がパフォーマンスに与える影響が大きいスポーツ」だと思い知らされたと同時に、「道具にいかに仕事をさせられる身体であるかどうか(ただ、身体を大きくしたり、強くすればいいということではない)」という「視点」が、僕に加わりました。

「スポーツ」と一括りに言っても、「F1」などのような「モータースポーツ」では、「マシンの性能」がものすごく重要になってきますが、その反対に、「水泳」のように「身体能力」で勝負が決まるものもあります。

そういう意味では、「陸上」というのは、かなり「身体能力(走力、跳力など)」に焦点が置かれがちだと思いますが、この「厚底」シューズの登場のおかげで、「積極的に、靴(道具)の性能を引き出せるように身体を使える能力」というのも考えなければいけなくなってくるのではないかと想像します。


「厚底」と言えば、「ホカ」

そんな、ランニングシューズ界に突如として現れた「厚底」シューズにも、「きっかけ」が存在しています。

それは、「僕が最近買った靴」のメーカーである、「ホカ」から始まっていきました。

すでに最初に書いたように、元々は「トレイル(山道)を下る際の、快適な靴作り」から、この「ホカ」は誕生してきたのですが、それが人づてに、いろいろな人や、シチュエーションへと広がっていって、山道などの「オフロード」から、マラソンなどの「オンロード」にも使われるようになります。

実際に「ホカ」には、「マラソンシューズ」のような「オンロード」用の靴もたくさんあって、そこから世界のシューズメーカーである「ナイキ」がそれに目をつけて、先ほどのシューズを開発して、それを各メーカーも追随していっている状況です。

今でこそ、世界中の有名ランナーが履いていることで「ナイキの厚底」が有名になりましたが、元々は「厚底と言えば、ホカ」だったのです。


写真の真ん中が、今回購入したものです。

これは「ランニングシューズ」ではなく、街での「タウンユース」から「ハイキング」などにも対応しているものなので、今までに紹介してきたような「スピードを競う」目的の靴ではありません。

ソールは「ビブラム(Vibram)」のものを使っていて、「ビブラム」は、「ファイブフィンガーズ(5本指の靴)」が有名ですが、今では様々なシューズメーカーが、ソールの「アウトソーシング(外注)」をしていて、「ホカ」の「オフロード」用のものにも、多く採用されています。

山道などのトレイルが得意なので、デコボコしている路面をしっかりと「グリップ」できるように、ソールには「様々な機能が付加」されていて、「にぎやか」なのが特徴です。

僕はほとんどが、アスファルトなどの「静かな」路面を歩いているので、「ビブラム」のソールだと、少し「騒がしいな」と感じました。

さらにそこに、「ホカ」の代名詞でもある「厚底」も加わるので、かなり「歩き方の調整」をする必要がありました。


「バネ」の存在感


上の動画が、「ホカ」のソールの機能である「PROFLY」の説明なのですが、つま先に「バネ」があるのがわかるかと思います。

今回買った靴で、一番慣れなかったのが、この「バネの扱い方」です。

よく履いている「アシックス」の靴だと、「プロとしてサポートに徹してくれる」感覚なので、僕自身は「何も考える必要がない」状態で、歩いたり、走ったり、様々な動きを行うことができます。

そのおかげで、「地面の声を聴く」といったことや、「足裏の重心移動の軌跡を感じる」というような、「身体の微細な感覚」に「意識を集中する」ことができます。

僕は、より「受動的な歩き方」ができて、「主役=履く人、サポート役=靴」というイメージです。

今回の「ホカ」の靴は、「バネをいかに上手に使うか」がポイントになるので、そのためには、履いているこちら側が、一歩一歩「踏み込む」感じで歩いていかないと、「バネに負ける」ような感覚になってしまいます。

欧米の人のように、体格ががっちりしていて、筋力も十分にあって、歩く際に「ズンズンと踏み込んでいくタイプ」の人であれば、「(何も考える必要もなく、自然に)バネを使える」のではないかと思います。

先ほどの「アシックス」と比較すると、「能動的な歩き方」する人には合っているかもしれませんが、「主役=靴、サポート役=履く人」になってしまう可能性もあるかもしれません。

さらに、この靴が生まれてきた環境は、「フランスのアルプスで、デコボコした岩があるトレイルを下っていく」というものなので、その状況だと、「つま先方向に体重移動しやすく」なります。それによっても「(自然と)バネを使える」感覚になります。

つまり、「(デコボコもしていない)平坦な道」を、「(自分から踏み込んでいく、能動的な歩き方ではなく)受動的な歩き」をする僕にとっては、「歩き方」だけでなく、「意識」も変えなければいけませんでした。

「道具に仕事をさせる」という「コツ」をつかむことができてからは、逆に「下り坂をタイヤが転がる」ように、スイスイと歩いていくことができるようになりましたが、それに気づくまでは少し時間がかかりました。


「補完」か「拡張」か

今まで書いてきたように、「靴」にもいろいろなものがあって、その機能はかなり多様になってきていると思います。

そんな「靴」を「道具」として考えてみると、「道具」には、「人の身体の能力」を、「補完するもの」と「拡張するもの」とがあります。

例えば、「サングラス」というのは、「紫外線に弱い眼」を「(レンズで)補完」することで、眼を「保護」してくれたり、「眩しさを和らげる」ことで、作業に集中することができます。

「サングラス」があることで、「刺激、ストレスを和らげ、その人が持っている能力を存分に引き出す」ことができるのです。それが「補完する道具」です。

それに対して「双眼鏡」は、眼の「遠くのものを見る能力」を「拡張」することができます。

「双眼鏡」のおかげで、「眼が元々持っている能力そのものを延長する」ことができるので、「拡張する道具」になります。

そういう意味で言うと、「アシックス」の靴というのは、「裸足になるべく近く、最低限の保護をしてくれる」ので、「(足の能力を)補完する道具」になって、今回の「ホカ」や「ナイキ」の靴に関しては、「走る際の足の蹴る力を後押ししてくれて、楽にストライドを伸ばすことができる」ので、「(足の能力を)拡張する道具」に当てはまると考えられます。

最近では、「義足」で走るパラアスリートの方が、「健常者が出した世界記録を超えるのではないか」と言われていたりしますが、それもこの問題に類似するものです。

以前の「義足」は、まさに「亡くなった足を補完する道具」という意味合いが強かったと思うのですが、「テクノロジーの進化」によって、「そもそもの足の能力を拡張する道具」というものに「移行」してきているようにも思います。



道具を通して、自分を眺める

「その靴は、そもそも道具として、自分に何をしてくれるものなのか?」

今回、「ホカ」の「厚底」の靴を履いてみて、改めてそんなことを考えました。

「最近流行っている厚底は、どんな感じなんだろう」という感じで、「道具ありき」で靴を買ったのですが、東京マラソンで「厚底」シューズを履いていた市民ランナーの方の中にも、「大迫選手が履いてるから」というだけの理由の人もいたかと思います。

「道具」というのは、「選び方」を間違えてしまうと、自分の「主体性を損なう」可能性も出てきてしまいます。

道具はどんどん「進化」していて、「厚底」のような「革新的」なものも登場してきて、今後はさらに「多様化」が進むかと思います。

それを「選ぶ側」である僕たちが、よくそれを考えて「選択」しなければ、「道具とケンカしてしまう」ことがあったり、「道具に支配される」ということも起きるかもしれません。

今回の記事では、「靴」という「道具」を巡って、様々なことを書いてきましたが、道具のことを考えれば考えるほど、「自分のことをまずはよく知らなければいけない」と思うようになりました。

ついつい、スマホなどで「道具をいろいろと検索すること」に時間をかけてしまいがちですが、まずは「自分自身をよく知ること(自分の身体はどういう状態か、どんな走りをしたいのか)」も、とても大切なことだと思います。

そして、その上で「道具とゆっくりと会話すること」によって、少しずつ「(自分なりの)道具との健全な関係性」を探っていくのがいいかと思います。

言うまでもありませんが、「完璧な道具」などこの世の中にはありません。

「道具の評価(レビュー)」に「振り回される」よりも、「どんな道具とでも、仲良くやっていける自分でありたいな」と思います。

「ホカ」も、最初は少し戸惑いましたが、今ではだいぶ「会話が弾む」ようになってきました。

これはこれで「僕とホカとのいい関係」だなと思っています。




Yuta

( Posted at:2019年10月26日 )

A-Yogaレッスン 11月のスケジュール

ラグビーの日本代表の活躍はすごかったですね。

息子と一緒に「ノーサイド」というドラマも観ていたので、息子はラグビーというスポーツのこと、そしてルールも少しだけ覚えて、「今日は日本対スコットランドだね」とか、「あー、ノックオン!」など、実際の試合も声を出しながら楽しむことができました。

元々、「ボール遊び」が大好きな息子でしたが、田村優選手の「ペナルティゴール」のキックの真似をしながら、小さなラグビーボールを蹴るのですが、キックまでの間の取り方、助走の仕方などもよく観察していて、改めて「子どもはよく見ているな」と関心しました。

大人の方がいろいろと見ているようで、「見落としていること」が多いのかもしれませんね。

さて、11月のレッスンスケジュールをお知らせします。

少しずつ寒くなってきていますので、縮こまった身体を、すっきり伸びやかに解放してあげましょう!




◯A-Yoga定期レッスン

上のスケジュールの、ピンク色のアンダーラインのところが、とんがりビルのfestaでのA-Yogaの定期レッスンになります。(クリックすると、拡大したものが見れます)

ヨガがはじめての方でも、ほとんど運動をしたことがない方でも、もちろんヨガ経験者でも大丈夫なクラスを心がけています。

ヨガの「アーサナ」だけにはこだわらずに、その日に集まったみなさんの身体に合わせて、シンプルでもじっくりと深めていける動きを紹介します。

回数券があるので、購入していただくと、お得にレッスンを受けることができます。

ヨガに関しては、「細く長くつづけること」が大切だと思っていますので、一度購入していただいたものは「期限なし」でご利用できます。ご都合の合う時にご予約ください。
    
回数券:2,500円/1回
    6,500円/3回
         10,000円/5回
    15,000円/10回
 (どの曜日でも使用可、期限なし)



◯maaruでつながるYoga

11月13日(水)11:30 - 13:00(ヨガ60分+ランチタイム)

場所:ドーナツ小屋 maaru

料金:2,500円/1回


ヨガがはじめての方でも大丈夫です。


前回のドーナツランチです。


参加者みんながつながる楽しいレッスンです。




以上のヨガレッスンは全て「要予約」となっています。


ご予約、またはお問合わせは、

電話:090-4476-6395(大友)

までご連絡をお願いします。


みなさまの参加を楽しみにお待ちしています。

 


Ryoko

( Posted at:2019年10月25日 )

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