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モニターDさんの感想(セッション8 | 40代 女性)

今回はDさんのセッション8になります。

感想の中には直接そういう表現はありませんが、「のぼせ」の状態になっているのかなという感じでした。

4月、5月というのは、どんどん暖かくなってきて、身体も「開いてくる」時期になるのですが、冬の「閉じた」身体を引きずって、移行がうまくいかないと、頭に「熱」が閉じこもってしまって、「のぼせる」ような感じになってしまいます。

さらに、暖かい空気と共に、空気中には「花粉」や「黄砂、PM2.5」などの「微粒子」が舞い始める時期でもあるので、それに反応することによって「鼻づまり」も起こりやすくなり、余計に「抜けが悪い(滞った)」身体になることがあります。

そのことを、感想の後に詳しく書いていこうと思います。

それでは、Dさんのセッション8の感想をご覧ください。

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最近ちょくちょく左脚の付け根あたりが痛むようになってきました。
調子が悪いな、と感じるときのきっかけがだいたいそれです。
今回もちょうど痛みと違和感を感じはじめているときのセッションでした。

終わった後は脚の痛みもなくなり、歩いても脚も手も軽く感じてました。
今日、ちょっとした距離を歩いたら、また脚の付け根に違和感を感じるようになりました。
いつもよりそんなに歩いてないのに何が悪かったのかな。

痛む側に原因があるわけではない時もある、と昨日聞いたので、自分でも様子を見てみようと思います。

昨日のセッション中は、途中から喉の奥がひっぱられるような感覚が気になってました。
今もちょっと喉の辺りが気になるような気がしますが、鼻から呼吸をするのはすごく楽になりました。
あと頭が涼しく感じるような気がします。

全体的には体も軽くなって、頭もすっきりしています。

もう残り2回ですね。
次回も宜しくお願いします。

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春先の「のぼせた」身体

身体というのは、「いちばん身近な、小さな自然」であると考えていて、日々の天気の変化や、季節のゆっくりとした移り変わりにも、常に反応していて、こちらが意識をしていなくても、「もっと大きな自然の流れに調和するように」働いてくれています。

冬の寒い間は、熱を外に逃さないように、身体を「硬く、閉じた」状態にしておくのが普通です。そういう時期は、無理に身体を伸ばしたり、開こうとしなくても、呼吸の動きを眺めてみたり、それに伴って生じる熱を感じてみたり、「内側(のより微細で、静かな動き、働き)に意識を向けてみる」だけでも十分だと思います。(冬は自然に精神的にも内側を向くので、自分を内省することが多くなったりします。)

それが春になってくると、太陽の光も暖かくなり、地面を温め、土の中から、虫や小さな動物たち、そして草木たちも、「もぞもぞ」と動き出してきます。それは「内側に閉じこもって、エネルギーを蓄える」状態から、「外に向かって開き、蓄えていたエネルギーを発散させながら、動き出す」状態への変化です。

もちろん身体もそれに調和して、皮膚がゆるんで毛穴が開き始め、強張っていた筋肉も「もぞもぞ」と動いてきて、身体が「起きて、開いてくる」ようになります。

そんな移行の時期に、ずっと家の中にこもっていたり、外の自然の変化を感じずにいると、なかなか身体が起きて、開こうとせずに、「ぐずぐず」としてしまうことがあります。この時期に体調を崩す人は多いのですが、そういう人の身体は、「変化に対応しにくい、閉じて固まった」状態になっていて、「なんだかすっきりしない」感じが長く続いてしまっているのです。

「上虚下実」という言葉がありますが、「下(下半身、下腹)に力、熱、エネルギーが満ちていて、上(上半身、頭)はすっきりと、涼しく、空である」という身体の状態のことで、「健全な身体」の特徴であると言われています。

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昔の日本人の身体能力というのはすごくて、上の写真のような女性が、特別に珍しい存在ではなかったと想像します。日々の農作業などの生活の中で、「上虚下実」な身体を実践できていたからこそ、現代人には「想像しにくい(実感として持ちにくい)」ことが可能であったのだと思います。

これだけ重いものを頭の上に乗せながら、首が圧迫されている感じには見えません。足腰はどっしりと安定していて、表情は爽やかです。

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ロルフィングで目指している「ラインに乗った」状態というのも、下半身は地面に「グランディング」していて「安定感」があり、そこから「身体を支えてくれるエネルギー」は、「頭頂の上まで」抜けていきます。「頭は軽く、地面からのサポートによって支えられている」ような感覚があります。

これらの感覚を、少し違った表現をしてみると、「抜けのいい」身体とも言えるかもしれません。どこかでエネルギーが「滞る」こともなく、安定した下からのエネルギーの「流れ」があります。

これが反対の「上実下虚」や「ラインに乗れていない」状態になると、「下はグランディングせずに不安定で、力もエネルギーも足りず、上の頭が過剰に働き、熱がこもってしまう」ようになります。

そのような状態では、身体は「のぼせた」感じになってきて、「エネルギーや力、熱の抜けが悪く」、「循環せずに滞っていて、ぐずぐず」としていて、「なんだかすっきりしない」調子が長く続いてしまいます。

寒い冬から春への移行の時期には、身体が「のぼせ」気味になりがちなので、「下はグランディングしていて、上は抜けがいい」状態は、つまりは「上虚下実」の身体を目指すのがいいかと思います。


それは本当に「花粉症」なのか?

「のぼせた」身体というのは、「頭にエネルギーがこもった」状態であると説明しましたが、「花粉症」などで「鼻がつまって」しまうと、さらにそれに拍車をかけてしまいます。(さらに「抜けが悪く」なって、「停滞」してしまいます。)

花粉症は、身体の「免疫システム」が、花粉という「身体には無害なもの」に対して、「過剰に反応してしまう」状態のことで、身体が花粉に対して「(有害だと)誤解」しているのですが、「花粉症ではないのに、花粉症ということで済ませている」人も多いのではないかなと、最近考えています。(つまり、それは「誤解」ではないということです。)

どういうことかと言うと、最近は、「黄砂、PM2.5」などの「身体にとって有害なもの」も、空気中を浮遊していることが多く、それに対して、免疫システムが「正常」に反応していることもあるということです。

同じ「花粉症のような鼻づまり」という症状があったとしても、「無害なもの(花粉など)」に対して、「過剰に(または誤解して)」反応している場合と、「有害なもの(黄砂、PM2.5、放射性微粒子など)」に対して、「正常に」働いてくれている場合とがあって、後者の場合には、きちんと免疫システムが働いてくれて、「有害なものを、鼻水などによって体外に排出する」ことをしてくれないと、それはそれで大変なことになります。

もしもそれを、「鼻がつまって苦しいから、花粉症用の薬でも飲んでおくか」などと勝手に判断してしまうと、「有害なもの」を「身体の中に、安々と侵入させてしまう」ことになってしまいます。

僕自身、昔は「花粉症」ではなかったのですが、最近やけに「くしゃみ、鼻づまり」が多くなったなと感じていました。試しに、病院で「アレルギーチェック」をしてみたのですが、「花粉」などに対しては、何もアレルギー反応を示しませんでした。

山形に引っ越してきて、車を運転するようになりましたが、車にべっとりと「黄砂」が付着していることもあったり、山形は周りを山に囲まれていますが、その山が「霞んで見える」こともあります。山が見えにくいほど、空気中に「黄砂」が浮遊しているのです。

そうなると、それには「身体の免疫システムが、どんどん働いてもらう」方がいいので、「鼻がつまっている方が、正常な反応」ということになりますし、「マスクを付ける」など、「そもそも有害なものを入れない」対策が必要だと思います。

このように、「鼻がつまって辛いんです」という症状があったとして、それを安易に「取り除いて」しまうと、身体の「自然治癒力(自己免疫力)」の働きを「邪魔」してしまうことになります。それによって、もっとひどい状態になってしまうこともあるかもしれません。

ただ「症状をなくす(抑えつける)」のではなく、それが出てきた「背景」を丁寧に見てあげないと、自分の身体に良かれと思ってしていることが、まったく反対の結果を招くことも起きてしまいます。


ロルフィングで花粉症、アレルギー症状が改善することもある

「(花粉症などの)アレルギー症状」は、「身体が硬く強張って、変化に対応しにくい」時や、「身体が弱っていて、微細な刺激でも負担になってしまう」時などに起こりやすくなります。

具体的には、仕事が変わったり、引っ越しをしたり、結婚、出産を経験したりして、「自分の周りの環境が大きく変化」するような時で、それらの変化による緊張やストレス、そして疲労の影響で、上に書いたような身体の状態になってしまいます。

アレルギー症状は、「(無害なものを、有害だと認識してしまう)誤解」がきっかけで始まって、さらに「誤解は誤解を招く」ことがあるので、「よりわずかな量」でも、「より様々な種類」に対しても、反応をしてしまうようになり、症状が「強まる(重症化する)」ことがあります。

普段だと、身体もある程度整っていて、余裕もあるのですが、環境の変化で「いっぱいいっぱい」になると、身体の免疫システムも「誤解を生みやすい(周りが敵に見えるような)」状態になり、アレルギー症状が出やすくなり、それで身体がさらに「余裕がなくなる」と、「誤解がさらなる誤解を生む」という悪いサイクルに入っていってしまいます。

そういう時に、ロルフィングを受けるとことで、身体自体の余分な緊張や制限がなくなり、また「適度な余裕」を取り戻すことができると、免疫システムの「過剰な反応」も収まってきて、アレルギー症状も治まりやすくなることもあります。

以前、ボディートークというボディワークの1日セミナーを受講したことがあったのですが、そこでアレルギー症状に関して、興味深いエピソードを聞くことができました。

「とんがり通信」という紙媒体に、そのことを書いたことがあったので、それを下に載せてみます。


誤解する脳、アレルギーな身体

あるアメリカの少年が、「アイスクリーム」に対してアレルギー反応を起こして病院に行きました。お医者さんが調べても、アイスクリームにはアレルギー物質は含まれていませんでした。お医者さんでも原因がわからず、少年はいろいろなセラピーを受け、とうとうその不思議なアレルギー反応の「背景」がわかってきました。それは、アイスクリームを食べていた時に、その少年の両親が離婚の話をしていて、「両親の離婚」というとてもショッキングな出来事と、「アイスクリームを食べる」という行為が、脳の中で勝手に「関連付けられてしまった(誤解してしまった)」ことが原因でした。私たちの脳は、さまざまなものを関連付ける「クセ」があり、それがアレルギー反応を引き起こすこともあるのです。何の関連もないものを「誤解」して、誤解は誤解を呼び、どんどん膨れ上がります。それが「症状」まで発展してしまうのです。その誤解を「解く」ためのカギは、規則正しい生活をして、心身も健やかにして、「偏りのない、自然で余裕のある身体」になることです。薬で症状を抑えるだけでなく、生活を整え、心身が健全であることもとても大切なことです。


花粉症などもそうですが、アレルギーは「現代病」とも言えるほどに、たくさんの人たちが困っているもので、それでも決定的な解決策はないのが現状です。

上の文章にもありますが、「生活を整え、心身が健全であること」が、実は一番大切な「アレルギー対策」なのではないかなと思っています。

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今回は「のぼせ」と「花粉症とアレルギー」のことも説明させてもらいました。

春先の移行の時期は、「のぼせた」身体になりやすく、「なんとなくボーっとしたり、なんとなく調子が悪い状態が続く」人が多いのですが、それが「花粉症などによる鼻づまり」で、さらにその状態を悪化させてしまうことがあります。

Dさんには、花粉症の症状やアレルギーもなかったのですが、「頭が涼しく感じる」とあるように、少し「のぼせ」気味だったのかなと思います。

セッションで身体が整うと、「上虚下実」な身体に近づいたようで、脚の違和感も軽減し(翌日また歩いたら出てきたとありますが、後日確認したら、すぐになくなったようです。)、身体も軽く、頭もすっきりとしたようでよかったと思います。

残すところセッションもあと2回となりました。次回のセッション9も楽しみにしています。




Yuta

( Posted at:2017年6月24日 )