ロルフィングハウス フェスタ FESTA

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モニターDさんの感想(セッション2 | 40代 女性)

今回は、Dさんのセッション2です。

Dさんは、セッション後にいろいろと反応が出てきたようですが、そのことについては感想の後に書きたいなと思いますので、まずは感想から見てみましょう。

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昨日はありがとうございました。
自分でもなんとなく歪んでいるだろうなと感じていた足でしたが、ここまで違うとは...
正直衝撃でした。

セッションの後、歩いて帰りました。
足の裏がいつもよりも平べったく感じるというか、足全体が地面について歩いているように感じました。
足の指も歩くときにこんなに使うんだなあと。

それと、いつも歩くときは足の付け根辺りから足を動かして歩いている感じだったのですが、お腹から歩いているように感じ、骨盤もこんなに動くものなんだとびっくりしました。

前回のセッション1の後、ちょっと腰が張った感じがあったのですが、そんなものなのかなーと自分で思ってしまったので、言わずにそのまま帰りました。
そのことを前回の感想として書いたのですが、だいぶ気にされていたようですみませんでした(笑)

今回は、「今どこか違和感のあるところはありますか?」と聞いてくださったので、「今はここ、今度はここ。」と遠慮なく言えました。(もともと遠慮して言わなかった訳ではないですが)
おかげさまでとてもスッキリして帰ることができました。
ありがとうございました。

1日経った今も、肩も腰もとても楽に感じます。
内臓も前より温かくなったような気がします。

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セッションを受ける前と後の、少しの「余白、隙間」

セッション2は「足」を扱うのですが、足の裏が平べったく感じたり、足の指の感覚があったり、さらにはお腹から歩いているという、セッション5で感じてほしいものも出てきています。

特にDさんは、festaまでいらっしゃる時に「片道30分ほど歩いて」こられるので、ロルフィングを受けた後の身体の変化が感じやすいのかなと思います。

セッションの前後に、少し歩いてみたり、ヨガなどのシンプルでゆっくりな運動をしてもらったり、日常の生活の中で、身体の声に耳を澄ましてもらう時間を取ると、今の自分の身体がどういう状態なのかを簡単にチェックできます。慌ただしく過ぎていく時間の中に、少し「間、ポーズ」を取ってあげて、頭から身体へと、意識を動かしてあげます。

そうすることで、勉強の際の「予習・復習」ではありませんが、セッション中に受け取れるものが変わってきます。より「積極的、主体的に」セッションに参加する意識が出てきて、身体の変化を「深く、微細に」感じ取れるようになり、その変化が身体に「定着する」ことの助けにもなります。(まさに勉強、学習と同じですね。)

山形は「車社会」なので、セッションを受ける前に車で来て、そしてロルフィングをしてもらって、また車で帰るという流れになりやすく、自分で自分の身体のチェックをする時間が少ないという方もいらっしゃいます。そうすると、やってもらうだけの「受け身」になりやすく、「セッション、掛け合い」の効果が出にくくなることがあります。(ロルフィングが時に、劇的で、感動的な身体の変化を引き出すのは、受けてくださる方との双方向的な「やり取り」があるからです。)

また、ロルフィングの前後に、あまり予定を詰め込み過ぎてしまっても、身体に意識を向ける時間が少なくなってしまいます。セッション中に頭が忙しすぎて別のことを考えてしまったり、起きた変化が静かに身体に定着していくための「味わう」時間も少なくなります。「余韻に浸る」という言葉がありますが、セッション後に何も考えない空白の時間を持つというのもとても大切なことです。

必ず歩いて来てください、ロルフィングの前後には予定を入れないでください、というわけではないのですが、朝の家事をしている時に、少しだけ身体に意識を向けてもらったり、いつもよりも早く家を出て、festaの周りをゆったりと散歩してもらったり、ロルフィングを受けた後には、起こった変化を咀嚼して消化してあげる時間を取ってあげると、より充実したロルフィングのセッションになるのかなと思います。

僕は今でもロルフィングを受けていますが、何回も受けているにも関わらず、毎回新鮮な気づきがあったり、より深く自分の身体を感じられるようになってきています。それは、そういった時間の効用もあるのかもしれません。

ロルフィングを受ける前と後に、「余白、隙間」を取ってあげることの大切さも、頭の片隅に置いていてもらえたらと思います。


姿勢は、その人の身体が「どう生きてきたか」の履歴

「正直衝撃でした。」と、Dさんの感想にありますが、ロルフィングでは、10回のセッションを受けていくことで、自分の身体に知らず知らずについていた「クセ」を、無理なく段階的に解いていきます。

身体を直接触れてワークをすることも大事ですが、その前にまずはその人の立ち姿勢をチェックします。

すごく猫背の人もいますし、腰が反っている人も、右肩が下がっている人も、脚がくねくねと曲がっている人もいて、いろいろな姿勢があります。そして、同じ猫背、反り腰に見えるものでも、まったく違う「成り立ち」をしているものもあります。人の数の分だけ姿勢の種類があると思いますし、もっと言うと、その人の姿勢も日々違っています。

「姿勢は、その人がどう生きてきたかの履歴である。」

これは、僕のヨガの先生が教えてくれた言葉です。

姿勢は人それぞれ、そしてその人の中でも移ろいゆくものですが、それはどう生きてきたか、どう動いてきたかの「履歴」、または「軌跡」でもあります。その人の右肩が左肩に比べてうんと下がっていたとしたら、そうなるような動作を何度も何度も繰り返してきたから、それが目に見える「跡」になったということです。(そこが目に見える「道」になっているということは、何度も何度もそこを「通った」という行為があったことを示しています。)

優れた猟師が「足跡」から、どんな生き物が、どんな行動を取って、どこに向かったのかを想像し、さらにどんな気持ちであるのかまでを読み解くように、僕たちロルファーは、その目の前にある姿勢から、その人がどんな仕事をしていて、どんな姿勢、動きを繰り返しているのか、またその姿勢をするとどんな気持ちになりやすいのかなどを推測していきます。

姿勢には、「パッと目を引くクセ」というのがあって、それは身体のことを何も知らない他の人とも共有できるものです。子どものような素直な目で全体を見ると、「なんだかやけに骨盤のねじれが気になるな」というのが、姿勢から「浮き出るように」目立ってきます。そしてその場所こそが、「何か問題がある場所」であること多いです。人の直感というのは、本当にすごいなと思います。

今回のセッション2では、Dさんの右のすねが外にぐいっとたわんでいるのが、すぐに目を引きました。Dさんにそれを伝えると、すごく驚いていて、「衝撃でした」と思うほどだったようです。セッション1の時には、それほど目立っていなかったので、その後に全体の構造が変化して、下腿にねじれが現れてきたのだと思います。そうやって、身体のゆがみ、ねじれは10シリーズの間に移動していきます。


レシピの順番の意味

ロルフィングの10シリーズは「レシピ」とも呼ばれることがあります。

料理をどう作ったらいいのかを教えてくれるレシピのように、アイダ・ロルフさんが作ったレシピは、どんな順番で身体の構造を重力と調和した状態に導いていくのかを、僕たちロルファーに示してくれます。

Dさんはセッション1の後に、首から背中にかけての張りが出てきたようですが、それはセッション2で扱う領域になります。このように、次にやるセッションの場所に違和感が出てくるということが、10シリーズをしているとよくあります。

それをロルフィングを勉強している時のクラスで誰かが質問したところ、「それはレシピが順調に進んでいる証拠だよ。」と先生が教えてくれました。

レシピには順番がありますが、それにはまだまだ僕には読み切れない意味がたくさんあります。それは身体の構造にある「ゆがみ、ねじれ」を、無理なく段階的に解いていく方法であり、どんな人でも経験(ロルフィングのトレーニングを受ける)を積むと、それは可能であるというものです。

それほど、アイダ・ロルフさんはよくよく考えてレシピの順番を考えたのだと思います。本当にすごい人です。

ゆがみ、ねじれはすぐに消えるものもありますが、それが大きく深いものほど、身体の中を移動して、場所を変えながら痛みや違和感となって現れることがあります。それは、「次はここを触ってほしい」という、身体のメッセージでもあります。

そういった場合の痛みや違和感は、「悪さもせずに、長居もしないし、しつこくもない」というのが特徴です。


好転反応は、システムの大きな変化に「馴染む(適応する)」反応

身体が変化していくプロセスの途中では、たまに身体のだるさを感じたり、痛み、違和感などが出てくることもあります。それ以外にも、眠くなったり、排泄が活発になったり、発熱、じんましんが出てくることもあります。

こういった反応を「好転反応」と呼ぶことがあります。

好転反応が起きているということは、「今までの身体が大きく変化して、それに追いつけないところが出てきている」ということだと、大まかに捉えてもらっていいかと思います。

私たちの生活の中でも、「消費税が変わった」、「駅の改札がICカードになった」、「高速道路がETCになった」などという、社会システム上の大きな変化が起こると、いろいろな「トラブル」が起きてきます。

小さな変化であれば、起きるトラブルも小さく、少なくなり、それが大きなものであればあるほど、「混乱」とも言えるトラブルが出てくるものです。

身体でもそれは同じで、身体の構造を大きく変える変化が起こると、部分部分にちょっとしたトラブルが発生し、その「適応、調整」の時間が必要になり、時間が経つにつれ、それは次第になくなっていきます(目立たなくなっていきます)。

何事も大きく深く変化する時には、「好転反応」のようなものが起きてくるものです。そしてそれは、システム全体がスムーズに機能するために、部分が細かく「適応、調整して、馴染んでいく」過程でもあります。

セッション後に起きてきた痛み、違和感をすべて好転反応だとは思いませんが、そういったものは「悪さもせずに、長居もしないし、しつこくもない」ので、そうではない場合には、すぐに連絡してもらえたらと思います。

好転反応に関しては、野口整体の野口晴哉さんがご自身の著書の中で書かれていて、僕もすごく参考にさせてもらっているものがあるので、また別の機会に紹介したいと思います。


Dさんの場合は、セッション4〜7の「深層のセッション」に入ってから、「冷え」が変化してくるかなと思っていました。今回のセッションで、内臓が温かい感じが出てきているので、それもいい流れかなと思います。

次はセッション3では、身体の側面に対してのアプローチになります。どんな反応を身体が見せてくれるでしょうか。楽しみにしています。




Yuta

( Posted at:2017年2月18日 )