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モニターAさんの感想(セッション5 | 20代 女性)

モニターAさんも10シリーズの半分のセッション5になりました。

まずはセッション5の概要を説明したいと思います。

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深層のセッションは4〜7になりますが、その中でもセッション4〜6の共通したテーマとして、「自由に解放された、水平な骨盤」というのがあり、前回は「内転筋群と骨盤底膜」をリリースさせていきました。それらの筋群は骨盤の「下側(底面)」に多く付着しているので、そこを自由にしたイメージです。

今回のセッション5では、「前側(腹側)」に付着している筋群を骨盤から解放してあげます。

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上の図が、今回のセッションの主人公の「大腰筋」になります。(図には腸骨筋も含まれています。)

大腰筋は、大腿骨の「小転子」と呼ばれるところ(股の付け根の辺り)に付着し、骨盤の内側の「へり」に沿うように上まで伸びていき、「腰椎の側面」に付着しています。とても簡単に言うと、「股の付け根」から「みぞおち」くらいまである、とても長い筋肉です。(とんかつでは「ヒレ肉」の部分に相当します。)

歩く時、走る時のように「脚を前に振り出す」ような動きを生み出す筋肉で、最近はここをトレーニングして脚を速くしましょうということを聞いことがあるかもしれません。実際に、ウサイン・ボルト選手などの大腰筋を調べてみると、他の人よりもかなり大きく太く発達しているようです。

でも、ここで間違えやすいポイントがあります。

「ボルト選手など、脚が速い選手を調べると、大腰筋が太かった」というのは事実ですが、「大腰筋をトレーニングなどにより太くすると、脚が速くなる」というのは、必ずしもそうであるとは言えないのです。

同じような感じで、「〇〇選手を調べると、コア、体幹が強かった」というのを知って、だったら「コア、体幹を鍛えると、〇〇選手のようになれる」と考えるのも、そう簡単にはいかないものです。(〇〇選手のすごさを支えているのは、コア、体幹という単独の要素によるものではなく、もっと様々な要素が重なり合った総合的なものだからです。)

ボルト選手は、必ずしも「大腰筋を鍛えよう」と思ってトレーニングをして、その結果太くなったわけではないと思います。ボルト選手が生まれ育った環境は坂が多く、小さい頃から友だちとかけっこで遊んでいたら、「自然にどんどん脚が速くなっていき、結果的に大腰筋が太くなった」というのが、どうも現状には合っていると思います。(これは直接ボルト選手に聞いたことではないですし、今は意図的に大腰筋をトレーニングしているかもしれません。)

つまりは、「大腰筋をトレーニングする」のではなく、「大腰筋が適切に働けるような状況にしてあげる」というのがポイントになります。いくらそれが太くなったとしても、実際の歩く、走る場面で「活躍」しなければ意味がないのです。

セッション5で大腰筋にアプローチすると、大腰筋が解放、活性化されます。そして、大腰筋が働きやすい脚の動かし方のコツも覚えると、立って歩く時にも大腰筋が自然に活動してくれて、歩きやすくなったり、走りやすくなります。そしてその状態を続けていくと、大腰筋が普段から使われるようになり、自然に大腰筋が発達していきます。(専門的に言うと、「筋」をトレーニングするのではなく、「動き」が変化する必要があります。)

さらに大腰筋の大切な働きがあります。大腰筋は腰椎に付着しているので、「体幹部の安定」につながります。いわゆる「コアが活性化」されます。図を見てもらうと、舟の「マスト」が腰椎で、左右の大腰筋が「ロープ」のようになっているのがわかると思います。左右のロープに「程よいテンションをかける」と、「マストが安定する」のがイメージできます。

大腰筋を触診しながら、微妙に脚を動かしてもらうと、脚を動かすのに「先立って」大腰筋が収縮し始めるのを感じます。つまりは、脚を動かす前に、まずは腰椎部分を安定させて(マストを安定させて)、それから脚が実際に動くのです。(これもとても大切なポイントです。)

大腰筋がどんなところに生息していて(解剖学的な位置)、どんな性格(機能)をしているのかを簡単に説明してみました。さらに周りの組織との関連も見ていってみましょう。

まず下の方を見てみると、「内転筋」の付着部と場所が近く、先にセッション4でその辺りにアプローチして、内転筋は内転筋として自分の仕事に専念できて、それに大腰筋が干渉して邪魔し合うことがないように、スペースを作っておきました。

次に上の方を見てみると、「横隔膜」との密接な関係があります。横隔膜には「脚」と呼ばれる部分がありますが、それは脊柱に付着して、腰椎の方まで伸びてきます。横隔膜の脚と大腰筋とは、「手をつなぐように」結びついています。(解剖学者に聞いてみると、これらを解剖で分離するのは、とても難しい場合があるそうです。それほどにしっかりとつながっているということです。)

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横隔膜の「脚」が腰椎に付着している図です。(右の方が長いです。)


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横隔膜と大腰筋の関係図です。

上の図は、かなり簡略されて描かれていますが、どんな位置関係なのかはわかってもらえると思います。セッション3の主人公であった「腰方形筋」も見えています。これらのことから、「大腰筋と呼吸」の深い関係も見えてきますね。つまり、セッション5で大腰筋をリリースすると、「呼吸の変化」が見られます。特に背中の方に呼吸が入る感覚が出やすいと思います。

さらにその上に目を向けると、横隔膜の上には「心臓」があります。解剖的なつながりは直接ないと思いますが、イメージとしては「心臓の少し下くらいから大腰筋が下に伸びている」という感じになります。「心臓の下から脚が生えているイメージ」と、大げさに言っても言い過ぎではないと思います。

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脚を動かす時に、「股関節から動かす」イメージをしている人がほとんどだと思いますが、上の図を見てもらうと、「脚が心臓の下くらいから生えている」イメージになると思います。そして、そういう感覚で歩いてもらうと、歩く感じがずいぶん変わってきます。

さらにセッションが進んでくると、首は見えているところだけが首ではなく、心臓から生えているイメージで、左右の腕も、心臓からスタートしている感覚になってきて、先ほどの大腰筋から脚がつながっているのも合わせると、「心臓から5つの線が出ていて、それらはつながり合って連動している」ようになってきます。

それを具体的に体現している人がいるので、その人の動画を下に載せます。


動画の男性が「フレッド・アステア(Fred Astaire)」さんです。俳優であり、歌手であり、ダンサーでもあった人で、あのマイケル・ジャクソンもかなり影響を受けた人なのです。

ロルフィングを始めたアイダ・ロルフさんに、「この世の中で、ロルフィングを受ける必要がない人がいますか?」と生徒が質問したところ、「それはフレッド・アステアよ。」と答えたというエピソードも残っています。そして、それがなぜかというと、「大腰筋がとても良く使えているから」ということだったそうです。

動画を見てもらえると、「脚がとても長く見える」と思います。これも大腰筋が働くようになると、誰でもそんな風に見えるようになってきます。体幹部に「埋もれてしまっていた」脚が伸びてくるからです。そして、先ほどの「心臓からの5本の線」が、新体操のリボンのように華麗に舞っているのがわかるかと思います。それにしても、伸びやかで、制限のない自由な動きをしていますね。見ているだけでも、なんだか身体が解きほぐれてきそうです。

さて、いろいろとセッション5の説明をしてきましたが、この前置きの長さを見てもらうだけでも、すごく重要なセッションであることが伝わるかと思います。笑 

まとめてみると、

セッション5では、4〜6のテーマである「自由で水平な骨盤」を達成するために、骨盤の前側(腹側)に付着している筋群をリリースしていく。そのメインとなる筋が「大腰筋」と呼ばれ、不安定な腰椎を安定させ、そこから脚を振り出して前に歩いたり、走ったりする動作をするものである。大腰筋は、呼吸を司る「横隔膜」ともつながっているので、「呼吸」にも影響がある。「心臓の下くらいから脚が始まっているイメージ」で歩くと、歩き方も変わってきて、それがその後の首、両腕との連動にもつながってくる。ダンスの神様とも呼ばれた「フレッド・アステア」のように、大腰筋が適切に活動するように、大腰筋にアプローチをして、それを解放し、自由にして、それが動きの中で自然に出てくるように引き出すのが、セッション5である。

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セッション5が終わると、コアの空間(上の図の右側)が「拡張」して見えるようにもなります。

さて、Aさんのセッション5はどんな感じになったのでしょうか。感想を見てみましょう。

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第五回目の感想です。

第五回目は、セッション前に胃もたれに似た、内臓がどんよりと重い感じがありましたが、脚のラインがまっすぐに変わったことや、骨盤の高さが整ってきた感じがあることを伝えてスタートしました。足(脚)の方にあった歪みが、まっすぐに整ってきた代わりにその歪みが、足(脚)から上の方にあがってきたことも、胃もたれに似た症状に関係あるんじゃないかと言ってもらいました。

特に印象的だったことを書きます。

一つ目は、頭を触ってもらっている時に、なぜか子宮に意識が集まり出して気持ちよかったことです。頭を触られている時に、ゆらゆら温かい、なにかの中で浮いているような感じがして、ふっと、自分が赤ちゃんだった時は、こんな感じでお母さんのお腹の中で浮いて遊んでいたのかなあ?と思い、それと同時に子宮が気持ちいいとも感じていたので、自分もこの体の中の子宮で命を育み、母になる日がくるのだろうなあ、という思いも感じました。自分のひとつの体の中で同時に起こったことですが、頭は自分が生まれる前の胎児頃のことを思い出していて、体の女性器では、母になることを考えていたのは、自分でも面白いなあと思いました。

次に右側の骨盤から生えている筋肉を剥がしてもらったこと。ロルフィングで行う、骨に癒着してしまっている固まっている筋肉?膜?を剥がす時って、普通の「痛み」とは違うのですが、独特な痛気持ちいいような刺激があります。なかなか他では体感することのない痛みだと思うのですが、剥がし終わった後は、不調が出るとか違和感を感じるとか、痛みが残ることってなくって、ただ体が楽になり、可動域が広がるのはスゴイ所だと思います。第五回目でが、ロルフィングに出会わなければ一生意識せずに、そのまま一生を終えていたのだろうなあ、という部分を触ってもらったり、はがしてもらって、すっきりしたというか、死ぬ前に経験できて良かった(笑)と自分では思ってます。

脚の生え始めって、せいぜい骨盤からだろうという意識でしたが、お腹の中から脚が生えている、と知ってしまうと、日常の1個1個の動作や、静止して立っているときであっても、たまに内側の構造が透けて見える気がします。意識するとしないだけでも、歩き方や、お腹の捉え方も、自然に変わってくるようです。

最近、無意識に鏡の前に立ち、自分の体のことを観察する時間が確実に増えた気がしています。肩が下がり、胴回りがどっしりしたことや、足(脚)がまっすぐ伸びて、きちんと地についている感じはあるか、等見ているように思います。

あとは、だんだんセッション中に自分が「なんだかここ、気になる」とぼんやり思っていたヶ所を触ってもらえることが多くなってきて、自分でも不調のある部分や、調整したほうがいい部分がポイントで分かるようになってきたのかもしれないです。

第五回目で、「体がひとつにまとまった」という感じを受けました。4回目以前までは、テーマごとの体の部分やそこだけの変化に注目して、枝木を見ていた感がありますが、全体がまとまって整ってきたなあ、という感じ。

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内臓空間にある違和感

Aさんはセッション4の後に、胃もたれのような感じが出てきて、内臓がどんよりと重かったようです。

Dさんのセッション2の時にも書きましたが、ロルフィングの10シリーズをしていると、今までなかった「違和感」が現れることがあります。すぐに消えることもあれば、少し続く場合があったりします。

身体の「ねじれ」というのは、そこが「ただねじれているという状態」なのではなく、「構造の中で弱いところ、脆いところに、身体をねじれさせるエネルギーが居着いてしまって、それがその部分をねじらせているという状態」なのです。

ということで、ねじれを力づくでまっすぐに戻したとしても、ねじれのエネルギーはまだそこに残っているので、放っておくとすぐにまたねじれてきてしまうのです。

ねじれている組織、関節などの「構造」を意識するのも大事なのですが、それをねじれさせている「エネルギー」にも意図を持っておくことも大事です。そこの空間にある組織たちが、それぞれの適切なあるべき位置に戻ってくるように手で誘導すると、そこにあったねじれのエネルギーはそこにいるのが「居心地が悪く」なってしまいます。そしてその場所から移動していくことになるのですが、元々ねじれていた場所は構造的にも整ったので、次に弱く、脆い構造のところ(Dさんのセッション2の時には、「全体の変化に追いつけないところ」と表現しました。)に動いて行って、そこにねじれを作り出します。

その移動を余儀なくされる時に、少しエネルギーを「発散」します。それが、「何か股関節がすーっと伸びていって、最後に『抜けた』感じがしました。」といった現象だったり、ブルブルと「身震い」を起こしたりします。

そうやってねじれを生み出しているエネルギーが、少しずつ身体を移動していき、移動する際には、エネルギーの量は少なくなっていき、最終的にはかなり少なくなるか、ほとんどなくなるようになるのです。

10シリーズはそのねじれのエネルギーを、効率的に身体から抜いていくように、適切に「デザイン」されています。それが、「次に扱うところに違和感などが現れる」という現象を引き起こします。

今回のAさんの場合は、内臓空間に違和感が出てきていますが、セッション5は、大腰筋をメインで扱うのですが、その大腰筋の前には内臓が位置していて、そこにももちろんアプローチしていくことになります。

ということで、セッション4の際には、「脚のシルエットがくねくねと曲がっている」状態だったのが、脚の構造が適切になり、それを生み出していたエネルギーは移動を余儀なくされ、今回は「胃もたれに似た、内臓の重さ」を引き起こしたのではないかなというのが、僕の中での推測でした。


自分の子宮が伝えたかったこと

内臓空間に違和感が出てきたAさんですが、セッション中に頭を触れる機会がありました。そうすると、「子宮」に意識が集まり始め、自分がお母さんのお腹にいたこと、そして自分がお母さんになることを想像したそうです。

これが痛み、違和感の緩和、除去を目指した「治療」とは、ロルフィングが違うところで、「セッション」と呼ばれる所以でもあるのかなと思います。そしてそれが、僕がロルフィングを今までもしてきて、これからもしていく理由でもあります。毎回のセッションで、何が生まれてくるのかは想像もつきません。

「頭を触れると子宮が反応しますよ」というのは、授業で教わったこともありませんし、僕自身も経験したことがありません。「はて、これは何なんだろう?」とも思っています。笑 身体との素直な「掛け合い」の結果、今回のような感覚が出てきました。

この起きたことを簡単に「解説」したくはないので、あまり深くは書きませんが、とても美しい体験をされたようで、それが僕は素直に嬉しく思います。

僕もロルフィングを受けている時に、少し似たような経験をしたことを思い出しました。頭を両手でホールドしてもらって、その心地良さに身体を完全に預けていると、なんだか自分が「川の流れに沿って、ゆったりと流れていく」ような感覚になりました。

その時に僕は「なつかしさ」を感じました。小さい頃に母親の実家によく遊びに行っていた頃の記憶です。母親の実家は、深く豊かな山々に囲まれた「桧木内」という場所にあって、隣の家までかなりの距離があるような田舎でした。昔は誰かが病気になると、隣の町まで集落の人たちが集まって、箱ぞりで運んでいったそうです。

そこにはマタギのおじいちゃんが住んでいて、とても大きな、ごつごつした手をした人で、僕を川に遊びに連れて行ってくれました。おじいちゃんが組んだ鮎の梁(やな)で鮎を手づかみしたり、おじいちゃんが作った舟に乗せてもらって魚を釣ったり、釣った魚はすぐに近くの山小屋の囲炉裏で焼いて食べさせてくれました。

僕は川が好きで、そこに仰向けで浮かび、そのまま川の流れに身を任せて流れていくのが大好きでした。目の前には夏の青い空が広がっていて、緑色の木々の葉の隙間からは、太陽の木漏れ日がきらきらと輝いていました。

まるで時間が止まったような感覚で、川の水にやさしく抱かれながら、ゆらゆらと僕はどこまでも漂っていくのでした。

そんなこどもの頃の忘れていた体験が、海を渡った地で、言葉も文化も違うロルファーのセッションを受けている時に、突然浮かんできたのです。それにはとても驚きました。

そして、「かつて、僕はひとつだったんだ」と直観しました。

これは井上雄彦さんの「バガボンド」にも同じような描写が出てきますし、宮﨑駿さんの「千と千尋の神隠し」にも似た光景が出てきます。(実際、千尋ちゃんがハクに助けられたことがあった過去があったように、僕も川に助けてもらった経験があります。)

母なる自然に抱かれ、一体になっているような感覚。

Aさんの場合は、頭を触れていると子宮に意識が集まり、子宮が気持ちよくなり、その時に、自分が母親のその場所ににいのちとして宿った時の記憶、そして自分もその流れの中にあって、いつかは同じようにその場所にいのちを宿すことがあることを直観したようでした。

「お母さん」のイメージは、前のセッション中に何回か出てきていました。簡単に判断、解釈をしたくなかったので、そのまま保留にしてきたのですが、このセッション5では、お母さんと子宮がリンクして、そこから「いのち」の感覚が出てきたのです。これからまた何か出てくるかもしれないので、そういうことがあったというくらいにしておきます。


母なる海としての子宮

子宮というのは、「すべてを受け入れる海」のような場所です。女性で子宮に何かしらの問題を抱えている人は、精神的なストレス、トラウマであったり、身体にとってはうれしくない化学薬品が、シャンプー、化粧水、ハンドクリームなどから身体に入ってきたものであったり、化学調味料の多く入った食事であったり、とにかく「その人にとって毒」になるものを、受け入れ、「無毒化」してくれる場所です。

海はすべてを受け入れ、そしてそれを「浄化」してくれます。水は何にでも入り込んでいける性質があるがゆえに、「何でも受け入れる」ことができます。けれども、浄化するのにも「限り」があります。それは、海が汚れている昨今の現状を想像してもらえるといいかと思います。毒になるものを受け入れるのが子宮ですが、子宮にも限界があり、それが子宮への症状として出る場合もあります。もしもそういった症状がある人は、身体にとっての毒がないかを確認した方がいいと思います。

子宮は「いのちを宿す」場所です。海もまさにそういう場所です。そんな子宮が汚れている状態であると、それがその「命を育むプロセス」に影響を与えないわけはありません。生まれてくる自分のこどもが、自分では処理しきれないこと(毒であったり、カルマであったりもします)を、「引き受けてくれる」ことがあります。

出産は、女性の人生の中でも「最も大きなリセット」になります。女性は元々「リセット上手」ですが、出産はその最たるものになります。自分は出産で、今までの毒を「排出」して浄化できたとしても、それがこどもにそのまま受け渡され、こどもの「発生、成長」に悪影響を与えることがあります。

願わくば、自分の子宮は「清らかに澄んでいる」状態で、こどもを受け入れ、「余計なものを引き渡さない」ことが大切です。

最近の若い女性は、何かしら婦人科系の疾患を持っている人が多いと思います。僕の少ない今までの経験でも、そう感じるほどです。母なる海は、多くを語りません。それが故に、症状が出てきてから気づく人がとても多いですし、症状が出ても気づかない人もいます。

その肌に触れたり、塗ったりしているものは、本当に安全なものなのでしょうか。おいしさだけを追い求め、身体が嫌がるものを食べてはいないでしょうか。一度振り返ってもらえるといいかなと思います。

「いのちがリレーされる場所」です。それが変わることはありません。そのおかげで今の私たちがここにいます。そんな場所は、なるべくなら、美しく豊かな海である方が、いのちも喜ぶと思います。

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Aさんは他にも、「脚がお腹から生えている」感覚が出てきていますし、身体の内側の構造が「透けて見える」こともあるそうです。コアのセッションで深いところを扱うと、本人も深いところに意識が入っていき、自分の身体を「内側から眺める」感覚にもなり、身体が「3D」で捉えられるようになります。とてもいい流れだなと思います。

「ここを触ってほしい」というところに、僕の手も集まってきているようで、大分セッション中の「お互いの呼吸」が合ってきている感覚も出てきています。そうやって「セッション」が深まっていくと、奏でる音楽が「うねり」を出してきます。今回の子宮の話などは、身体が語ってくれるストーリーが「予定調和で平坦なもの」ではなく、うねりが出てきて、思いもよらないところに二人を運んでいってくれました。次のセッション6では、さらにどううねってくるのか楽しみです。




Yuta

( Posted at:2017年2月22日 )