3番目のfestaまでの、楽しい5年間。

festaがオープン5周年ということで、今までのfestaを振り返ってみようと思います。

現在の「とんがりビル」に移ってくる前に、神戸の岡本に3年、山形に引っ越してからは南二番町に1年いました。今のfestaは、3番目の場所になります。それぞれに個性的で、いろいろな思い出があります。

ロルフィングを学ぶ前から、いつかは自分のお店を持ちたいなと漠然と考えていました。初めての場所に行くと、気の向くままに歩き回り、お気に入りの喫茶店、本屋を見つけ、そこに通い詰めます。そして、その場所から得たインスピレーションを元に、自分のお店のイメージを様々に想像したりしていました。

僕はロルフィング®を海外で学びました。アメリカのボルダーという街には1年ちょっと、ブラジルの海沿いの町には3ヶ月ほど滞在しました。

ロルフィングを学ぶクラスは、3つのフェーズに分かれていて、計731時間のトレーニングを受けます。(僕の場合はさらに「認定ロルフムーブメントプラクティショナー」でもあるので、正確には計800時間弱くらいです。)それで「認定ロルファー」になることができます。今考えると、なかなかロルファーになるのも大変な道のりでした。


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コロラド州ボルダー。高地トレーニングで有名な街で、みんなアクティブな人ばかり。


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Saxy's cafe。ボルダーで1番通ったカフェ。スムージーがおいしかった。


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日本の真反対にあるブラジルの町。こんなところでロルフィングを勉強してました。


ブラジルでロルフィングのトレーニングを終え、故郷の秋田に年末に帰ってきたのが5年前でした。ブラジルでの日々が、あまりにも色鮮やかすぎて、帰ってきてしばらくは、なんだかモノクロというか、色彩を欠いた日々を過ごしていました。

そろそろ、ロルフィングを提供する自分のお店をどこにオープンするかを考えなければいけなかったのですが、そのまま秋田にするか、大学4年間を過ごした愛知にするのか、3年間社会人トレーナーとして働いた神戸にするのか、はたまたチャンスは多いであろう東京にするのか。時間はたくさんあったので、いろいろと考えました。


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3ヶ月ほど、アメリカ人(女性2人)とスイス人(男性)のクラスメイトと暮らした家。


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クラスまでの道のり。


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ここも通学路。休みは大体ここに来て、ビール飲んで、本を読んで。


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リオ。この辺りで、マイケル・ジャクソンがPVを撮影したようです。


ちょうどその頃、「阪急電車」という小説を元にした映画がテレビで放送されて、「神戸は大好きな場所だし、以前は神戸の西側(須磨)に住んでいたから、今度は阪急沿線で、東側に住むことにしよう」と、あっさりと神戸にお店をオープンすることを決めたのを覚えています。自分でも思いますが、なかなかに安易な決め方です。

とは言うものに、阪急電車には乗ったことがなかったので、実際に乗ってみることにしました。大阪梅田から阪急電車の神戸線普通に乗り込み、三宮駅までを目指すことにしました。六甲山が東西に続き、そこに家々が張り付くように並んでいる、神戸の電車から見えるおなじみの景色を眺めながら、1駅1駅の駅の雰囲気、そこで降りていく人、そこから乗ってくる人の様子を観察していました。


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神戸は電車によって、乗ってる人の雰囲気ががらりと変わります。


ふと、路線図に目をやると、「岡本」の文字が大きく見えました。後から考えると、単に特急が止まる駅なので大きかっただけなのですが、何か迫ってくるように大きく見えたのでした。そして「ここだ」と直観して、三宮までの切符でしたが途中下車して、すぐにそのまま物件を探し始めました。3つほど物件を紹介してもらいましたが、その3つ目の場所で、Rolfing House festaをオープンすることに決めました。そうやって最初のfestaが、岡本で始まりました。


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阪急の特急も止まるし、JRにも歩いて行ける便利な「岡本」駅。


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すぐ近くに山がある。


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山側に上がれば上がるほど、そこは迷路のように入り組んでいる。


そうして岡本に住み始めたある日、地元の人がよく登っている山の上の神社に行くことがありました。そこからは、神戸の街並みがとてもきれいに見え、大阪湾や、和歌山、淡路島の方まで見ることができました。

街を眺めていると、ところどころ、緑の木々がもこもことしている場所があることに気づきました。その多くは、神社仏閣がある場所なのですが、たまたまfestaをオープンするために選んだアパートが、1番木々が深く、もこもことしている場所なのでした。


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岡本にオープンしたfestaの窓から見える景色。


普通のアパートの1部屋に、festaはありました。風が通る、静かな場所だったので、よく窓を開けたままロルフィングをしていました。

アパートを取り囲む大きな木には、たくさんの鳥たちが集まります。セッション中にクライアントさんが、「これはCDを流しているんですか?」と言われたことがありました。最初は何のことかよくわかりませんでしたが、様々な鳥たちがきれいな声で歌っているのが、外の方から聞こえてくるような気持ちのいい場所でした。


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僕と同い年くらいの古いアパートでしたが、愛着のある場所です。


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たくさんの鳥たちが集まる木。festaを守ってくれているような感じでした。


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導かれるようにこの場所にfestaをオープしました。幸せな時間でした。


岡本の街に住み、そして仕事をすることで、僕はたくさんのことをこの街から学びました。時間が経つにつれて、なぜ路線図の岡本の字が大きく見え、すぐに電車を降り、そこに住もうとしたのかがわかってきました。すごく魅力的な街で、知的でセンスがあり、ユーモアも忘れない素敵な大人が自然に集まり、ちょうどいいサイズの、心地のいいコミュニティを形成していました。それはまるで、1年ほど住んでいたボルダーに、どこか似ている街でもありました。今でも僕の大切な場所です。

岡本で3年ほどfestaをしていましたが、子どもが生まれるのをきっかけに、山形に移り住むことにしました。


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月山と葉山と山形市内。


山形は、文字通り山に囲まれた街です。知り合いの山伏さんから聞いた話によると、昔、山形は、「山方」と書いていたようです。「山の方」とありますが、その山は「瀧山」を示していたそうです。瀧山は蔵王連峰を代表する立派な山で、僕が初めて山形に行った時に、一目で気に入りました。


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雪がかかった瀧山。2番目のfestaからは、とてもきれいに見えました。


なぜ、僕は瀧山に一目で惹かれてしまったのでしょうか?

その手がかりは、ロルフィングを学んだボルダーにありました。



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ボルダーにある会社だったり、大学のロゴを適当に載せてみました。すべてのロゴに同じような山が使われています。その山の名前は「Flatirons(フラットアイロン)」と呼ばれ、ボルダーという街を象徴する山です。

名前の通り、平らなアイロンが並んでいるように見えるために、そう名付けられたそうです。ボルダーを歩いていると、街の至るところでFlatironsのモチーフを見かけます。みんなに愛されている山です。

ボルダーでの1年間は、Judyさんという方のお家にホームステイをして暮らしていました。Judyさんの家からはその山がきれいに見えました。玄関を出てすぐのところにソファがあって、朝ごはんをそこで食べながら山を眺めたり、ロルフィングのクラスから帰ってきたらそこに座って、夕日の鮮やかな色に山が染まっていくのを見ていたり、何か特別なつながり、親密さをFlatironsには感じていました。


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Judyさんの家から見える、雪がかかったFlatirons。かっこいい山です。


山形に住み始めてから少しして気づいたのですが、僕には「Flatirons」と「瀧山」が重なって見えていたのです。(ちなみに僕には、Flatironsが「男性」、瀧山が「女性」に感じます。何の根拠もないのですが。)どちらもその街を象徴するようなシンボリックな山です。しかも山形市とボルダーは、姉妹都市なのです。なんという偶然というか必然でしょうか。

ロルフィングという人生を変えるほどにパワフルなものに出会い、僕はボルダーに住み始めました。そして、毎日のようにその街の象徴であるFlatironsを眺めていました。僕の潜在意識には、すっかりとその光景が染み込んでいって、山形の瀧山まで、僕は導かれてきたのです。

なぜか僕は、山が見えると落ち着きます。どんな街にいたとしても、街の隙間から山が見えると安心を感じるのです。山に囲まれた家に生まれ育ったので、自分の根源とのつながりを感じていたいのかもしれません。


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竜山川周辺に、2番目のfestaをオープンすることにしました。


山形でもfestaをオープンしたく、場所を探すことにしました。条件はとてもシンプルでした。「セッションする場所から瀧山がきれいに見える、気持ちのいいところ」

そうして、山形の南二番町に、瀧山がよく見えるアパートの1部屋を借りることができました。そこが2番目のfestaになります。

近くには瀧山から流れてくる竜山川があり、いろいろな人が散歩をしています。川に沿って桜が並んでいて、満開の桜の頃の景色は最高です。桜が終わると、菜の花がきれいに咲き始めます。川には魚も多く、カモの親子もやってくる、自然豊かな場所でした。


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和室がセッションルームでした。ここも気持ちのいい場所でした。


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電柱看板も作ってもらいました。


ロルフィングをする上で、「場」というのはとても大切な要素になります。

人間というのは、実に様々なものからの影響を受けています。目に見えるものはもちろん、目に見えないものからも多くの影響を受けて、身体は反応しています。

すごく微細なアプローチをすることもあるので、そういった時には、「静かで、ノイズの少ない環境」の方が、ロルフィングをする僕も、受けてもらう人にとっても、安心してリラックスができて、集中もしやすくなります。そうすると、自然にセッションの質は高まります。

気の遠くなるような長い時間、人々が祈りを捧げてきたような、神社仏閣を訪れると、「場」が変化することに気づく人は多いと思います。背筋は自然にすっとして、清らかなものを感じます。

長年ロルフィングをされてきた方のセッションルームは、それに似た「場」を持っています。部屋に入った瞬間に、もう身体の変化が始まっているかのようです。いいロルフィングセッションを重ねていくと、場は練られていって、いるだけで気持ちのいい空間になっていきます。

今までの2つのfestaは、すごくいい場だったなと思っています。


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ゆったりリラックスができて、身体が喜ぶような空間を目指しています。


そして昨年の2月から、「とんがりビル」でfestaを始めました。これが3番目のfestaになります。

なんだか大きな大きな流れがあって、それに導かれるがままに、festaは5年やってこれました。

3番目のfestaも、いろんな人が訪れてくれて、来るだけで気持ちがいいなと思ってもらえる場に育っていってくれればいいなと思います。身体に携わる仕事は、10年続いてようやく1人前だと思っているので、あと5年も楽しく、誠実に、素直にがんばっていきます。

みなさんとの素敵な出会い、ご縁がありますように。

これからもfestaをよろしくお願いします。


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Rolfing House festa  |||  Yuta & Ryoko

( Posted at:2017年1月23日 )

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