モニターBさんの9回目が終わりました。
今回は、朝起きた時に、首や肩に違和感が出てきたらしく、そこから「どんな枕がいいのか?」という話になりました。
みなさんの中にも、悩まれている方がいらっしゃるかもしれません。
感想の後に、「枕」だけではなく、「靴」であったり、「カバン」であったり、「身体に身に着ける(触れる)ものとの、上手な付き合い方」を、みなさんと一緒に考えていけたらと思います。
それではBさんのセッション9の感想をどうぞ。
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先日、9回目の施術を受けてきました。
スタートして9ヶ月が経ち、1度ものすごい腰痛に襲われ驚きましたが、身体の修復機能が元に戻ろうとするあまりに出てくる痛みと言われ、そんな力がまだ自分にあるのだなぁと思って今日まで。
ほぼ痛みや、違和感に悩まされることもなく、順調にここまで過ごしてきました。
最後の1回を迎えるに当たり、急に出てきたのが、首と肩の凝りや違和感。
それも朝起きた時。
今まで枕はずっと同じものを使用していたのですが、バスタオルを折り畳んだだけのもの。
そのことを相談すると、身体のバランスが整ってきて、自分の身体が柔軟に受け入れられるだろうから、新しい枕に変えてみるのもいいかもと言われて、ただし、店員がおすすめするものではなく、自分が寝て試してみて、1番深く呼吸できるものがいいと教わり、早速探しに。
今は厚みもあるものの柔らかいタイプに寝ていて、朝起きた時の首と肩の痛みからは解放されました。
自分の身体を見た時に、変化してきたのがわかる部分、わからない部分もありながら、それでも間違いなく、身体が正常な位置、状態になってきたのを実感している自分自身でした。
今まで整体、マッサージ、接骨院と、自分なりにかなり情報収集をし、厳選して行ってみましたが、可もなく不可もなく。
そこで出会ったロルフィングは、まさに自分を正常な状態に変えてくれる(戻してくれる)ものでした。
最後に、そのロルフィングの良さを、周りの人に伝えるということの難しさに困惑している事も、お話しさせてもらいました。
でも私なりに伝えていき、最終回を楽しみに迎えたいと思います。
※全体の内容が変わらない程度に、加筆、修正しています。
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「休みたいのに、休めない、この身体」
人間は、多くの時間を「睡眠」に費やしています。
人が一生を生きる中の、「1/3」ほどの時間は「眠っている」のです。
それだけ大きな割合なので、「どう寝ているか?」ということは、健全な身体にとって、とても大切なポイントになってきます。
「睡眠時間」をどれだけ確保したとしても、「睡眠の質」が悪ければ、身体は適切に疲労を回復することはできずに、翌日にそれを「持ち越す」ことになります。
それがどんどん「蓄積」していくようになると、朝から身体が重だるかったり、疲れがまだ残っている感じがしたり、なんとなく気分が落ち込んでいたり、それが腰痛、肩こりなどの身体の症状に転じていく人もいます。
僕個人としては、「きちんと眠ることができれば、ある程度の、肉体的、精神的な問題は解決する」と言ってもいいくらい、それくらい「睡眠」というのは大切だと考えています。
寝る直前まで、パソコンやスマホの画面を長時間眺めていたり、仕事などの悩みなどをずっと考え続けていたり、シャワーをさっと浴びるだけで、ゆっくりとお風呂に浸からなかったりすると、人間の生命に「自然な規律、秩序」を与えてくれている「自律神経」は、そのバランスを崩してしまいます。
少し専門的な言葉で言うと、「交感神経優位」の状態になってしまって、身体は「ON」のままで寝てしまうのです。
本来であれば、「睡眠」の際には、「副交感神経優位」になって、身体が「OFF」になるのが普通なのですが、上記のような状態で寝てしまうと、「眼はつぶっているけど、身体が休息してない」感じになってしまいます。
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「夜に副交感神経が優位になると、寝付きが良くなってぐっすり眠れ、心身の休息と回復がしっかりと行われる。例えば、副交感神経には血管を拡張させたり、ホルモン分泌を増加させたりする働きがある。血管が拡張することによって血液やホルモンが体中の細胞に運ばれやすくなる。血液は、体内の細胞に栄養素を運び、細胞からの老廃物を受け取る働きがある。これによって、細胞は効率よく、栄養の吸収と老廃物の排出を行うことができる。」
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ロルフィングに来てくださる方の中にも、「副交感神経優位の状態への切り替えがうまくできなくて、ゆっくりと眠れていないんだろうな」という人が、結構な割合でいらっしゃいます。
そういう人の場合には、まずは「休める(眠れる)身体」になっていくのを当面の目標にしていきます。
「睡眠の質」が変わってきてくれると、本当に驚くように、身体の様々な不調が改善していくことが多くなっていきます。
「寝る」という姿勢
「仰向けで寝られない」という人は意外に多くて、長時間寝ていると、腰が痛くなってきたり、首が張ってきてしまって、必ず「横向きで寝ている」という人がいらっしゃいます。
そういう人は、身体の構造の「歪み」が大きく、「左右差」がかなりあったりします。
そもそも、「眠る」ための「寝る」という姿勢が、その人にとって「不快」であれば、当然、身体は「リラックス」することができません。(もちろん、「副交感神経優位」にもなりにくくなってしまいます。)
つまり、先ほど書いたような理由だけはなく、「寝る姿勢」そのものに何か問題があっても、「睡眠の質」は低くなってしまいます。
「姿勢」というのは、「立つ」、「座る」だけではなく、「仰向けで寝る」というのも大切で、ヨガでは「シャバーサナ」と呼ばれ、一番最後に行われる、とても重要な「ポーズ(アーサナ)」の一つにもなっています。
「立つ姿勢」の時には、自分の体重分の重力が、常に身体にかかっている状態なのですが、それが「寝る姿勢」になることで、「重力の影響を、なるべく少なくした状態」にすることができます。
「立つ姿勢」を改善したい
↓
重力が常にかかっている
↓
寝ることで、重力の影響を少なくする
(力が抜けやすくなる)
↓
ロルフィングなどの、身体に対するアプローチの効果が出やすくなる
↓
身体の制限が解放され、「寝る姿勢」が改善される
↓
起き上がって、身体をまた重力がかかった状態にする
(もしも不具合があれば、微調整する)
↓
「立つ姿勢」が改善される
上に書いたように、「寝る姿勢」というのは、「立つ姿勢」にも深く関係していて、互いに影響を及ぼし合っています。
10シリーズが進んでくると、最初は「仰向けで、長時間寝ることができず、すぐに横向きになってしまう」という人も、身体の構造のバランスが取れてくるので、「仰向けで寝るのも苦にならない(寝る姿勢の改善)」ようになっていきます。
そうすると、夜に実際に「眠る」際にも、「休める時に、休める身体(副交感神経優位にスムーズに切り替えできる身体)」になっているので、「睡眠の質」が上がることはもちろん、「立つ姿勢」にも目に見える変化が出てきます。
さらには、「睡眠薬(または睡眠導入剤)」を、長年手放せなかった人などは、その薬の量が減ったり、ほとんど飲まなくてもいい状態になる人もいらっしゃいます。
繰り返しになりますが、「まずは休める身体になって、ぐっすり眠ることで、身体が適切に休息、回復すること」が、身体に痛みや不調がある人には、最優先のポイントになってくるのです。
「最高の枕」は存在するのか?
ここまでをまとめてみると、
○「睡眠の質の低下」は、あらゆる「身体的、精神的問題を引き起こす要因」にもなっている。
○「質の高い睡眠」とは、身体が「副交感神経優位の状態で寝ること」を意味していて、「乱れた生活スタイル」や、「過度のストレス」は、それを妨げてしまう。
○「仰向けで寝る」というのも、「姿勢」の一つであり、それが不快であれば、睡眠の質は下がってしまう。
○「寝る姿勢」が改善されると、「睡眠の質が向上する」ことはもちろん、「立つ姿勢」にもいい影響を与える。
ということになります。
ここからは、Bさんも気にされていた「枕」のことも考えていきたいと思います。
「枕にはどんな役割があるのか?」ということを改めて考えてみると、「寝る姿勢が、なるべく身体にとって負担がなく、心地いい状態であるためのサポート」をしていると考えることができます。
それでは、「なるべく身体にとって負担がなく、心地いい状態」というのは、何で「評価(チェック)」できるのかというと、下の2つのポイントを挙げてみました。
・「首、腰、背中などに、張りや不必要な緊張などはないか?」
・「呼吸は深くできているか?」
結論から言うと、以上の2つのチェックをパスしたものが、「あなたに合う枕」ということが言えると思います。(もちろん、この他にも評価、チェックは考えられます。)
つまり、「(誰にとっても)最高の枕」という「絶対的」なものは存在せず、「今のあなたには合っている」という「相対的」なものしかないのです。
最近、「ドイツの医師が認めた」というものや、「枕に悩んできた人の90%が満足した」などの「付加的な情報」がついたものが、世の中には溢れ返っているように感じます。
これは「枕」だけではなく、「靴」などの「身体に身に着ける(触れる)もの」でもそうですし、多くの「健康法」にも言えることです。
でも、Bさんのように「バスタオルを畳んだもの」が合っている人もいるでしょうし、「海外の高級枕」が合っている人もいるでしょうし、これは「その人の身体の状況」によって変化するものなのです。
友人の朝の目覚めを劇的に改善してくれた枕が、必ずしも「自分に合うかどうか」はわかりませんし、「99%の人が満足した」ものでも、「残りの1%」が自分であるかもしれません。
「じゃあ、結局は「自分に合うもの」を選べばいいってこと?」という風に感じられるかもしれませんが、それはそうなのですが、枕などの「道具や方法」に焦点を合わせて判断するのではなく、もう少し「自分の身体の声」に耳を傾けてほしいのです。
「今日は、腰が反っていて、うまく布団に沈んでいない感じがする。そういえば、今日は少し念入りに床掃除をしたから、そのせいで腰に負担がかかっていたのかもしれない。腰の反りだけじゃなく、首も少し張っているような気がする。首が落ち着く場所を見つけたいから、少しだけ右に傾けてみよう。あ、ここなら自然に呼吸が入ってきやすいし、腰も少し布団に落ち着いてきた感じがする。身体が少しずつリラックスしてきた」
もしも、いつも食べ慣れた「お味噌汁の味」であれば、「今日は具のバランスも、お味噌の加減も、出汁の具合も完璧に近い」であったり、「今日は少し、具がクタッとなりすぎていて、少ししょっぱいかも」などと、「自分なりの大まかな基準」が、みなさんそれぞれにあると思います。
そうすると、「これがミシュランガイドブックに載るほどの、予約がなかなか取れない料亭のお味噌汁です」と出されたとしても、「感動するほどにおいしい」と思う人もいれば、「おいしいのはわかるけど、やはり実家のお母さんのお味噌汁がおいしいかな」と感じる人もいるかと思います。
身体に関わる仕事をしていると、「仕事で使う椅子はどんなものがいいんでしょうか?」とか、「〇〇というトレーニングは効果ありますか?」や、「食事はマクロビとか、オーガニックした方がいいですかね?」などと聞かれることがありますが、みなさんはもう答えが予想できるかと思います。