この前、神戸へ出張した時に、少し時間ができたので、以前住んでいた「須磨」の海に行ってみました。
秋のよく晴れた日で、Tシャツになると心地いいくらいの日差しがあって、須磨の駅の改札を出て、そこから見える海をしばらく眺めていました。
僕がそこに住み始めたのは、大学を卒業して、大阪で4ヶ月ほど、接骨院やフィットネスジムで働かせてもらった後に、神戸の須磨にある整形外科を紹介してもらってからなので、「2006年頃」だったかと思います。
JR神戸線に乗って、初めて須磨に向かう電車の中で、「山に家が張り付くように建ち並んでいる光景」がとても印象的で、「あんなところにも人が住んでいるんだ。どんな生活をしているんだろう」と、ぼんやり考えていたのを思い出します。
須磨駅に着くと、改札から水平線まで広がっている海が見えて、「海は遠くに出かける場所」だったのが、「こんな非日常的な、砂浜まで歩いて5分の場所に、僕はこれから暮らすのか」と、すごく不思議な気分になりました。
久しぶりの須磨の海は、「38歳の現在の身体」に、「あの頃の僕」が立ち上がっているような感覚で、少しの時間、海のうんと遠くの方を見ながら、いろんな感情、思いが、浮かんでは消えたりしていました。
・・・
さて、2022年も、あっという間に過ぎ去っていきますが、今年最後の「芦屋出張ロルフィング」をしようかと思います。
自分がロルフィングを受けていた時には、「調子が悪くなると出てくる、右腰から太ももにかけての痛み、しびれがなくなった」ことや、「ヨガの先生が言っていた『背骨を一個ずつ動かす感覚』がわかるようになった」ことなど、「身体面の変化」も、もちろん感じました。
けど、それと同時に、「野球をしていた時の記憶」や、「小さい頃に、透き通るようにきれいな川に、ぷかぷかと身を委ねて浮かんでいた自分」が、ふと思い出されたりしたことも、とてもよく覚えています。
「身体と心と、感情と記憶」
どれも、「ばらばら」ではなく、「つながって」いる。
身体に痛みや不調があってお困りの方、身体と心のバランスを取りたい方、はじめましてのご新規の方、どんな方でも大丈夫ですので、「festaのロルフィング」に興味がある方は、ぜひ気軽にご連絡ください。
わからないことがあれば、何でも聞いてみてください。
・・・
12月1日(木)
①16:00 - 18:00 ×
②18:30 - 20:30 ×
12月2日(金)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ×
12月3日(土)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ○
③14:00 - 16:00 ○
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ×
12月4日(日)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ○
④16:00 - 18:00 ○
⑤18:30 - 20:30 ○
12月5日(月) ←追加しました
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ○
【場所】
「JR芦屋駅すぐ」の場所になります。ご予約いただいた方には場所の詳細をお知らせします。
【セッション料金】
13,000円(120分)
【予約方法】
①電話 090-2954-8207
Rolfing House festa
大友 勇太
( Posted at:2022年10月28日 )
9月の終わりに「東京出張ロルフィング」をしましたが、11月の初めに東京に行く用事があるので、その前にまた出張ロルフィングをさせてもらおうかなと思っています。
前回は、カラッと晴れた日が続いていたので、長袖Tシャツで散歩するのが気持ちよく、セッションしている「桜新町」の辺りを歩き回っていました。
「目的」もなく、「意味」があるわけでもなく、ただただ思いつくままに、あっちに行ったり、こっちに行ったり。
けど、散歩していると、ふと「偶然の出会い」が訪れるんですよね。
それは、「人との出会い」だったり、「こんな風景があるんだ」というものだったり、「あ、最近引っかかってたことが、わかったかも」みたいなものもあります。
そういえば、「僕のロルフィング」も、とても「散歩的」だなと思います。(「発見的」とも言えるかもしれません。)
「この人の痛み、苦しみをなくしてあげたい」という「目的」を、強く明確に持っているわけではなく、「ん?右の太ももが、どうも気になる」というように導かれていくと、「ちょうどそこを触ってほしいなと思っていたんです」と「偶然のシンクロ」をすることがあったり。
「あれ?全体が整ってきたのに、左のお腹の下の辺りに、全然反応してくれないエリアがあるな」と思ってクライアントさんに聞いてみると、「言ってなかったんですけど、その辺りに子宮筋腫があるんですよね」みたいなことが起こったりします。
そこには、なるべく自分の「思い込み(バイアス、エゴ)」をなくして、「その人そのものに出会うようにしたい」という考えがあります。
ついつい、こういう仕事を長くやっていると、「仕事でパソコンの画面を見る時間が長いと言っていたから、眼、そこから脳などの神経系への負荷、関連する首の付け根の小さな筋肉の硬さ、背骨の可動性に制限があるだろうな」と、勝手に「ストーリーを作り上げてしまう」ことがあったりするのですが、「ありのままを観察する」ことを大切にしたいなと思っています。
「一緒に散歩する」ように、「ロルフィング」で、ゆっくりと自分の身体に向き合う時間を取って、そこでどんなことが起こるのか、観察してみましょう。
きっと「新鮮な驚き、発見」があるはずです。
そして、セッションが終わった後には、「あれ、そういえば、背中が苦しかったのがなくなってる」なんて「ギフト」があれば、さらにうれしいですよね。
何度か「festaのロルフィング」を受けてくださってる方も、お久しぶりの方も、「はじめましてのご新規の方」も、ぜひこの機会にセッションを受けてみてください。
(予約状況は10月12日現在です)
10月29日(土)
①14:00 - 16:00 ×
②16:00 - 18:00 ×
③18:30 - 20:30 ×
10月30日(日)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ○
③14:00 - 16:00 ○
④16:00 - 18:00 ○
⑤18:30 - 20:30 ×
10月31日(月)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ○
・時間には、説明、問診、着替えの時間も含まれます。
・待合室はありませんので、予約時間にお越し下さい。
【場所】
東急田園都市線「桜新町」駅 徒歩10分程度
※住所の詳細は予約された方にお伝えします。
【料金】
13,000円(120分)
【服装】
襟付きのシャツ、伸びないジーンズ、スカートなどは避け、身体を締め付けない楽な服装
【予約方法】
①電話 090-2954-8207
Rolfing House festa
大友 勇太
( Posted at:2022年10月 5日 )
今年はトマトがたくさん採れました。
一番多い時には「84個(※息子数え)」も採れたので、ジップロックに入れて冷凍しておいて、パスタのトマトソースに使ったりしています。今でも一日に4、5個は採れているので、「3株の苗」から「数百個のトマトの実」を収穫できたということになります。
トマトの「生命力」ってすごいですね。
特にまめに畑の手入れをしていたわけではなく、「勝手にどんどん育っていく力」があるんですね、植物には。
そして実は、僕たち「人間の身体」にも、同じような力が働いていてくれていて、それを「自然治癒力(自己調整力)」と呼んだりしています。
僕は先月で38歳になりましたが、僕の8歳の息子のように、「今年一年で、身長が〇〇cm伸びました」とか、「昨年は20mだったソフトボール投げが、今年は30mになりました」など、「目に見える成長」は止まっているように(むしろ、後退しているように)感じることもありますが、「成長しようとする力」自体はなくなってはいないのです。
そのおかげで、夏の暑い日でも体温を一定に保ってくれたり、傷ができたらそれを塞いでくれたりしていて、それがもしも働いていなかったら、「生きている」という、当たり前のことすら成り立たなくなってしまいます。
当然、今の息子のような「身体を成長、更新しようとする力(自然治癒力)」はないものの、人生を終える瞬間まで、確実に僕の身体にも、そして、みなさんの身体の中にも、それは働き続けてくれています。
もしも、身体の不調が長引いていたり、同じ場所が何度も繰り返し痛くなったりしていて、「私の『自然治癒力』はどこに行ったの?」と思っている方がいるとしたら、「自然治癒力が十分に働くのを邪魔している『制限』」があるかもしれません。
10月の初めに、芦屋で「出張ロルフィング」をしますので、ぜひ時間を取っていただいて、僕と一緒に、身体全体の状況を丁寧にチェックして、その「制限」を解放していきましょう。
そうすると、「子どもの頃の成長を支えてくれていた力」が、今のこの瞬間にも、自分の中にあり続けていることを、実感できるようになると思います。
そして、その「小さな実感」って、「大きな革命的変化」というものではないけれど、「静かだけど、確実に、いつもの日常を変えてくれるもの」なのではないのかなと、個人的には思っています。
何度か「festaのロルフィング」を受けてくださってる方も、お久しぶりの方も、「はじめましてのご新規の方」も、ぜひこの機会にセッションを受けてみてください。
ご連絡お待ちしています。
(予約状況は10月4日現在です)
10月6日(木)
①16:00 - 18:00 ×
②18:30 - 20:30 ×
10月7日(金)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ○
10月8日(土)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ×
10月9日(日)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ×
10月10日(月/祝)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ○
⑤18:30 - 20:30 ×
10月11日(火) ←追加しました
① 8:00 - 10:00 ○
②10:00 - 12:00 ○
【場所】
「JR芦屋駅すぐ」の場所になります。ご予約いただいた方には場所の詳細をお知らせします。
【セッション料金】
13,000円(120分)
【予約方法】
①電話 090-2954-8207
Rolfing House festa
大友 勇太
( Posted at:2022年9月28日 )
お盆を過ぎると、山形は急に「秋の気配」を感じるようになります。
通り抜けていく風の感じが変わったり、空の印象が違ってきます。
周囲を山に囲まれた山形は、意外にも夏が暑く、たまに全国の最高気温の上位に登場することもあるのですが、それでも、そんなにその暑さが長く続くことはありません。
暑さの最中にいる時には、「このままずっと夏が続いて、もう冬なんてこないんじゃないのか」と思ったりもするのですが、ちゃんと季節は流れていきます。
朝の天気予報を見ても、30度を少し超える程度になってきて、外に出た瞬間のむっとする暑さも和らぎ、心なしかセミの声も元気なく聞こえるようになったりします。
「季節は移りゆくもの」と考えれば、それは当然のことなのですが、それでも僕はいつも不思議に思います。
この自然には「多種多様な要素」があって、ある要素が強くなれば、別の要素がおとなしくなり、せめぎ合っていたものが、いつのまにかその勢いを失っていたり、動的に揺れ動き、時に安定してみたり、また崩れたりを繰り返しています。
それは、僕たちの「身体」も同じことで、「いろんなものの相互作用」が、今のこの瞬間にも起こり続けていて、少しだるかったり、くしゃみが出たり、身体が軽やかで、何でもできそうな気持ちになったりもします。
ロルフィングで身体を触れさせてもらうと、それを「手の中で感じる」ことができるのがおもしろいところです。
「ん?なんだか停滞していて、流れがないな」とか、「てんでばらばらで、秩序なんてあったもんじゃない」といった状態が、セッションをしていくことで、「そうそうこの感じ、あとはきっと大丈夫」という感覚になっていきます。
みなさんの身体が、風が心地よく通り抜けていくようにさわやかで、痛みや不調もなく晴れやかでいられるように、東京でロルフィングできたらいいなと思います。
「はじめましてのご新規の方」でも大歓迎ですので、「festaのロルフィング」に興味のある方は、気軽にお問い合わせください。
(予約状況は9月22日現在です)
9月22日(木)
①14:00 - 16:00 ×
②16:00 - 18:00 ×
③18:30 - 20:30 ○
9月23日(金/祝)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ×
9月24日(土)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ×
9月25日(日)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ○
③13:30 - 15:30 ×
・時間には、説明、問診、着替えの時間も含まれます。
・待合室はありませんので、予約時間にお越し下さい。
【場所】
東急田園都市線「桜新町」駅 徒歩10分程度
※住所の詳細は予約された方にお伝えします。
【料金】
13,000円(120分)
【服装】
襟付きのシャツ、伸びないジーンズ、スカートなどは避け、身体を締め付けない楽な服装
【予約方法】
①電話 090-2954-8207
Rolfing House festa
大友 勇太
( Posted at:2022年8月30日 )
※2019年に書いた記事を再度載せています。
「田中 泯」さんという俳優さんを知っていますか?
最近では、「僕らは奇跡でできている」というドラマに、主演の高橋一生さんの祖父役で出演されていましたが、「前衛的なダンサー」としても知られている方です。(俳優さんでダンサーとしても活躍しているといえば、「森山未來」さんなどもそうですね。)
- 場踊りは自然や街の中でやるから、場所ありきです。
「場踊り」というのは、田中さんの言葉だと思いますが、何か場所にまつわる情報を手に入れた時や、田中さんご自身の直感で、「ここで踊ってみたい」と感じた場所があったら、「その場に自分のカラダを置いてみて、カラダに何が起こるのかを観察する」というところから始まり、それが様々な「踊り」の形を取る場合もあれば、何も起きなくて呆然とすることもあるようです。
- 場所が最優先にあって、そこで踊ることによってどんな踊りが生まれるのか試みています。
このブログの中でも、「場の大切さ」というのは、何度も書いてきましたが、僕たちのカラダというのは、今この瞬間にも、自分の身の回りの「環境」と「相互にやり取り(コミュニケーション)」を繰り返しています。
僕は今この記事を、山形市内のスターバックスで書いていますが、隣に座っている人との距離感、左前の人たちの会話、エスプレッソマシンが動く音、そこから漂ってくる匂い、窓の向こうに見える景色も、刻々と「変化」していて、それに対して、僕のカラダは自覚的ではないものの「反応」し続けています。
少しだけ、「自分のカラダ」に意識を向けて、そこで何が起こっているのかを観察してみると、周りの環境の変化に応じて、呼吸が浅くなったり、深くなったり、左の顔の皮膚がざわざわしたり、座っている坐骨への体重の乗り方が変化したりしています。
それに「耳を澄ます(傾ける)」ようにしていると、カラダに「微細な動き」が生まれては消え、それがつながり連鎖して、大きくなろうとしては打ち消し合ったり、それがある形を取ると「踊り」とも言えるものにもなるかもしれません。
そういう、「環境との即興的なコミュニケーション」が、ある動きとして「増幅」してくるようなものは、田中さんの「場踊り」の他にも、野口整体では「活元運動」などと呼ばれるものがあったり、海外では「アンワインディング(Unwinding)」というものがあったり、二人ないし数人で行う「コンタクトインプロビゼーション(Contact Improvisation、CI)」というものもあったりします。
「環境(他者)との即興的なコミュニケーション」としての「CI」
ここまで「目に見える動き」ではなくても、ロルフィングのセッション中でも、「セッションを受ける人」、そして「場所」も変われば、「そこで起きること(カラダの反応)」は変わってきます。
「肩こり」の人はたくさんいますが、いつも同じように肩周辺に施術するわけではなく、同じ人でも日が変われば、ましてや人が変われば、同じ症状でも「そこで起きること」が違ってくるのが、ロルフィングの「セッション」です。
肩こりという「症状」は同じでも、セッションは「同じにはなり得ない」のです。
僕は、自分のセッションルームである「festa」以外にも、他のロルファーさんやボディワーカーさんのセッションルームや、ある時には、会社の事務所であったり、高校の体育館のステージの上や、高野山のお寺でもロルフィングをしてきましたが、「その場がロルフィングをさせてくれる」と感じることが多々あります。
逆に言うと、「今度訪れる場所は、僕とクライアントさんにどんなセッションをさせてくれるんだろう」と、楽しさを与えてくれてもいます。(僕が「出張セッション」を積極的に行っているのは、そういう理由もあります。)
そういう意味で、ロルフィングというのは、もちろん大きな筋道はあるのですが、「肩こり→〇〇」という方程式に従うのではなく、すごく「場踊り的な」ボディワークとも言えるかと思います。
「場」が「表現」に与える影響に関しては、現代美術家の「横尾忠則」さんも興味深いことを、Twitterでつぶやいてらっしゃいます。
festaは「とんがりビル」の3階にありますが、「ここにいるだけでも、カラダが開いてきて、奥の方から緩んでくる」というような「場」になってくれればいいなと思っています。
それほど、ロルフィングにとっては、「どういう「場」でセッションをするのか」ということは、そのセッションの「効果」に影響を与える、大切な要素になります。
-「時間」や「空間」にカラダを明け渡す
素敵な表現です。
自分の「頭」の都合や欲を手放して、「カラダ」を空っぽにして、その「場」に「明け渡す」ということ。
これほどまでに、小さい子どもから大人までもが、「頭(脳)の重要度が過剰に高くなりすぎてしまった」現代では、なかなか難しいことだと思います。
まだまだ子どもが小さく、保育園や幼稚園にいる頃からでも、「それをしては先生に怒られる(みんなに迷惑をかける)」と、徹底的に教育されてきて、学校に入学したら、今度は「成績」という画一的なもので評価され、友だちにも学校でのふるまいの是非を、逐一LINEグループでイジられたりします。
社会人になったとしても、会社の都合に合わせ、自分という存在の価値をすり減らしていって、「カラダを解放して、自由にする」という機会は、「自分で意識してこしらえなければ、ない」というのが、今の世の中なのではないでしょうか。
地方に移住をしたり、山登りや、農業を始めて、自然を求めている人が多くなっていたり、ロルフィングなどのボディワークを受けたりする人が、徐々に増えてきていると思いますが、それは「カラダの声に耳を澄ます」ということを、本能が欲しているのかもしれません。
そのことを田中さんは、下のように表現しています。
-「その時からの経験があってこそなのですが、踊るときは「私」や「自分」と言われているようなものをカラダからちょっとどこかに置いておいて、その時間、空間、条件に対してカラダを明け渡しているような状態になる、と言えばいいでしょうか...。
大雑把にいうと、人間という生き物は、はじめにカラダが生まれ、徐々に環境と共に「私」というものが芽生えていくと考えています。それがいつ頃からと厳密には言えませんが、普段は、カラダの中にいる「私」によって、カラダの動きをコントロールしている状態だと思います。
それに対し、踊るときはカラダの中からこの「私」を外に出すというのか...。コンディションのいいとき、「私」というのは踊っている間、カラダの正面や後ろや上方から、自分のカラダを見ているような状態になります。
そういう状態になると、カラダの中に、その時間、空間、条件の中にあるいろいろなものが入って来られるようになる。それを感じながら踊ろうとしています。時に、カラダに入ってくるものによって、自分が「思う」よりも前にカラダが動き出すこともありますね。
僕は、踊りを踊っている時、「私」のない一つのカラダになることが夢なんです。」
今回の「タイトル」にもしましたが、ロルフィングのセッションで、僕が受けてくださるみなさんに体験してもらいたいことが、まさにそういうことだと思っています。
どこへ行っても、自分が何者になろうとも、「つながり」続けて、そこから逃れることが難しい現代では、ボディワークを受けることで、「自分のカラダに向き合う」という体験をすることは、これからどんどん「価値のあること」と認識されてくることでしょう。
- 僕にとっての踊りは、自分のカラダを日常以上に感じ取るためのものです。
「踊りとは?」という問いに対して、田中さんが応えた言葉です。
そして、下のように続けます。
-「たとえば、激しく踊っている時、当然カラダはバランスとり、神経や筋肉と共に次々と動きのコントロールをしています。その最中、ふと、観客が席を立つのが視覚に入る。すると「俺の踊りはだめなんだ」とか「そんなはずはない」と脳がディスカッションを始めたり、耳が足音を聞いていたり、目がもうその瞬間とは違う別の風景を見ていたりする。カラダは、いろいろな感覚が同時に活発に動き回っているんです。そこで席を立った観客が戻ってきたら、カラダの中をさまざまに動いていた脳や耳や目が、が一斉にホッとなったりする。面白いですよね。
普段は「私」が邪魔をして、そんな風にカラダの中で起きていることを感じ取ることはできません。しかし踊ることによって、それが可能になります。」
僕がはじめてのロルフィングの10シリーズを受けていた時、触ってもいないところがスーッと伸びてきたり、ピクピク動いたり、聴覚の感覚が異常に鋭くなったり、自分のカラダと環境との境界が曖昧になったり、「普段は感じることのない感覚」をたくさん体験することができました。
正直、僕にとってのロルフィングの魅力とは、「カラダが楽になった(治療的効果)」よりも、先に引用した田中さんのカラダに起こる感覚のような、「一体、自分のカラダに何が起きてるんだろう?カラダって不思議でおもしろい(未知なるものへの興味)」という方が大きいかなと思っています。
自分のしているロルフィングが、もしも「痛みを取りたい」という「治療」のためのロルフィングだとしたら、たくさん勉強して、「カラダという自然」を「理解した(そして、コントロール可能だ)」という方向性に向かってしまうのではないかと思います。
でも僕は、「自然はコントロールできない」という立場なので、ロルフィングのセッション中に起こる様々な「反応」を、小さな虫を見つめる子どものように、「へー、おもしろい動きするな、この虫。なんでそんなことするんだろう?」と、自由に考えを巡らせ、その結果、別に「答え」が見つからなかったとしても、その「プロセス(自分であれこれ考える、工夫する)」を楽しんでいるのだと思います。
お会いしたことはありませんが、田中さんも「今まさに、場によって、生成される踊り」という「プロセス」の中で、体験する様々な「不思議なこと、おもしろいこと」に魅了されているからこそ、未だに踊り続けているのだと思いますし、これからも踊り続けていかれるのだと想像します。
-「これは特に踊っていなくても、すべての人間ができることだと思っています。一般的に言われる「集中」というのは、周りにあるものから自分を切り離して、音も聞こえないような状態に入っていくこと。
理想的な集中とは、その状態の先にある「覚醒」という言葉なんじゃないかな。覚醒というのは、カラダが開いている状態で、普段の自分よりも吸収力や受容力の高い状態になると思っています。」
田中さんは「踊り」をされていますが、そうではなくても、「カラダに向き合う」というプロセスに入ると、先ほどまでごちゃごちゃと渦巻いていた思考が、自然と鎮まってきて、「集中」する状態になってきます。
そして、その先に進むことができると、田中さんの言う「覚醒」の状態に至ります。
あるクライアントさんは、「眠っているわけではないが、起きているわけでもなくて、何かを考えているわけでもなく、けど、この部屋に何があって、どれほどの空間かというのは、把握できている。何かが起こっても、そうなるのを初めからわかっていたかのように感じる」などと伝えてくれる方もいらっしゃいます。
これは、「瞑想」の状態とも言われたりしますが、特に僕のするロルフィングでは、「ただ手を当てているかのような」静かなタッチで、受けているクライアントさんが、自然に自分のカラダに意識が向いて、「そこで何が起こるのかを眺める」ような感じになるようにイメージしています。
ある意味では、自分のカラダの中で生まれてくる「踊りの以前のもの」を、見つめているのかもしれません。
− たとえばアインシュタインのような天才なら、そこで「光と同じ速さで僕が走ったらどうなるか」というようなことを考えつくわけです。
そうやって、ボディワークのセッションや踊りを通して、「覚醒」状態になってきた人は、「あるアイディアを着想する」ことがあったり、誰かと話していても、「嘘を話している」というのが、カラダの感覚でわかってきたりするようになります。
目の前の人が、「あなたのことを信用しています」という言葉を言っていたとしても、「カラダが語っていない」というのが、あまりにもありありとわかってしまうのです。
非常に優れたロルファーは、セッションを受ける前に、あまり多くは語らずに、ただ僕の奥の方を静かに見つめるようにします。
今思うと、多分「覚醒」状態に入っていて、「このセッションでしなければいけないこと」というのが、「見通す」ことができていたのだと思います。
そういう人とのセッションでは、目の前に立った瞬間に、「この人に嘘をついても、すぐにわかってしまうだろうから、素直にすべてを差し出そう」という気持ちになります。
そして、実際にカラダに触れ始めても、「そう、まさにそこを触ってほしかったんだ」というところにだけ、手が置かれていきます。
- カラダの中で醸成されたそういった要素が、言葉を保証しているんです。
自分の「カラダ」を通して、その「場」と交流して、そういう体験が長い時間をかけて「醸成(発酵)」されていくと、それがその人の「言葉」の「担保」になります。
田中さんの言葉と、撮影された写真を見ると、なんとも「説得力」があります。
-「覚醒状態になり、自分を相手に開いていくことで、相手の言葉だけではなく、それを発する相手のカラダの持つ要素を感じることができるようになる。そうすればもっと、お互いを信じ合えると思うのです。」
それが、先ほど書いた優れたロルファーとの「セッション」の中で起こることで、「言葉によるコミュニケーション」ではなく、「純粋で、大切な何かがやり取りされるコミュニケーション」を体験できます。
それはとても至福な時間で、「生まれたばかりの我が子を抱きしめる母親と子ども」であったり、「お互いにギリギリまで体力、技術、精神を高めた状態で、真剣勝負するアスリート」なども、「言葉では表現できない」けれども、「お互いに(何かを確かに交わしたということを)信じ合える」のだと思います。
- いろいろなものが詰まっているカラダは、僕なんかが追いつかないくらいのものすごい速度で思考して、行動して、コミュニケーションしている。
ロルファーという仕事柄、いろいろな方々のカラダを見て、触れてきましたが、その経験が多くなればなるほど、「カラダはかしこい」と感じます。
ロルフィングの他にも、世界には様々なボディワークが存在しますが、「カラダという自然の智慧を信じている」というところは、方法は違えど、みな共通していることだと思います。
ネットやテレビでは、「〇〇筋を緩めるだけで、腰痛が治る」とか、「全身の疲れの正体は、□□にあった」などという、謳い文句の情報が溢れかえっていますが、田中さんには、どう響くのでしょうか。
言葉の表面だけで「踊らされてしまう」のではなく、自分のカラダの声に耳を澄ませ、そこから生まれてくる「動き(内からの踊り)」に従ってみると、自然に「自分が進むべき方向」は見えてくると思います。
「いかにカラダを、自分に都合よくコントロールするか」ではなく、「カラダに委ねてみる」ということ。
みなさんも、この世に生まれ持った「自分だけのカラダ」を信頼して、外側に溢れ返る情報にチューニングを合わせるのではなく、その一つのカラダに意識を向けてみると、そこには「驚くほどに豊かな世界」が広がっていることに気づくのではないかと思います。
もしも、今の自分の現状に悩みがあるとすれば、それは「カラダの中に、その答えがある」と、僕は考えています。
最後に、田中さんの言葉をもう一つだけ載せて、この記事を終わりにしたいと思います。
- 僕は「私」から解き放たれてカラダを感じる瞬間が、自由ですごく好きですね。その瞬間を持つことによって、一度しかないこの人生を、より豊かに生きられると思っています。
Yuta
( Posted at:2022年7月10日 )
GWの辺りに、近くの農家のお店に行くと、様々な野菜の苗が並んでいて、たくさんの人で賑わっています。
昨年のことを思い出しながら、今年はどんな苗を植えようか、一緒に行った息子と相談するのが、とても楽しい時間です。
4月の初めには、畑の土の準備をしていたので、買ってきた苗をすぐに植え付けます。息子は慣れたもので、畝の上に苗を置いていくと、手際よく作業してくれます。
写真は、今年最初のきゅうりの収穫。なかなかおいしそうですよね。
氷で冷やしで、友人からもらっていたおいしいお味噌を付けて食べると、なんというか「いのちの味」としか言いようがないような、とてもみずみずしい味がしました。
今年もたくさん収穫できたらいいなと思って、毎日畑に手を入れてます。
・・・
さて、7月の連休に、自分自身の学びのために関西に行く用事ができました。
少し不規則な日程になりますが、その前後で「出張ロルフィング」をしようかと思っています。
前回の出張の際には、「思ったよりも身体が疲れていた(あるいは、捻れていた)」という方が多かったような気がします。
世の中がランダムに揺れ動いているので、「普通に生活する」というだけでも、相当な「負荷」がかかっているんだと思います。
ゆっくりと身体の声を聞いてあげて、「いつもがんばってくれてありがとう」と労ってあげる時間を取ってみてください。
本格的に暑くなる前に、ロルフィングで身体をリセット、リフレッシュ、リラックスしていきましょう。
今回は「三宮」でのセッションになりますので、場所間違わないようにしてください。
「はじめましてのご新規の方」も大歓迎ですので、「festaのロルフィング」を、この機会にぜひ体験してみてください。
・・・
(予約状況は7月6日現在です)
7月15日(金)
①16:00 - 18:00 ○
②18:30 - 20:30 ○
7月20日(水)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ○
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ○
⑤18:30 - 20:30 ○
7月21日(木)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ○
【場所】
「各線三宮駅から徒歩10分以内」の場所になります。ご予約いただいた方には場所の詳細をお知らせします。
【セッション料金】
13,000円(120分)
【予約方法】
①電話 090-2954-8207
Rolfing House festa
大友 勇太
( Posted at:2022年6月16日 )
畑をしていると、畑にはいろんな花があることに気づきます。
写真は「カモミール」ですが、特に植えた覚えもなく、ある日畑を眺めていたら、きれいな花が咲いているのに気づきました。
このカモミールの他にも、違う種類のハーブや、隣の家のおばあちゃんからいただいた花々にも、たくさんの「蝶」や「蜂」が飛んできていて、それが畑の野菜の「受粉」につながっています。
彼らが花粉を「媒介」してくれるおかげで、今年もおいしい野菜をいただけると思うと、「自然界の多様なレイヤーのつながり」がとても愛おしく、ありがたく感じます。
単体そのものだと「嫌なもの(先の例の虫たちなど)」に見えるものでも、もっと大きな視点での「関係性」が捉えられてくると、その見え方は違ってきます。
身体の「症状(痛み、不調、病気など)」なども、それと同じようなことが言えるかもしれません。
・・・
さてさて、少し告知が遅くなってしまいましたが、6月に「東京出張ロルフィング」を予定しました。
世の中が少し動き始めてきた感覚がありますが、それと同時に、「あれ、どこにも行きたいと思わないかも」とか、「心が止まったまんまで、身体もなんだか重くて鈍い」など、「ずれ、違和感」を感じ始めている人も多くなってきているように思います。
そんな時には、ぜひロルフィングを受けてみてください。
予約は「どなたでも大丈夫」です。「はじめてましてのご新規の方」でも大歓迎です。
「festaのロルフィング」を、この機会にぜひ体験してみてください。
・・・
(予約状況は6月20日現在です)
6月24日(金)
①14:00 - 16:00 ×
②16:00 - 18:00 ×
③18:30 - 20:30 ×
6月25日(土)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ○
6月26日(日)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ×
③13:30 - 15:30 ○
・時間には、説明、問診、着替えの時間も含まれます。
・待合室はありませんので、予約時間にお越し下さい。
【場所】
東急田園都市線「桜新町」駅 徒歩10分程度
※住所の詳細は予約された方にお伝えします。
【料金】
13,000円(120分)
【服装】
襟付きのシャツ、伸びないジーンズ、スカートなどは避け、身体を締め付けない楽な服装
【予約方法】
①電話 090-2954-8207
Rolfing House festa
大友 勇太
( Posted at:2022年6月 5日 )
みなさんGWはいかがお過ごしですか?
山形は4月最後の日に雪が降って、今日の最高気温は「11度」です。寒いですね。
2年目になる畑を、1ヶ月前に掘り起こすように耕して、米ぬかとパン屋さんにもらったパンくずを肥料を入れて、発酵させて、畝を立てて、もう苗を植える準備はできているのですが、もうちょっと待った方がよさそうですね。
自然の力を上手に借りないと、野菜はすくすくと育ってくれません。
これは僕らの身体という自然も同じですね。
せっかく身体には、自らバランスを絶妙に調整してくれたり、傷や病を癒してくれる素晴らしい力があるのに、それがうまく働いてくれないと、どこかが痛くて苦しくなったり、なんだかずっと調子が悪かったりします。
そんな時には、ぜひロルフィングを受けてみてください。
身体が本来持っている力が十分に引き出されるようになって、不要な痛み、不調から解放されて、心地よく、自由で健康に日々を過ごしていけるようになるかと思います。
少し間が空きましたが、関西の芦屋で出張ロルフィングをします。
「はじめましてのご新規の方」も大歓迎ですので、気軽にお問い合わせください。
(予約状況は5月24日現在です)
5月27日(金)
①16:00 - 18:00 ○
②18:30 - 20:30 ○
5月28日(土)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ○
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ×
5月29日(日)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ○
⑤18:30 - 20:30 ○
5月31日(火)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:30 - 20:30 ×
【場所】
「JR芦屋駅すぐ」の場所になります。ご予約いただいた方には場所の詳細をお知らせします。
【セッション料金】
13,000円(120分)
【予約方法】
①電話 090-2954-8207
Rolfing House festa
大友 勇太
( Posted at:2022年5月 1日 )
※数年前に書いた記事を、再投稿しています。
上の写真の左側の男性は「為末大」さんという方で、元陸上競技400mハードルの日本記録保持者で、世界陸上選手権では2001年エドモントン大会、そして2005年ヘルシンキ大会で銅メダルを獲得した、日本を代表するランナーだった方です。
現在では、テレビでコメンテーターなどもされています。
僕は元々、ロルフィングでハンズオンの施術をする前には、オリンピックを目指すようなアスリートから、学生スポーツ、一般、高齢者の方までを対象にした「トレーニング指導者」をしていました。
大学卒業後、Washington Nationalsのルーキーリーグでインターンしていた時
まだ中京大学の学生だった頃、大学のトレーニングセンターに毎日のように通い詰めて、トレーニング指導の教科書を真面目に勉強することよりも、様々なスポーツのトレーニング風景を観察していたことがありました。
スポーツの競技によって、それぞれが行っているトレーニングはまるで違います。目の前で行われているトレーニングの多くは、「教科書には載っていないもの」であったり、「教科書に書いてあるやり方とは違っているもの」でした。
中でも、特に僕のトレーニング指導に大きな影響を与えたのが、「陸上競技」のトレーニングで、中京大学は全国的にも陸上競技の名門大学で、多くのオリンピック選手、メダリストを輩出しています。
そんな世界レベルの陸上競技のトレーニングを観察して、「何を目的にしてやっているんだろう」といろいろと想像して、自分の身体で試してみて、それを何度も何度も繰り返すことで、とても多くのことを学び、吸収していきました。
さらに、陸上競技経験者しか読まないであろう『陸上マガジン』を大学の図書館で読み漁るようにもなり、そこで、その当時陸上短距離界のエースであった「末續慎吾」さんや、まだ現役選手だった「為末大」さんのことを知りました。
その頃から、走りの美しさはもちろんなのですが、「言葉をすごく大切にしている人」ということと、「自分の頭で深く考えている人」というのが、為末さんに対しての印象でした。
陸上競技を引退されてからも、
ご自身のウェブサイトで、「陸上競技」のみならず、「スポーツ」に関して、さらには「人間」そのもの、そしてそれが作り出す「社会」についてなどの多様なテーマに関して、幅広い想像力と、深い洞察に基づいたコラムを書かれています。
今回はそのコラムではないのですが、「
福岡伸一」さんという『
動的平衡』、『
生物と無生物のあいだ』など、多数の著書も執筆されている生物学者の方との、とても興味深い対談が「ジャガー」のウェブサイトに載っていたので、その一部を紹介したいと思います。
普段、僕がロルフィングをする上で、とても大切にしている「観点」が、お二人の対談の中でも登場してきます。
以下が対談を抜粋したものです。
・・・・・
為末:ふと思い出したのですが、現役時代に、左のアキレス腱の痛みが取れないことがあったんです。いろいろと試しても、なかなか治らない。でもあるとき、自分のフォームをビデオで観たところ、右肩が回転しているのに気づいたんです。こういう動作は対角線上のパーツに負担をかけるので、右肩の回転を止めてみたら、アキレス腱の痛みが引いて驚きました。
ここから連想したのですが、いま私たちは人間社会の様々な問題を解消しようとして、部分最適化の罠に陥っているように感じます。個別の問題に対処しようとするばかりで、社会全体をどうしていくかの議論ができていない。どうすればこの行き詰まりを打破できますか。
福岡:為末さんの例で言えば、物理的に離れて見えるパーツであっても、生命の中では全体が相互に作用していると考えた方がいいと思いますね。人間はついつい、分節的にものを考えやすい。まず、この傾向に自覚的になるのがスタートです。
我々の体は、アキレス腱や半月板といった部品が、ロボットみたいに合体してできているわけではない。もしアキレス腱が痛んだときに新しいものと取り替えられるとして、それで治るかというと、おそらく根本的な原因を特定しない限り、また新しいアキレス腱が痛みだしますよね。
人間の営みである以上、社会についても同様だと私は思います。複雑なシステムゆえに、シンプルだったり部分的だったり、わかりやすいモデルに飛びつきやすい。一旦そこを我慢して、全体像に向き合わなければいけないでしょう。
為末:そのためには何が必要だと思われますか。
福岡:自然はいつでも参考になりますよ。それは何も、山に行ったり海に行ったりすることだけではない。我々はこういう人工的な都市に住み、あらゆる人工物に囲まれています。だから「たまには自然が必要だ」なんて言うことがありますけど、私はちゃんちゃらおかしいと思っているんです。私たちは、常に自然ともっとも身近に接している。それが何か、おわかりですね。
為末:自分の体、ですね。
福岡:はい。こんなに貴重な自然はないわけです。だから自然、身近なところでは自分の体について考えを巡らすことで、きっとヒントを得られると思います。
※文章中の太字は、僕自身の判断で付けています。
・・・・・
今、社会全体が「部分最適化の罠」に陥っていて、シンプルだったり部分的だったり、「わかりやすいモデルに飛びつきやすい」と、二人の対談にはあります。
ロルフィングをしていて、今までたくさんのクライアントさんに関わらせてもらってきましたが、「どうすれば〇〇はすぐに治りますか?」という質問であったり、「肩こりには肩甲骨を動かすのがいいって聞いたので、それをしているのですが合ってますか?」と聞かれることがよくあります。
私たちの「体」というのは、まさに福岡さんが指摘しているように、「常にもっとも身近に接している自然」であって、それがゆえに「複雑なシステム」なのです。
ロルフィングというボディワークは、その「体という自然の複雑さ」に対して、「複雑なまま向き合う」という方法を取っていると、僕個人としては考えています。
「複雑である」ということは、「豊かである」ということです。
その「体の豊穣さ」を、安易に「縮減」することなく、そのまま「享受」するにはどうすればいいのか。
そのためにロルフィングでは、「10回のセッション」を行うことで、十分に「時間」をかけ、「クリアに開かれた知覚」と「エゴのない透明なタッチ」を使い、「一方通行の治療」ではなく、「受け手の主体性」を大切にして、「身体を介したコミュニケーション」を丁寧にしていきます。
「インスタントな答え」を求めていた人でも、「体のガイド役」のロルファーと一緒にセッションを重ねることで、体の「不必要な制限からの解放(筋の緊張の軽減、関節の可動域の向上、循環機能の改善など)」を体験して、「自由でひらかれた体」になっていきます。
そうすると興味深いことに、「最初は、この痛みをすぐに取り除こうと、それに執着というか、縛られれていたことに気づきました。それが次第になくなってくるにつれ、その痛みが、自分に何かを伝えようとしていることがわかってきて、体がいろんなことを教えてくれるような気がします」というような、「その人自身の存在そのものの変容」とでも言えるような「過程」を通過することがあります。
もうこの頃になると、すっかり「自分の体について考えを巡らすこと」にも慣れてきて、「腰痛にいいストレッチはありますか?」というような「問い」は変化していきます。
「(ロボットのように)修理したい」と思っていた体は、「発見や気づきを促すリソース」として機能して、そこからたくさんのことを学んでいけるようにもなるのです。
繰り返しますが、「複雑である」ということは、「豊か」であるということです。
「複雑なものを複雑なまま受け入れる」には、少し「時間と労力(コスト)」が必要ですが、「適切なガイド(メンター)」がいると、それは「どんな人にでも可能」になります。
世界でメダリストになった「陸上選手」と、日本を代表するような「生物学者」の対談が、ジャガーという「車メーカー」のウェブサイトでされていて、その結びが、「社会の諸問題は、人間の営みである以上、人間の存在に根ざしている。自分の体に向き合うことで、そのヒントが見えてくるかもしれない」というのが、とても印象的だなと思います。
「自分の体」は、思っているよりもずっと豊かで、眺めたり話しかけたりすると、「今のあなたに必要なこと」を教えてくれることもあります。
もしかしたら、その悩みの「ヒント」は、すでに「体が知っている」のかもしれません。
Yuta
( Posted at:2022年2月 8日 )
昨年から畑を始めたのですが、ねぎは種から育てました。
最初は頼りなく細々としていましたが、比較的丈夫なものを選んで、それを苗にしていきます。
鍬で土を深めに掘り出して、そこにそのねぎの苗を植えていきます。
それが少し育ってきたら土をかぶせ、また伸びてきたら土を入れるのを繰り返していくと、スーパーでよく見るねぎの大きさまで成長します。
今年の山形の冬は雪が多くて、ねぎも雪に埋もれていましたが、潰れることも、枯れることもなく、元気に育ってくれていて、そのおいしさと言ったら格別でした。
やはり、自分で育てた野菜は最高です。
さて、2022年最初の「東京出張ロルフィング」のお知らせです。
コロナの感染状況は気になりますが、感染とは別に、身体には大きな影響が出ていることを、この2年ほどロルフィングのセッションしてきて感じています。
身体は今のこの瞬間も何かを感じ、それに対してリアクションを取っています。それを何度も何度も繰り返していくと、自分では無意識の「反射」を作り上げていきます。
・なんだか急に不安になる。
・電車で人との距離が狭くなると、心臓がドキドキする。
・背中が苦しくて、寝転んでも、楽なポジションがない。
・からだに力が入らず、呼吸が安定しない。
・「こうすれば大丈夫」だった、自分なりの法則が通用しない。
世界がこれだけ「閉じてしまった」状況で、何年も過ごしていると、「なんだかおかしいな」という感覚は、多かれ少なかれみなさんの中にあるかと思います。
「自分でなんとかできる」ものはいいのですが、「自分ではどうにもならない/どうしていいのかわからない」ものに関しては、「からだの専門家に委ねる」ことも大切だと思います。
一緒に「身体の言い分」に耳を傾けてみましょう。
予約は「どなたでも大丈夫」です。「はじめてましてのご新規の方」でも大歓迎です。
「festaのロルフィング」を、この機会にぜひ体験してみてください。
(予約状況は1月27日現在です)
2月21日(月)
①14:00 - 16:00 ○
②16:00 - 18:00 ×
③18:30 - 20:30 ○
2月23日(水/祝)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ○
③14:00 - 16:00 ○
④16:00 - 18:00 ○
⑤18:30 - 20:30 ×
2月24日(木)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ×
③13:30 - 15:30 ○
・時間には、説明、問診、着替えの時間も含まれます。
・待合室はありませんので、予約時間にお越し下さい。
【場所】
東急田園都市線「桜新町」駅 徒歩10分程度
※住所の詳細は予約された方にお伝えします。
【料金】
13,000円(120分)
【服装】
襟付きのシャツ、伸びないジーンズ、スカートなどは避け、身体を締め付けない楽な服装
【予約方法】
①電話 090-2954-8207
Rolfing House festa
大友 勇太
( Posted at:2022年1月24日 )
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