大きさや形もさまざまな28個の骨から、私たちの足は作られています。
それほど多くの積み木がとても精密に、機能的に、美しく重なって、この身体を日々支えてくれています。片方だけでもその数ですから、両方合わせると50個以上の骨があるわけです。これは実に、人体の骨の1/4は足に存在しているということです。
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた、美しい足の構造。
それではなぜ、それほどの数の骨が必要なのでしょう。
ただ支えるだけなら、もっと大きな骨が1個あれば十分な気もします。
それは「自由に移動するため」です。
ただそこにいて、自分に必要なものを取り込み、それを栄養にして生きていくだけならいいのですが(それが「植物」です。)、私たちの先祖の動物たちは次第に数が増えていき、餌を「より効率的に、安定的に」確保する必要性が出てきました。そうして、ごく自然な要求から「移動」を始めたのだと思います。
移動するためには、末端が動き、自分の大きく重い身体を運んでいく必要があり、それに適した末端というのは「軽くて、自由に」動く必要があります。そういうことで、アシモのような大きく重い足では、立つことは安定してできたとしても、移動には効率が悪く、小さな骨を多数組み合わせ、軽く、自由に動けるようにしたのです。(ほとんど多くの動物達は、とても小さな軽い足をしています。)
アシモは、まずは「立つこと」が第一目標で、そこから「地面が平ら」という
条件の中で、 「歩くこと」ができるようにデザインされている。
そして、その移動していく自然というのは、「平らで均一」な地面が存在しません。つまり、移動の一歩一歩は、「常に違う一歩」になるわけです。
ごつごつした岩場、つるつるした川べりの石、土もあれば、砂もあります。雨の日もあれば、雪が降る日もあるでしょう。その刻々と変わる地面の状況の中で、安定した移動を確保するために、私たちの足は「常に考え(計算し)」、柔軟に形を変えながら対応しています。そのために、足にはこれほどたくさんの骨があるのです。
地面には表情があり、足は地面とコミュニケーションをしていた。
でも最近、私たちの足と地面の関係は大きく変わりました。
まずは、地面が変わりました。地面は平らに均され、アスファルトで蓋がされてしまいました。地面側が「のっぺりと平ら」になりました。今私達が生活していて、地面にいきなり出っ張りがあったり、穴があることは、まずありません。大体同じような地面が延々と続いています。地面が無表情なのです。
そして、裸足や草鞋などを通して地面に接していたのが、高性能な靴が登場してきました。その素晴らしい機能を持ったソールのおかげで、地面の多少の変化を気にしなくてもよくなりました。足は守られ、足はもうそんなに考えなくてもよくなったのです。
そうした環境の劇的な変化により、足自体も変化してきて、「扁平足」「外反母趾」「浮き指」などが出てきました。
これらの足に起きてきた「変化」の多くは、私たちの足が「地面から離れすぎてしまった」ためだと考える人たちも現れ、裸足で走る「ベアフットラン」、または裸足に近い状態の「靴」、ないしは「地下足袋」のようなものも目にする機会が増えてきました。
海外に行くと、たまに見かけるベアフットラン。
コツがいりますが、おもしろいアイディアだと思います。
言わずと知れたVibram Five Fingers。僕も持ってます。
SKINNERSというメーカーの地下足袋式ソックス。これで外を走ります。
個人的にはかなり使えそうな印象。
そんな離れすぎてしまった足と地面との関係を、もう一度適切に結び直す必要があると、僕は感じています。
そのための簡単な方法を、2つ紹介したいと思います。
1つは、足の骨たちの存在を感じる ということです。
やり方は簡単で、片方の足を両手で持ち、いろいろな方向に曲げたり広げたりして動かします。子どもが新しいおもちゃを手にしたように、「どんな風に動くのかな」という興味したがって自由に動かします。大きく動くところもあれば、小さな動きだったり、動く質感も違ったりします。意外な場所が動いたりして、新鮮な驚きがあるはずです。
まずは片方だけを5分ほどやってみて、それから立ってみましょう。足が地面についている感覚が違うと思います。自分で触ってみた方の足は、地面に「ペタッと吸い付くような」感覚や、「足の裏が、木の根っこのように地面とつながっている」感じがするかもしれません。そのまま前屈すると、左右の太ももの裏のストレッチの感覚が違う人もいるかもしれません。影響は全身に広がります。左右の差を味わったら、もう片方もやってみましょう。
もう1つの方法は、裸足でさまざまな地面を歩 くということです。
外に出かけることがあったら、少しだけ裸足になってみるだけです。最初は、痛いこともありますが、もちろん無理せずにやってみてください。ただ、足にいろいろな経験をさせてあげるということが大切です。
身体に慢性的な痛みを抱えている人は、「身体を固めている」傾向があります。その一方で、赤ちゃんや動物たちの身体は、とても「しなやかで、流れるような」動きをします。身体が、しなやかさや流動性を失ってしまうと、いろいろなものが「滞る」ようになります。そうして、滞ったところに負荷が蓄積したり、一気に負荷がかかった時に、痛みとして出てきたりします。
身体を固めている人は、なかなか裸足で歩くことができません。ぐっと無意識に身体を固めて、負荷を適切に全身に分散させることができず、足の裏に負荷が集中しすぎて痛いのです。しかし、無理のない範囲で、いろいろな地面を歩いていくと、少しずつ痛みなく歩けるようになってきます。そしてその頃には、元々あった身体の痛みが減少していることがあります。
最初は、さまざまに変わる地面の状況に、「柔軟に自分を変えて」対応できなかったのですが、歩くことで地面とコミュニケーションを取り、自分の身体の構造を、しなやかに、流れるように変えていくことができるようになったのです。
もちろん安全が第一なのですが、たまには靴を脱いで「いろいろな地面に出会う」のも、大事なことかなと思います。
表情豊かな地面との、懐かしいおしゃべりは、私たちの身体に眠っている大切な何かを、思い出すきっかけになるかもしれません。
Yuta
( Posted at:2017年2月 1日 )
少し前 に、Aさんのセッション1の感想を紹介しました。
今回はセッション2になります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まずはセッション2の簡単な説明ですが、このセッションのテーマは「大地に根ざした(開かれた)足 」になります。
人間は2足歩行なので、地面に唯一身体が触れているのが「足」になります。重力は上から下にかかるので、構造の下にある部分が、上に影響を与えます。建物の基礎のことを考えればわかりやすいと思います。
普段、私たちが地面に立っている時、自分の体重の分だけ地面を「押して」います。作用反作用の法則で、私たちは地面から押した分だけ「押し返されて」います。そのおかげで、私たちは崩れることなく立つことができます。
ロルファーの僕の仕事は、足の細かな骨の構造を整え、足が「地面に開かれる」ような、カエルの足のようにぺったりと「地面に吸い付く」ような、木の根っこが「地面に生えているような」状態を目指します。そのおかげで、体重が地面に抜けていきやすくなり、その分地面からの押し返しの力がもらえることになります。そしてその押し返しの力こそが、「自分を支えてくれる力」になります。
その時に、上半身ががちがちで柔軟性に欠けていると、下からの押し返しの力が、上まで抜けにくくなってしまいます。そこで、セッション1で、先に上半身に「遊び、ゆとり」を確保しておいたのです。それが、セッション1から2への大事な流れになります。
あとあと詳しく書くことになると思いますが、整った身体というのは、重力に対して「上に伸びるように」見えます。けどそれは、「引き上げている」わけではないのです。一度下に体重を「あずける、ゆだねる」ことで、結果的に下から押し上げの力をもらうのです。自分で何かを努力したり、意識したりして、引き上げるのではなく、余分なことはせずにゆだねてあげること。そうすると、自然に伸びるように、引き上がっているように、外からは見えるようになるのです。
以下がAさんのセッション2の感想になります。
身体を支えている脚〜足の裏のセッションでしたが、普段、自分の足をまじまじと見たり観察したりしたことなんて、なかなかなかったなぁと思いました。自分の靴の減り方や靴擦れの跡などにハッキリと自分の歩き方の癖や足の形の跡が残っていたのが面白かったです。
今日のセッション中に感じていて、特に書きたい内容は、大きく2つです。
まず1つ目です。
脚の筋肉と骨を剥がす?作業の時に感じたことを書きます。
左右の脚の形や筋肉や骨のつき方にこんなにも違いがあるのか!とゆうたさんに実際に肘?で圧をかけてもらった瞬間よく分かりました。
私の場合、左脚が外側にねじれている?ので、肘を入れるのが比較的簡単なように感じましたが、右足は左に比べて真っ直ぐなので、筋肉と骨の間の、肘を入れるスペースを見つける時(剥がしにかかる時)左足よりは少し難しかったように思いました。
鏡の前で立って、ただ外から脚を眺めていた時よりも、自分の左脚の何処が曲がっていてスペースがあり、右はどういう筋肉のつき方をしているから左脚と違い、比較的まっすぐなのかがなんとなく分かった気がしました。
そして、足首から下をペダルを漕ぐように上下させてながら、その動きに合わせて、ゆうたさんの肘によって筋肉と骨が足元まで分かれていくのが分かり、これは痛気持ちよかったです。
その後は、これまたとっても不思議な感覚がありました。
ゆうたさんが指を置いてくれたところに合わせて、身体が(足)が勝手に動いて合わせていく感じ。指を置かれた箇所に対して、足が勝手に自分の心地のいい、落ち着く場所にゆっくりと動いていく感じ。
なので指を置かれた場所によって、足の指や足首で、奥に反るように動いたり手前に少し移動したり足が勝手に調整している感じがして、別の生き物のようで面白かったです。
それだけじゃなくて、またしばらくすると、今度は自分(足)の方からピクッ、ピクッ、と小さく動き出しました。その間私は、足がどこに動きたいのか、ゆったり眺めているような感覚でした。
結構頻繁にトータルで10回くらい?そういった反応があったように思うのですが、なんとなく自分(足)が行きたい方向や、ピクッという小さな反応を、ゆうたさんが見逃さないでみていてくれ、足の行きたい方に行かせてくれて、見守っていてくれたように感じました。なんだか、セッションってこういうことなのかな〜と思いました笑
(中略)
次に、2つ目です。
特にセッション後半、とにかく!内臓の動きがとても活発になったことでした。お腹の色んな場所から、様々な多彩な音が大音量で聞こえ、自分でも笑えてしまうようでした。音だけでなく、実際に内臓の色んな箇所が動いているのをずーっと感じていました。
この、内臓の動きは、足の骨と筋肉を剥がしてもらった後から、特に活発になった気がします。
これは、今現在も続いていて、今日一日中きゅるきゅるお腹がいいっぱなしです。
あと、第1回目のテーマの呼吸に関することとも少し関連あるのですが、前回は、波のような呼吸を感じ、身体のまわりというか、「外側」に呼吸の波を感じていたのですが、第二回のセッションでは、ひたすら「内側」の、内臓のいろんな場所での呼吸を感じていました。途中色んな臓器に呼吸すると空気が行っているイメージが湧きました。
最後に、背筋が伸びたことや、首の位置がしっかりと良い位置に来て、上にすっと引き上げられたことなどもしっかり感じましたし、嬉しかったです。
Aさんは1回目もそうですが、自分の身体を客観的に眺めるのが、非常に上手だなと思います。これだけ詳細に書いていただけると、ロルフィングをした自分の方がいろいろと気づきをもらえて、ありがたいなと思います。
物語る靴
セッション2では足のことをするので、足と地面の間にある「靴」を見てみることで、その2つの間で何が行き来していたのかの「おもかげ」を感じることができます。
Aさんの靴を見てみましたが、靴底の減りはそんなに左右差はありませんでした。その代わりに、ソールの部分が左右で違うことに気づきました。
靴底がそんなに変わらないということは、「地面への接地」にそんなに差がなく、ということは「脚のスイング」にもそんなに差がないのだろうなと思いました。股関節から脚をスイングさせますが、それに差がないことで、地面との出会い、入りにも差がないのかもしれません。
でも、ソールの足を入れる口の部分が違いました。片方ががばっと横に広がっていて、片方はそんなことがありません。それは、「接地してから荷重していく時の、足関節の動き」に違いがあるということを示唆しています。地面に着いてから、足首が外に逃げてしまうクセがあるということです。
そのことから、もしかしたら捻挫したことがあるかもなと予測しましたが、実際に捻挫して足首に動揺があるのでした。
靴だけ見ても、いろいろなことが見えてきますね。
セッションってこういうことなのかな〜
足のすねの部分には、脛骨と腓骨という2本の骨があります。(手羽先をイメージしてもらえたらと思います。)そしてその間にある膜が「骨間膜」と呼ばれるものです。
骨間膜は、前腕部分にもあり、「大きな膜同士は呼吸の動きに共鳴している」という考えがあります。
VIDEO
動画では膜の代表格、横隔膜、骨盤底膜の共鳴を示していますが、前腕、下腿にある骨間膜も共鳴していると、僕も自分の経験上そう感じています。骨間膜のリリースをすると、呼吸が大きく変化したりします。
最初はしっかりと骨間膜に圧を加えるような感じでワークしましたが、少しゆるんだので、あまり圧を加えない感じでもアプローチしてみました。Aさんの身体はそれに自然に反応してくれて、Aさんの書いてある通りに、「別の生き物のように」、「勝手に調整してくれる」ような感じになりました。
10シリーズの内の序盤は、こちら(ロルファー)からの働きかけ、提案が多く、こちらが身体の適切なポジションに、「案内、誘導」するような感じが多いです。しかし、何回かロルフィングしていくと、「身体の意図しない自然な反応」が出てきます。受けている人にとっては、自分の身体なのですが、別の生き物のような感じで動き始め、それをただ「眺めている」ような感覚になります。これは実際に体験してもらわないと、なかなか伝わりづらいと思うのですが、多くの人はそれを自然に経験します。
最初はみなさん不思議がりますが、そのうちに「そんなもんか」と慣れてきて、それをおもしろがって見てくれるようになります。それを体験すると、当たり前のことですが「身体って生き物なんだな」と、素朴な感動を覚えたりします。
そうやって受け手がただ寝ていて、主体的に何もしないというのではなく、お互いが関わり合いながら、ロルフィングの「セッション」は進んでいきます。
内側(内臓)の呼吸を眺める
これもおもしろいう表現ですね。自分の内側を眺めてみて、そこにある内臓たちが呼吸に参加しているのを感じたようです。上に載せた動画でも、呼吸と共に、どういう風に内臓が共鳴しているかが示されていますね。
しかもそれが、自分のすねを触ってもらっている時に、それが特に活発になったということを感じているので、すごく身体の感覚が豊かだなと思います。
身体という1番身近な自然は、僕らの想像が及ばないほどに、複雑でいて緻密に連携し合いながら「生きて」います。
ロルフィングの10回は、3つに大きく分けられ、次のセッション3が「第1章、表層のセッション」の最後になります。主に横のラインに焦点を当てていきますが、どんな反応が見えてくるでしょうか。楽しみです。
( Posted at:2017年1月29日 )
もうすぐfestaが5周年ということで、その特典の1つとして「10シリーズ」のモニターの募集をしました。おかげさまで募集した人数に達しましたので、募集は終了させていただきます。ご応募していただいた方々はありがとうございました。
今後のこのブログで、「ロルフィングには興味があるけど、どんな感じなのか知りたい」という方のために、モニターの方の感想を元に、ロルフィングで起きること、大切にしている考え、コンセプトなどを解説していけたらと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2人目のモニターの方ですが、40代の女性の方です。
モニターBさんとさせていただきます。
Bさんは以前、festaでロルフィングを受けられたことがありました。その時には、かなり身体のレスポンスが良かったので、「この方はロルフィングの10シリーズをしたら、どんどん身体が良い方向に変わっていくだろうな」と思っていました。しかし、かなり遠方の方だったので、1度きりのセッションで、その後続くことはありませんでした。
今回、モニターを募集するということで、10シリーズを受けてもらうことになりました。
以下がセッション1を終えたBさんの感想です。
本日第一回目の施術を受けました。
不安と期待でいっぱいでしたが、まっすぐ鏡の前に立って、ア然。
頭は右へ、肩は上がりぎみの右手が長く、腰から上が左に歪み、骨盤も左右非対称。
痛みだらけの身体の悲鳴が聞こえてくるようでした。
1つ1つ痛みには理由があり、身体を赤ちゃんの時の様に、歪みや力みのない身体に戻していくのだと説明を受けて開始。
ベッドに横になり、まずは身体がどんな状態なのかを説明してもらいながら、呼吸、各関節の動きをチェック。
施術中はとにかく力を抜き、リラックスする事だけを考えていました。
施術が終わると、力を入れてないのに可動域が増えて、身体が軽くなってる感じ。
下半身が地面にしっかり足がついてる感じ。でも全く力は入ってない。
まっすぐ立っていることがこんなに楽なのだと発見。
次回の施術が楽しみです。
※内容が変わらない程度に、少しだけ修正しています。
痛みだらけの身体の悲鳴が聞こえてくるようでした。
以前に書いていただいたBさんの問診票をもう一度確認してみると、以下のような状況でした。
・10代 陸上で右膝前十字靭帯を損傷するが手術はしていない。
・30代 転倒して右足首の内くるぶしを骨折、冬になると痛い。
・30代 ぎっくり腰(左)、その後も繰り返しそうになる。
・30代 右肩に水がたまった。
・子どもは3人いて、2、3人目は帝王切開にて出産。
・2〜3年前 子宮筋腫摘出手術。
・現在 仕事で高齢者の方にマシントレーニングを指導している。
と、ざっと大きなところを書いていただいただけでも、以上のような経験を身体がしてきたようです。なかなか大変な経験だったと思います。
手術を何回か経験されていますが、「1度だけ」の、しかも外からは傷口が目立たない「内視鏡手術」であっても、身体には相当のストレスがかかりますし、それがその後の身体の不調の原因の1つになることも少なくありません。
例えば、生きているみかんに、内視鏡のようなものを使って、中にある種を1つ取り出したとします。すごく上手にできたとして、外側からは少し穴が開いているくらいです。でも、中はどうなっているでしょうか?その後、そのみかんはどうなっていくでしょうか?単純に生きている人の身体と、みかんとを比べることはできないかもしれませんが、外から見える傷口が小さければ、身体に与える影響が必ずしも少ないとは言いにくいと思います。
つまり「傷口が小さい=身体へのストレスが小さい」とは、そう簡単にはならないということです。
僕自身、右のお腹に盲腸の手術跡がありますが、その周辺の癒着に対するワークをしてもらうと、持病の右腰の痛みがかなりましになります。身体の中で、膜を通してのつながりがあるからだと思います。
Bさんの場合は、そういった手術跡が何箇所かありますから、身体へのストレスはかなり大きく、それによって身体の構造的にも、機能的にも影響は受けていると考えられます。
でも間違ってほしくないのは、僕は「手術を否定している」わけではありません。身体が構造的に何かが壊れていて、それが原因で痛みがあったとすると、それは手術して、その壊れているところを治してもらった方がいいと思います。さらに、命に関わるような悪性の腫瘍があった場合や、交通事故のように1分1秒を争うような状況では、僕ができることはありません。それは手術を受けるべきですし、僕も受けると思います。
僕は、手術後に残っている傷口周辺の組織や関節の違和感や、手術後からはじまった身体の痛み、体調の崩れなどに対して、ロルフィングが助けになるのではと思っています。
身体に起きている症状は、なんらかのつながりがあるのでは?
Bさんのような方が病院を受診すると、お医者さんは困ると思います。そして「どこが1番困っていますか?」と聞かれたりします。Bさんともお話しましたが、「どれも困っています」というのが正直なところらしいのですが、「今回は腰にしようかな」などと、一応1つに決めたりすることもあるようです。笑
これは、僕も整形外科に勤務していたことがあるので、お医者さんの気持ちも少しはわかります。診断をして、病名を付けないと、その後何か処置をしたり、お薬を出したり、理学療法、リハビリの指示を出すことができません。自分の行ったことすべてに責任を持って、そしてそれに点数を付けていきます。それがきちんと「説明可能」でなければ、ちゃんとそれを国に請求することができません。適当にたくさん病名を付けて、その後に適当に処置をしたとなると、それはそれで問題です。
しかも、今の病院はどこもとても忙しいです。待合室にはたくさんの患者さんが、今日も明日も溢れています。何人も何人も患者さんが待っていて、お医者さんも人間ですから、あまり待たせたくはないと考えています。そうすると、症状に「優先順位」を決めないと、多くの人を診断することができません。
お医者さんも大変です。
では、そういった方は、どこに行けばいいんでしょうか。
それを今の病院の枠組みの中で、真剣に追求していくと、いわゆる「たらい回し」にされてしまうことが多いのだと思います。
僕自身の考えでは、「すべての起きていることには理由がある」と考えています。今回のBさんの場合でも、長年の蓄積で現れてきた病気、慢性痛でも、突発的に起きたような怪我だとしても、何か原因があるのだと思います。上に書いた、一見ばらばらの症状たちも、何かしらのつながりがあるのではないかと考えて、この10シリーズを始めることにしました。
これはあくまで仮説ですので、10回を進めていくうちに、「これとこれとは関係のない出来事だった」と分別できたり、「意外だったけど、これとこれとが関連があったようだ」と、思ってもいなかった点と点がつながるかもしれません。こればっかりは、やってみないとわからないことが多いです。僕は時間をかけていくことができるので、ゆっくりとBさんの身体に向き合っていきたいと思います。
まっすぐ立っていることがこんなに楽なのだと発見。
実際に身体を触ってみると、すぐに身体をこちらにゆだねてくれました。僕のことを疑っていたり、深いトラウマがあったり、頭で僕のしていることをつかまえようとしたりすると、なかなかゆだねることができずに、うまく「セッション」になっていきません。
でもBさんは、前にロルフィングを受けてくださった時もそうでしたが、こちらのやることに対してオープンで、身体をリラックスさせて僕のタッチを受け入れてくれていました。そうなると反応も早く、特に強く押したり、大きく身体を動かしたりはしないのですが、身体がゆるんでいってくれます。
高いレベルで活躍するアスリートもそうなのですが、どんな治療やトレーニングを受けるにしても、自分で受けると決めたら、とことんこちらを信じ切って受けてくれます。その思い切りの良さのおかげで、驚くような変化が生まれるセッションになったりします。この「ゆだね切る、信じ切る、思い切りの良さ」が、トップレベルたる所以なのかもしれません。
そうしてセッションが終わり、ベッドから降りてもらうと、身体がまっすぐになり、重力が身体を抜けていくような感じになります。この心地良さは、なかなかロルフィング以外では味わえないかなと思います。そして、驚くくらいに立っていても身体が楽な感覚があります。「いつまででも立っていられそう」という方もいらっしゃいます。
身体のいろいろなところから痛みという悲鳴が上がっているBさんですが、セッション1のまずはリラックスをして、深い呼吸を感じてもらうというところは、うまくいっていると思います。それによって身体がまっすぐに感じられ、力を入れていないけど、「地面にしっかり足がついてる」というセッション2の感覚も出てきています。これからその身体の悲鳴が、明るい笑い声に変わっていってくれればいいですね。
次のセッション2も楽しみです。
Yuta
( Posted at:2017年1月17日 )
もうすぐfestaが5周年ということで、モニターの募集をしています。
(詳しくは
こちら をご覧になってください。)
「ロルフィングには興味があるけど、どんな感じなのか知りたい」という方のために、モニターの方の感想を元に、ロルフィングで起きること、大切にしている考え、コンセプトなどを解説していけたらと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1人目のモニターの方ですが、20代の女性の方です。これから複数の方のことを紹介していく予定なので、わかりやすくするためにモニターAさんとさせていただきます。
「今すぐに身体に不調があるわけではないけど、今後の人生で長く付き合っていく身体なので、今のうちに整えておきたい」ということで、モニターに募集されたようです。
今まで5年ロルフィングをしてきて、スポーツ選手以外で20代の方というのは、そんなに多くありませんでした。単純に、まだまだ若いので、そこまで大きな不調があるわけではないのだと思います。それと、不調があったとしても、まだまだ大丈夫だと思ってしまうのかもしれません。
たまにいらっしゃる若い方は、目立った症状があるわけではないのですが、「慢性的な冷え性がある」、「便秘、生理痛がひどい」、「なぜかわからないが、急に体調を崩す」などの症状を持っている人がいて、身体を見てみると、一言で「ガタガタ」でした。正直、このまま年を重ねていって大丈夫なのかなと心配してしまうほど、身体の構造が崩れていたり、内部のエネルギーの流れが悪かったりしていました。つまり、症状は目立った形では「まだ」出ていないけれど、それが出てくるような悪い条件は「すでに」あるという感じです。
そういうのが、年齢が上になってくると、目に見える形で「ガタガタ」ときてしまうのだと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、今回のAさんですが、姿勢に関しては、そんなに大きな崩れはありませんでした。(上に書いた、ガタガタという感じではありませんでした。)強いて言うと、「骨盤が水平の位置にない」ところと、「肩がすくみがちで、肩甲骨周りが固まっていて、動きが少ない」ところが気になりました。
セッション1では、「自由な呼吸」というのがテーマになります。その自由な呼吸をするために、肩甲骨周辺の肩甲帯と、骨盤周辺の骨盤帯とのバランスと取り戻すことが重要になります。脊柱から肩甲骨を自由にしてあげる、骨盤から大腿骨を解放してあげるのが、ロルファーの僕の仕事になります。
以下が、Aさんからの感想になります。
セッションを受けた後の率直な感想は、まず、身体がスッキリ軽くなり、身体の中にスッと一本なにか通っているような感じと、どこも疲れない感じ、そして視界がなんだか明るくなったような感じがあります。 セッション前は、どことはハッキリ分からないし言えないけれど、なんだか身体がどんより重かったこと、そして若干でしたが、頭痛のようなものもあった事がセッション後にはじめて「そうだったんだなぁ」と分かった感じです。 立っているのも歩くのも、なんだかとっても楽。 肩が下がり、首回りにスペースが出来たせいか、首から頭にかけてなにか詰まってる感じをいつもの生活で感じていたのですが、それもすっきり楽になりました。 セッション後も口頭で話したので、繰り返しにはなってしまいますが、背筋が自然に伸びてくれた感じと、足が自然によく上がるのがわかります。 身体が正しい位置におさまっていれば、こんなにも自分が楽なんだなぁと、なんだか嬉しい気持ちです。 そして、呼吸に関してですが、今までにもヨガなどの時に自分の呼吸を意識したことはありましたが、呼吸が浅いか深いか、身体の何処まで入っているか、くらいまでしか感じられませんでした。
また、呼吸に関して感じられるのはそれくらいだろうと思っていましたが、セッションを続けて深呼吸していくうたに、背中の腰回りにも空気が入っているのを感じられることや、ただ空気を吸って吐いて、、、というわけではなくて、深呼吸にあわせてまるで身体の上で波がなめからに押したり引いたりしてるような、呼吸にも形というか、波のような動きがあるのかなぁと感じました。
この感覚はなんだかとっても気持ちの良いもので、呼吸を続けると、どんどん穏やかな気持になりました。あとは、その呼吸を続けていると、足の指先まではいかないけれど、足の甲あたりまで呼吸が通っているような感覚も初めて感じました。 内臓系も、セッション中にたくさん動いていた感じがあり、普段便秘気味ですが、終了後トイレに駆け込みました笑 セッションを受けてみてはじめて、自分の体調は特別悪くはなかったけど、優れていたわけでもないんだなと、気づけますね。自分の身体がどんな事を感じるのか、これからも楽しみです(^ ^)
身体の中にスッと一本なにか通っているような感じ
1回目のセッションですが、ロルフィングで大切にしている、「ライン」がすでに少し感じられています。「軸」と言い換えてもいいかもしれませんが、大事なのは「ラインを意識して作っている」のではなく、「自然にラインらしきものが感じられた」というところだと思います。
そういう風に、自然に感じられたものでなければ、長く効果は続かないと考えています。言われたからそうなったのではなく、身体自身が納得してくれてそうなったのだと思います。これは、親が子どもに掃除をしなさいと言われて、掃除をしている状況と、子どもが掃除の必要性を自分で感じて、自分から掃除をしている状況の違いに似ています。どちらの掃除が継続しやすくて、そしてどちらの掃除が隅々まで行き届いているかは、想像しやすいと思います。
こうしなさい、これが正しいですよと、僕が何か知識を与えたわけではなく、ロルフィングの目指しているところが、自然に表れてきてくれたのが、ロルファーとしてはとてもうれしいところです。
その自分を支えてくれるラインに気づけると、そこに自分の身をゆだねて、余分な他の力を使う必要がなくなります。身体が自然に立ってくれるようになり、身体も軽く感じられます。
それはまさに、「身体が正しい位置におさまっていれば、こんなにも自分が楽なんだなぁと、なんだか嬉しい気持ちです。 」という言葉に集約されていますね。
呼吸の形、波のような感覚
とても感覚のいい方なので、素晴らしい表現が自然に出てきています。僕は呼吸を、「寄せては返す、波のような感じ」と言うことがあります。それを最初のセッションで感じてくださって、僕も驚きました。
呼吸は確かに、吸って吐いてと「意識的にコントロール」できます。けど僕は、「身体が整うと、自然に呼吸は躍動し、拡がり、身体を波のように動く」と思っています。その呼吸は、意識やコントロールから外れた、自らが生きているかのような自由な呼吸です。
呼吸を意識してコントロールするものとして捉えるのではなく、自らが生き物のようにふるまう、波のようなものと考えてみる。波打ち際に座って、何を考えるでもなく、波をぼんやりと眺めていると、あっという間に時間が過ぎていたりします。僕が呼吸に接する時には、そのように接しています。
内臓系も、セッション中にたくさん動いていた感じ
これもよくセッション中に起きる変化です。最初はみなさん、ポコポコ、キュルキュルとお腹がなるので、「すいません、お腹が空いているんですかね」などと恥ずかしがられますが、これは内臓が元気に活動し始めたサインです。
人は緊張やストレスを感じ、交感神経が優位になってくると、内臓の働きが悪くなってきます。大勢の人前で話すなどの緊張している時には、ごはんが喉を通らなかったり、便通がなかったり、ゆるすぎたりするのは、みなさんの経験でもあると思います。
それと、女性や若い人に多いのですが、内臓が働いているのを、無理やり止めようとしているパターンもあります。授業中や、会議中の静かな場面で、お腹が鳴ったりするのが恥ずかしく、お腹を腹筋で締め付けたり、お腹をぐっと押す人もいます。
基本的に人間は動物です。動物には決まった時間はなく、自由に、自然に暮らしています。授業などもありませんし、退屈な会議もありません。ごはんを食べたい時に食べ(うまく食事にありつけた場合ですが)、排泄したい時にして、寝たい時に寝ます。それは言い換えると、「内臓の要求に素直に従っている」状態です。
でも、先程の例のように、ごはんが食べたくてお腹が音を出して要求しているのに、それを我慢したり、トイレに行きたいけど、グーッと下腹部を緊張させて無理をするのが人間です。それは「頭の命令に従っている」状態とも言えます。
頭が忙しなく動いて、身体(ここでは内臓ですが)の要求を遮って、身体に我慢をさせて、それが常態化してしまうとどうなるでしょうか。少しずつ内臓の生き生きとした活動は、そのダイナミックさを失い、ついには内臓が正常には働かなくなり、便秘になったりするなどの症状が出てきます。
ロルフィングによって身体が副交感神経優位になり、身体の深いところからリラックスでき始めてくると、内臓が動きはじめ、いろんな音が聞こえてきます。こちらがくすくすと笑ってしまうほど、にぎやかにおしゃべりするような時もあります。そうして、長年下剤が手放せなかった方が、お薬の量が減ったり、必要なくなったりする方もいます。しかもそれは、内臓に対して、直接的にアプローチはしていないというのが、おもしろいところです。
最後になりますが、セッション1にしては、文の表現の仕方、そこに選ばれている言葉などを見ても、いろいろな気づきがあったセッションのようでした。すごくいいかなと思います。次は、足のセッションになりますが、一体どんな変化が出てくるでしょうか。僕も楽しみにしたいと思います。
Yuta
( Posted at:2017年1月14日 )
2017年2月の連休に名古屋のロルファーの伊藤亮輔くん(僕はイトウくんと呼んでます。)と、山形でセミナーをします。2016年5月に引き続き、今回が2回目の開催です。
イトウくんが肩甲帯と骨盤帯への筋膜リリース、僕がトレーニングする前の、準備、仕込みの考え方をみなさんと共有したいと思います。
なかなか認定ロルファー2人で教えるセミナーも少ないですし、ロルフィングのコンセプトも持ちながらトレーニング指導している人もいないので、前回は東京から参加してくださる方もいました。
今回もパートナーを組むイトウくんは、ロルフィングを学ぶユニット1、2でクラスメイトでした。すごく勉強熱心な彼がいたので、とても中身の濃い学びの時間になりました。英語の面でも助けてもらって、本当に感謝している存在です。ロルファーになった後も、世界各地のセミナーに参加して、自分の知識、技術を深めています。そんな彼が山形に来てくれて、世界で学んできたテクニックを教えてくれます。
僕自身も、今までアスリートとトレーニングをしてきた経験から、トレーニングをする前に、まずは整えておくという考えを伝えられたらと思います。なるべく参加していただいた方には、実際に動いてもらって、身体でわかってもらえる内容になればいいなと考えています。
2日間セミナーをしますが、1日だけの参加でも大丈夫です。お時間がある方は、ぜひ参加してみてください。
2人の認定ロルファー™による
筋膜リリースとトレーニングセミナー in 山形 vol.2
日時:2017年2月11日(土)、12日(日)
9:45 - 10:00 受付
10:00 - 13:00 筋膜リリース(伊藤 亮輔)
13:00 - 14:00 昼休憩
14:00 - 16:00 筋膜リリース(伊藤 亮輔)
16:00 - 16:15 休憩・質問
16:15 - 18:15 トレーニング(大友 勇太)
18:15 - 18:30 質問・参加者交流
※両日とも同じタイムスケジュールです。
内容:
11日
・オーバーヘッド動作を行うスポーツ選手への肩甲帯への筋膜リリース
・目的の動作を達成するための、動きのつなげ方
12日
・走動作の主役である大腰筋を中心にした骨盤帯への筋膜リリース
・鍛えるために整える - トレーニング前の大事な仕込み -
受講料:各日15,000円(両日参加の場合は、28,000円)
※料金はお振込みでのお支払いになります。
振込先は申込みされた方にお知らせします。
定員:各日20名(最低催行人数:各日4人)
持ち物:筆記具、動きやすい服装(インシューズは不要)
場所:山形市総合スポーツセンター 軽運動場(2F)
〒990-0075 山形県山形市落合町1番地
TEL:023-625-2288
申込先:メール info@rolfing-festa.com
電話 090-2954-8207(大友)
申込の際には、以下の情報を教えて下さい。
1. 氏名/ふりがな
2. 住所
3. 電話番号
4. メールアドレス
5. 職業/保有資格
6. 活動場所/内容
7. 領収書の有無
8. セミナーで学びたいこと
【キャンセル料について】
セミナー開催日2週間前でのキャンセル 50%返金
セミナー開催日2週間以内でのキャンセル 返金はありません
【セミナー内容の詳細】
2月11日(土)
「オーバーヘッド動作を行うスポーツ選手への 肩甲帯への筋膜リリース」
講師:伊藤 亮輔
野球などのオーバーヘッド動作を頻繁に行うスポーツでは、肩関節の可動域に大きな左右差が出る場合があります。肩甲帯の主要な筋へシンプルなアプローチをすることで、可動域が大幅に改善し、痛み、違和感の減少、パフォーマンスの向上が期待できます。今回のセミナーでは、小胸筋、僧帽筋、前鋸筋、大胸筋、三角筋、菱形筋、広背筋、肩甲下筋を触診、筋膜リリースを行います。 今回は腕神経叢の触診も追加されます。
講師:大友 勇太
トレーニング指導を始める前に、まずはそのアスリートが「どんな動きを目指しているのか」を、丁寧にコミュニケーションしながら、同じビジョンを見れるようにします。そこがブレると、何のためのトレーニングなのかわからなくなってしまいます。それが決まったら、その目的地を目指しながら、適切な道のりを「発見的」に選択していきます。動作の指導は、それぞれのエクササイズが「有機的なつながり」を持ちながら、進められていきます。今回は、その「つなげ方」を紹介します。
2月12日(日)
「走動作の主役である大腰筋を中心にした骨盤帯への筋膜リリース」
講師:伊藤 亮輔
走動作は多くのスポーツの基本になります。その走動作の主役が「大腰筋」です。最近では、有名スポーツ選手が、その重要性を強調していますが、正しく大腰筋を触診できますか?場所、深さ、角度の3つのポイントを大切にしながら、大腰筋の筋膜リリースを学んでいきます。大腰筋の他に、大臀筋、中臀筋、大腿筋膜張筋、胸腰筋膜、腸骨筋、梨状筋、大転子、腸骨陵の触診、筋膜リリースも行います。今回は坐骨神経の触診も追加されます。
「鍛えるために整える - トレーニング前の大事な仕込み -」
講師:大友 勇太
身体をウェイトトレーニングなどで鍛える前に、まず整えることが大切であると考える、スポーツ現場のトレーナー、トレーニング指導者が多くなってきました。講師がトップアスリートのコンディショニングをサポートした経験から、まず鍛える前にしておきたい「仕込み」を、身体を動かしながら学んでいきます。仕込みをしっかりと行うと、トレーニングのポジションが取りやすくなり、トレーニングの効率が大きく変わってきます。
【講師プロフィール】
伊藤 亮輔(いとう りょうすけ) 公認ロルファー™
1987年愛媛生まれ、名古屋市在住。高校卒業後に渡米し、アラバマ州立トロイ大学で運動生理学を学ぶ。学生最後の学期に全米からトップレベルの選手が集まるチャンピオンスポーツ医療(CSM)、アメリカンスポーツ医療機構(ASMI)でインターン。主に野球選手の動作解析助手とアスリートのトレーニングを担う。卒業と同時にロルフィングを勉強。帰国後はセッションの傍ら東京、大阪、名古屋、松山、長崎で筋膜リリースの講習を行う。2013年、四国アイランドリーグプラス愛媛マンダリンパイレーツのトレーニングアドバイザーを務めた。
大友 勇太(おおとも ゆうた)
公認ロルファー™、ロルフムーブメントプラクティショナー™、JATI-ATI
1984年秋田生まれ、山形市在住。中京大学体育学部を卒業し、神戸の藤田整形外科・スポーツクリニックでトレーナーとして2年半勤務。2010年にロルフィングを学び始め、ユニット1、2では伊藤亮輔とクラスメイトになり、2011年にロルファー及び、ロルフムーブメントプラクティショナーの認定を受ける。2012年から神戸でRolfing House festaを開業。2014年には山形に引っ越し、現在は「とんがりビル」で活動中。ロルフィングの施術の傍ら、山形市内の高校の部活動や、日本代表レベルのアスリートへのトレーニング指導も行う。
Rolfing House festa
Yuta
( Posted at:2016年12月28日 )
人にはそれぞれ、
心地のいいペース、速さというのがあるんだと思う。
早足の人は、歩くのが速い。
目的地に到達することを決めているから、
いかに最短で効率的に歩くかを考える。
見えている景色は、どんな風に流れるんだろう。
いや、景色は見えていないのかもしれない。
もっともっと速い人もいて、走る人もいるだろう。
タイムを気にする人もいるし、
走る風の中に季節を感じる人もいる。
人のすすむ速さは、人それぞれだ。
僕はいろいろと遅いことが多いと思う。
目的地を決めないことも多いし、
行くまでのみちのりがたのしければいいと思ってしまう。
基本的には、遅い方だと思う。
というのも、速い方が心地のいいときもあれば、
めっきりと遅いときもあるし、
移動しないこともある。
要は、「心地がいいかどうか」が重要だ。
何か家のことをしているとき、
「ああ、やりたくないな」というものもある。
けど、それが気にならないときもある。
それは、何が違うんだろうと考えた。
僕は、「自分のペースでできる」ときは、
家事をしていて楽しいのだと気づいた。
やる順番も効率を考えず、心地のいいペース、速さで、
そして、その後に予定が詰まっていなければ、
時計とにらめっこすることもない。
けど、もしも時間が決まっていたら、
効率を考えて、なるべく最短で、最小限の手間で、
速くしなければいけない。
そこに心地よさは感じにくいのだと思う。
目的地があるから、
そこに今いる場所が目的地ではないことになる。
何時までに終わらせるとなるから、
楽しいはずの家の仕事が、
あっている、まちがっているが生まれてくる。
同じ家の仕事が、まちがってくる。
人生では、生きていると、
考えもせずに、いろいろと決まりごとがふえてきて、
何時に終わらせるとか、
なるべく早くとか、
何が一番効率的かとか、
それを選んだ理由はとか、
いろいろと縛られてしまう。
あるとき家族全員のふとんを畳んでいて、
「なんでこんなことしなきゃいけないんだろう」と
思うことがあった。
それは、
こんな日はゆっくりと本を読みたいとか、
この仕事は奥さんがするべき仕事だとか、
9時までに保育園に行かなければいけないとか、
そんなことに囲まれていると、
とたんにそれは、楽しさを失う。
人にはそれぞれ歩くスピードというのがあって、
それに気づけて、それをたいせつにできた人は、
きっとしあわせなんだろうと思う。
でも、人は囲まれているものの中や、
自分を縛っているものの中にたいせつさを見つけるから、
自分の歩くスピードを見つけて、
それを心地いい感じでつづけていくことに、
たいせつを見つけにくくなってしまう。
いろいろとたいせつなものはあるけれど、
自分のペースで歩くことが、
僕はたいせつなんじゃないかなと、
いろいろな人を見ていてかんがえた。
自分の心地よいスピードをたいせつにすることは、
自分をたいせつにすること。
そこにまちがいはない。
けど、目的地をたいせつにしてしまうと、
まちがいが出てくる。
「その人の幸運なペース」はかならずある。
それを見つけられるかどうか。
それは人より速いとか、遅いとかは関係ない。
自分が心地よく、楽しいのかどうか。
歩く速さなんて、効率的かどうかなんて、
あまり関係ない。
Yuta
( Posted at:2016年12月26日 )
2016年もあっという間に終わり、2017年が近づいてきています。みなさんにとってはどんな1年だったでしょうか。僕の1年は「挑戦の多い」1年でした。
1月には、日本代表アルペンスノーボードチームにトレーナーとして帯同しました。自分自身、冬のスポーツ、そして日本代表レベルのチームに帯同することが初めてでしたし、ヨーロッパに行くことも初めての経験でした。わからないことだらけでしたが、チームの目標を達成するために、日々全力でやれることをがんばりました。世界には素晴らしいアスリートがたくさいんいて、それぞれが頂点を目指して地道な準備を毎日続けています。その中で勝ち進んでいくことの難しさ、そしてそこで勝てることの喜びも知ることができました。空気がヒリヒリするほどの緊張感の中で、ロルフィング、トレーニング指導ができた経験は、とても得難い経験だったなと感じています。
2月からは、山形の「とんがりビル」にfestaを移転し、新たな場所でロルフィングを始めました。新しいfestaの空間は、木に囲まれていて、落ち着いてロルフィングができます。ロルフィングをする上で、その場がどういう状態かというのはとても大切な要素の一つです。今では僕のお気に入りの場所になりました。同じビルにはクリエイティブな人たちが集まっていて、仕事の合間の何気ない立ち話からも、いろいろと刺激を受けたり、新しいアイディアが浮かんできたり、とてもいい環境だなと思います。まだ来たことがない方はぜひ遊びに来てください。festaは3階にあります。
9月には東南アジアの国に行って、その国のトップのスポーツ指導者のみなさんに、「トレーニング指導の基礎」を教えさせてもらいました。今後は、僕たちが教えた内容をベースに、その指導者の方々が指導しているスポーツ選手へトレーニング指導がされていくとのことで、とても重要で責任のある仕事でした。指導者のみなさんはどの方もとても熱心で、押し寄せるように質問をしてくれます。それは、女性だから、若いから、ベテランだからなどは全く関係ありませんでした。今の日本では、このような光景を目にすることはかなり少ないと思います。僕の中の大事な部分に、火が付いたような気がしています。
ロルファーとして、トレーニング指導者として、自分のやれることは、少しずつですが成長してきていると思います。それでも今年は、その自分の能力に対しては大きすぎるほどの仕事の機会をいただくことができました。そういった機会のおかげで、人は少しずつ、でも確実に、自分という器の深さと大きさを変えていけるのだと思います。自分が成長したと思うと、「これならどうだ」とクライアントさんから課題をもらいます。それは昔に比べると、大きく、複雑になっていきます。いろいろなご要望にお応えできるように、2017年も自分の好きなことを楽しく突き詰めていけたらと思います。
2017年も、神戸には定期的に出張をしようと思っています。
場所は、前回と同じくJR三ノ宮駅から徒歩10分以内の場所 になるかと思います。
新年はじめに身体をすっきりと整えて、2017年を気持ちよくスタートさせるのはいかがでしょうか。
下に今回の日程を載せますので、ご予約お待ちしています。
(予約状況は1月19日現在です)
1月24日(火)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ○
③14:00 - 16:00 ○
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:00 - 20:00 ○
1月25日(水)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:00 - 20:00 ○
1月26日(木)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ○
⑤18:00 - 20:00 ○
1月27日(金)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ○
③14:00 - 16:00 ×
④16:00 - 18:00 ○
⑤18:00 - 20:00 ×
1月28日(土)
① 9:00 - 11:00 ×
②11:00 - 13:00 ×
③14:00 - 16:00 ○
④16:00 - 18:00 ×
⑤18:00 - 20:00 ×
1月29日(日)
① 9:00 - 11:00 ○
②11:00 - 13:00 ○
③14:00 - 16:00 ○
④16:00 - 18:00 ○
⑤18:00 - 20:00 ×
【予約方法】
①電話 090-2954-8207
②メール info@rolfing-festa.com
【セッション料金】
12,000円
Rolfing House festa
Yuta
( Posted at:2016年12月22日 )
少し前になりますが、理学療法士の山口光國先生のセミナーに参加しました。
「テクニック」そのものよりも、「人を見る、触れるにはどんなことが大切なのか、またはそれはどういうことなのか」という、ロルフィングでも大切になってくるテーマを扱うセミナーでした。もちろんテクニックは最低限必要だと思うのですが、それだけだとワークに「深み(または甘み)」が出てきません。それは、どれだけピアノを上手に弾けたとしても、それが必ずしも、聴く人の心を動かすかというと、そうではないというのと似ているのかもしれません。
そんなセミナーの中で、「セラピスト」としての理学療法士が目指すべき姿のモデルとして、「マズローの欲求5段階説」で有名なマズローさんの話が出てきました。
上の図がその5段階の欲求を示したものです。身体に携わる人も、そうでない人でも見たことがある人も多いかもしれません。ロルフィングを通して、クライアントさんに関わらせてもらってきて、「承認欲求」のことをよく考えることがあります。その人の特徴のある行動を、表面に現れてきているものだけでなく、その奥の方を注意深く観察してみると、「自分を認めてほしい」という欲求に行き着くことが多いような気がします。言い方を変えると「自己肯定感」「自分を愛すること」の問題だと思うのですが、そこをうまく満たすことができず、それが「自己実現の欲求」への流れを止めたり、歪めてしまったりしていることも多く、それが身体へ影響が出てきたりもします。
そんなよく見るマズローの欲求段階の図なのですが、実はこの「自己実現の欲求」の上にさらに発展があったということを、今回のセミナーで山口先生から教えてもらいました。
それが上の図です。「自己超越」というものが加わっているのがわかるかと思います。そしてこれこそが、「人が人を癒やし治めること」を生業にする理学療法士が、セラピストとして目指すべき状態だと、山口先生は仰っていました。
そんな自己を超越した「自己超越者」の特徴が11個あるとマズローは言っています。
1.「在ること」(Being)の世界について、よく知っている
2.「在ること」(Being)のレベルにおいて生きている
3.統合された意識を持つ
4.落ち着いていて、瞑想的な認知をする
5.深い洞察を得た経験が、今までにある
6.他者の不幸に罪悪感を抱く
7.創造的である
8.謙虚である
9.聡明である
10.多視点的な思考ができる
11.外見は普通である(very normal on the outside)
これをセミナーで見てすぐに、「ロルフィングのトレーニングで学んだきたことだな」と思いました。もちろん、それぞれの項目に対して、現段階の自分が達成しているレベルはまだまだ低いのですが、それが高いレベルで達成されていて、まさに「自己超越者」だなと思えるようなロルフィングの先生は、何人か知っています。
1、2は、"Not doing, but being."という、ロルフィングの先生が教えてくれた言葉を思い出しました。「するのではなく、あるのである。」最初は、何を言っているのか全くわかりませんでしたが、今ならなんとなくわかるような気がします。「痛い、早く治してください」という人を前にすると、何かしてあげたくなります(doing)。けど、その人の存在と、自分の存在が、その場にただある状態(being)になると、深いレベルでの「癒やし」が自然に起こってきます。または、たくさん身体のことを勉強してくると、今触れている人が、生きた「存在(being)」ではなく、扱う「もの(doing)」になってしまいます。何かをする者ではなく、ただ媒介者としてあるということ。言葉では簡単に書きましたが、今でもまだまだ探求中です。
3、4、5は、これは日々のクライアントさんとのロルフィングセッションの中で、身体で学んできていることかなと思います。自分が「何を意図(intention)」しているのかで、得られる情報の種類、そして質が変わってきます。同じように触れていたとして、意識が変わるだけで、その人の身体に現れてくる反応は変わります。これは驚くほどに、はっきりと現れます。もしも、統合されていない、ランダムな意識で触れていたとしたら、得られる情報もランダムで、クライアントさんの反応も望むものではないと思います。
身体を総合的に、統合的に捉えて、内側から起こってくる反応を、中立な観察者として見守ろうとすると、自然に瞑想的な意識状態に入っていきます。よく「ロルフィングをして疲れませんか?」や、「人を触っていて、自分が何かもらうことはないですか?」と聞かれることがあるのですが、よいセッションを続けていると、自分も瞑想状態に入るので、時間の感覚がなくなったり、身体もとても楽です。もしも疲れたり、もらった感じがあるとしたら、それは中立を保てずに、自分の我欲でなんとかしてやろう(治そう)と思ってセッションをしていたということであって、瞑想状態でセッションが進んでいかなかったのだと、僕は理解しています。ロルファーである自分にとっても、受けてくださるクライアントさんにとってもよいセッションだった時には、その部屋全体がとてもいい「場」になっています。それがその日最後のセッションだったら、クライアントさんが帰った後も、しばらくその部屋に残り、そっと目を閉じます。それだけで自然にいい瞑想になります。僕の大好きな、そして大切な時間です。
僕は本を読むのが好きですが、それは確認作業の様なものでもあります。ロルフィングセッションですでに体験していたものが、本の中に発見されるときがあります。「あのときに起こっていたことは、こういうことだったのか」と、ふっとつながるような瞬間です。逆に、本の中で得られていた情報が、セッションの中でふと立ち上がることがあります。無意識の層に沈んでいたものが、人の身体という「小さな宇宙、小さな自然」に触れながら、それと交流していると、ぶわっと目の前に鮮やかに現れることがあります。そういう大小様々な洞察を得ながら、ロルファーとして、セラピストとして少しずつ成長していくのだと思います。
6は、ヨガスートラに出てきそうな言葉ですね。身体に携わる人なら、「他人の痛み」と置き換えてもいいかもしれません。どれだけ相手を思いやることができるのか。なかなか難しいことです。
7、8、9は、ロルフィングをしていなくても、日頃からそうでありたいなと考えていることです。僕の周りにも、これを高いレベルで実践されている方がたくさんいます。自分ではどれだけがんばっていたとしても、「上には上がいるな」と、いつも思い知らされます。身近にそういう人がいることは、とても大切なことだと思います。今の仕事場(とんがりビル)を選んだ理由も、そういった理由もあります。
「ロルフィングは、関係性のボディワーク」と言われることがあります。要素そのものよりも、要素間でどんな流れ、運動が起こっているかに注目しています。それは自然に、多視的な思考への転換を促されます。ものごとはそれ自体で善悪があるものではなく、何か他のものがあるから、それが善にもなるし、悪にもなります。絶対的なものはなく、ものごとは常に相対的だなと、特にロルフィングを学び始めてから思うようになりました。そういう思考になるので、簡単に何かを「言い切る」ことができなくなり、どうももぞもぞと話すような感じになってしまいます。「ロルフィングって身体にいいですか?」と聞かれることもありますが、聞かれる人に応じて、答え方も変わりますし、答えが出ずにもぞもぞすることも多いです。悪気があるわけでなく、いろいろなことを想像の射程に置くと、なかなかすぱっとは答えられないのです。
11は、山口先生が「これ、いいですよねぇ」と、笑顔で言われていました。僕も確かになと思いました。幸運にも、今までに本当にすごい人たちに会わせてもらってきました。その一部を他の人に話すと、「大友さんは、何をしてる人なんですか?笑」と言われたりするのですが、ジャンル、業界は関係なく、いろんな人に会いました。自分でも、自分は何をしてる人なのかわからなくなることがあるくらいです。でもそんな人たちは、「見た目はかなり普通」です。超一流と呼ばれる人たちほど、普通になっていくような気がします。そこが不思議なところです。どこに本当にすごい人がいるかわからないものです。そして、だからこそ、そういう人たちは「常に、どんな人に対しても」、丁寧にお話してくれるし、とても控えめな態度です。なぜなら、その人たちも、どこにまたさらにその人よりもすごい人が、普通の姿でいるかわかないからこそ、「常に、どんな人にでも」態度を変えないのだと思います。
長々と書きましたが、マズローが言っている、「自己超越者」の11の特徴を、今の自分に照らし合わせてみると、自分はまだまだだなと感じました。日々、ロルフィングで人の身体に触らせてもらっていますが、未だにわからないことだらけですし、うまくいかないことの方が多いです。簡単にうまくいってしまっていたら、もうとっくにこの仕事はしていないのだと思いますが、自分は天才ではありません。
ロルフィングの認定をブラジルで受けてから、もう5年が経ちました。その頃から、「人の身体というのは、生き物であって、常に変化をしているし、一瞬として同じことはない。そして、その身体は、小さな宇宙とも言えるし、小さな自然とも言える。僕たちはそんな大きな宇宙、自然の一部としてのいのちに触れていて、それはもっと大きないのちともつながっている。だからこそ、シンプルに触れるだけでも、とても深い反応が起こってくる。」というのを漠然と思っていましたが、今でもそれは変わりません。そんな身体に触れることで、本当にたくさんのことを学ばせてもらっています。言葉にはできませんが、それは自然からのギフトだと思っています。
さらにいろいろと試行錯誤をしながら5年経験して、ようやく1人前になれるかなと思いますが、これからも今回触れた11の項目を高いレベルで達成できるように(11だけは、もうすでに達成できているように思います。笑)、精進していきたいと思います。
みなさんと素敵なご縁がありますように。
Rolfing House festa
Yuta
( Posted at:2016年11月17日 )
先日、福島県の郡山で行われた「Rolf Movement ワークショップ:疲れにくい歩き -しっかりとした2つの軸をつくる」に参加してきました。
このWSは、東北の震災後に、「様々なストレスを受けた身体に、楽な呼吸と休息をする感覚が蘇ってくるように、ロルファーがサポートする」というテーマで始まったもので、今までに10回ほど開催されてきました。僕は今回で2回目の参加でした。
今回もロルファーの大先輩の田畑浩良さんがリードしてくださって、ワークショップは進んでいきました。上の写真は、田畑さんがデモセッションをしてくださっているところです。
歩く感覚、立っている感覚を受け手の方と確認して、マットの上に横になります。そして、田畑さんと受け手の方の双方にとって「居心地がいい」ところを探っていきます。田畑さんが足元にいるのか、頭の方にいるのか、右なのか、左なのか、立っているのか、しゃがんでいるのか、それを少しずつ変えながら、受け手の方の身体がどう変化するかを、問いかけながら確認します。
呼吸は身体の今の状況を表していて、田畑さんが移動するだけで、それが容易に変化します。みなさんも、誰かとお話しする時に、右に相手が座っているのか、左なのか、真正面なのかで、話しやすさ、呼吸のしやすさが変化すると思います。それを丁寧に探っていき、コミュニケーション(交流)していると、何かが自然に起こってきます。それは呼吸の変化であったり、痛かったところ、違和感があったところが変化したり、ある感情が浮かんできたり、身体が整ったり、感情が整理されたりします。でもそれは、起こそうとしたものではなく、あくまで自然なやりとりの中で起きてきたことです。
やはり人は、自然に癒えていく力があるんですね。
そういったシンプルな居心地のよさを確認して、少しずつ間合いを詰めて、田畑さんがそっと手を触れると、また身体がいろいろな反応を見せます。見た目はシンプルですが、受け手の方の身体に起こっている反応は深く、ダイナミックです。それは、受け手側のフィードバックの言葉を聞いているだけでもわかりました。ただ話す、伝えるような言葉から、詩的な、広がりのある言葉に変化していきました。
参加したロルファーは田畑さんも含めて5名です。それぞれにどこでロルフィングを学んだのか、誰に学んだのか、ロルファー歴は何年か、そして今、何を大切にし、何を問題意識として持っているのかは、違うのですが、同じロルファーですので、話がとても弾みます。
田畑さんのデモが始まる前に、ロルファーがそれぞれ「歩くこと」について考えていることをシェアして、そこからディスカッションをしたりしましたが、みなさんの考えの切り口こそ違うのように見えますが、同じようなところを見ていたり、とても楽しい時間でした。アメトークの「立ちトーク」ではないですが、なかなかロルファーが集まる機会もないので、それぞれが考えていることをわいわいと語り合い、それを聞いてもらうのもおもしろいかなと思いました。
デモセッションの後は、参加者同士で交換ワークをしてみました。僕は一般の方とペアを組ませていただきました。僕がロルファーなので、最初にワークをする側をしましたが、受け手の方が、とても素直に的確に身体の中で起きていることをフィードバックしてくれたのは、とても驚きました。なかなか自分の身体の中の感覚を、素直に言葉にするのは難しいものです。これは多分、田畑さんがみんなの前で見せてくれたデモのおかげかなと思います。
デモの中で、田畑さんと受け手の方は、身体の内側で起きていることの中で、認知できたことをとても繊細な言葉にして、やりとりをされていました。僕たちはその場所で、ただそれを見守っていただけですが、それに一緒に参加しているような感じになり、自分の身体を感じ、それを細やかな言葉にしていたのだと思います。デモを見ながら、僕たち参加者もワークされていたのかもしれません。
次は僕が受けてみたのですが、まるでロルファーにセッションをされているかのように、身体に様々な反応が起きて、セッション後はとてもすっきりと身体が整いました。参加者の方に、「大友さん、子どもみたいな顔になりましたね」と言われるほどでした。
人が、その人自身の身体の変化に対してオープンで、そこで起こる反応を静かに見守り、そしてそれを認知して言葉にできる。そして可能であれば、その言葉はその人自身の身体から出てきた言葉で、細やかで、しなやかで、流れるようであるのなら、もうその人は、「人に触れる用意」があるのだろうなと思います。簡単に言うと、特に身体を触る仕事をしていなくても、その人が自分の身体をきちんと感じることができて、それを言葉で表現できていたら、人に触れたとしても、何かが起きるかもしれない、ということです。
最後に、僕が子どもみたいな顔をして写っている写真です。
次回は春頃の開催の予定です。またこのブログでもお知らせできたらと思います。コーディネータの小林さん、大先輩の田畑さん、ロルファー仲間のみなさん、そして参加していただいたみなさん、貴重な時間をありがとうございました。
Yuta
( Posted at:2016年11月15日 )
東京には知り合いが何人かいて、僕のしているロルフィングに興味を持ってくれる人もいます。久しぶりに会ったときなど、僕がなかなかうまくロルフィングを説明できないので、「今度、東京に来るときにロルフィングするよ。山形来るときがあったらそのときでもいいよ。」と、なんとも現実味のないことを言ったりしていました。
もうすぐ、ロルフィングの認定をブラジルで受けてから、丸5年が経ちます。ようやく、クラスで先生が言っていた概念(コンセプト)が、手の中で感じられるようになったり、目の前に見えてくるようになったり、自分のからだを通してのロルフィングの理解が、少しずつ深くなっている手応えがあります。もともとはアスリートにトレーニングを教える仕事をしていたので、そういったこともうまくまとまってきて、少しだけ「からだという自然」に対しての、見通しがよくなった気もします。
そうとはいえ、見通しがよくなった分、全然わかっていなかったところ、手が届いていなかったところも見えてくるもので、なんだか自分ではいろいろと一生懸命やってきたつもりですが、その雑然さ、未熟さに恥ずかしくもなります。ある職人さんの世界では、10年やって1人前のような言葉もあるみたいですが、人のからだに携わらせてもらうと、つくづくそれを感じます。人のからだというものは、実に奥深いものです。
そんなまだまだ半人前の僕ですが、これから定期的に東京で出張ロルフィングをしていこうと思います。神戸で3年、山形で2年やって学んだきたことを、受けてくださる方にお返しできたらうれしいです。場所などはちょこちょこと変わってしまうかもしれませんが、いずれ落ち着く場所を探していこうと考えています。
下に案内を載せますので、興味のある方はどうぞ気軽にご連絡ください。
【日時】2016年12月9日(金)- 11日(日)
【予約時間】9:00 - 19:00 の間で予約できます。
ご希望の時間を教えてください。
・時間には、説明、問診、着替えの時間も含まれます。
・待合室はありませんので、予約時間にお越し下さい。
【場所】東急田園都市線 桜新町駅 徒歩10分程度
※住所の詳細は予約された方にお伝えします。
【料金】13,000円
【服装】襟付きのシャツ、伸びないジーンズ、スカートなどは避け、
身体を締め付けない楽な服装
【申し込み/問い合わせ】
電話:090-2954-8207
自分にとっては新たな挑戦となりますが、それが自分のボディワーカー、ロルファーとしての可能性を開き、そしてそれによって僕のロルフィングを受けてくださる方にうまく還元できたら、これ以上うれしいことはありません。
東京でのロルフィングをすごく楽しみにしています。
Yuta
( Posted at:2016年11月11日 )
前の10件
|8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18 |
次の10件