ロルフィングハウス フェスタ FESTA

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ロルフィングの認定を受けて、9年が経ちました。

気づいたらうっかり過ぎてしまっていましたが、今年の11月末で、ブラジルで「認定ロルファー™」になってから「9年」の時間が経ちました。

なんだか「ついこの前」のようにも思うし、「もう随分と長い時間が経過した」ようにも感じて、不思議な気持ちです。



胸を踊らせながらコロラド州ボルダーで、「ロルフィング」のトレーニングを始めたのが、2010年でした。1年ほどの時間でしたが、ボルダーというとても美しい街に暮らして、たくさんのことを経験しました。

そしてその翌年には、東北で大きな震災がありました。

僕はその当時、カリフォルニアの海辺の街に滞在して、「ソースポイントセラピー(SourcePoint Therapy)」というエネルギーワークの基礎モジュールを受講していました。

その前までは、無事にロルファーになったら、できることなら「海外でロルフィングを仕事にしたい」と考えていたのですが、生まれ育った東北が被災して、見たことがある景色が失われてしまったことで、「僕そのもの」も大きく揺さぶられたような感覚がありました。

そこでハッと目を覚ますような感じになり、「日本に帰ろう」と考え直したのです。

ブラジルでの最終トレーニングを終えて、日本に帰った時のことは今でも覚えていて、目に見えるものだけでなく、感覚することすべてが「鮮やか」だったブラジルに対して、見慣れた日本が「色彩を失った」ように感じていた期間もありました。

そこから、日々の生活の中で、その感覚が「馴染んでくる」までには少し時間がかかりましたが、自分のお店を始める場所を「神戸」に決めて、「Rolfing House festa」をオープンすることにしました。

そして、それと同時に奥さんと結婚もしました。

とにかく勢いで始めたfestaでしたが、思いの外順調に進み、多くの人が訪れてくれました。すごく恵まれていたなと思います。

3年神戸でお店をしたところで、「子どもを授かる」ことができたので、夫婦二人が生まれ育った東北に帰って、そこでロルフィングをしていくことにしました。

神戸とは対象的に、山形ではなかなかロルフィングは広がることは簡単ではなく、苦しい時期もありました。

でも、そんな環境の中でロルフィングをしていると、自分の技術に「幅」というか「奥行き」が出てきたようにも思います。

ロルファーになるきっかけになった「佐藤 博紀さん(ヒロさん)」には、事あるごとにアドバイスをもらったり、セミナーなどで直接教えてもらこともありましたし、自分で興味のあるボディワークの勉強会、ワークショップに参加したり、日々の山形での暮らし、子どもを育てることを通して、少しずつロルファーとしても「成長」していけたのかなと思います。




少し前になりますが、「思ったより」もクライアントさんのフィードバックがよくないことが続くことがありました。

「停滞」という感じかわかりませんが、どんなことを試しても、なかなかいいセッションにならないのです。

だいぶ、技術的にも自信がついてきて、どんな場所でも、どんなクライアントさんにも、満足してもらえるセッションを提供できるようになってきたと思っていたのですが、なぜかうまくいきません。

けど、「思ったより」というのがポイントで、経験も多くなってきて、できることも多くなってくると、「自分がこうなってほしいと思っていること」を、無意識に、クライアントさんの身体の中に「投影」していることに気づきました。

さらには、クライアントさんの状態は、人によっても本当に様々ですし、その人の中でも「天気」のように変化します。

セッションの中では、僕が相手の身体に「触れる」ことを通して、受け手の人に「情報(刺激)を与える」ということをしています。

そしてそれに、受け手の人の身体が「反応」してくれるおかげで、セッションが進んでいくのです。

その「与える情報」には、「一度のセッションで受け取れる容量(キャパシティ)」があって、それを「超えてしまう」と、受け手の人の身体は「ネガティブな反応」を示したりします。

僕がロルファーとして成長して、少し「欲」が出てきて、「もっと受け取って欲しい」と願うようになり、「キャパ以上のもの」を与えようとしていたということにも気づきました。

こんな風に、もうすぐ「10年やって一人前」くらいの年月になるのですが、まだまだうまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。

そしてそれは、「生きている身体」を相手にしているからで、「これでもう大丈夫、すべてわかった」ということは、今後も起こり得ないということなんだと思います。

「フィードバックがよくない」と書きましたが、「クレームが出る」ほどのものすごく悪いわけではなく、僅かなものではあるのですが、そこにこだわって、10年目もやっていきたいと思います。


「これからは、ベッドの上のクライアントさんが、あなたたちの先生よ」


9年前のブラジルで、ロルフィングの先生が教えてくれた言葉です。

本当にそうだなと思います。

これからも必要な人にロルフィングが届くように、自分の能力が多くの人の助けになるように、謙虚にがんばっていきたいと思います。

山形は今年は雪が多そうです。

いろいろあった1年ですが、みなさんにとって少しでも笑顔の多い年末年始になりますように。

これからもよろしくお願いします。






Yuta

( Posted at:2020年12月31日 )