今日、蔵王の山道を運転していたら、
イタチが道を横切りました。
さして急ぐ様子もなく、てくてくと歩いていました。
道の脇まで歩くと、イタチの道を、
どこかに向けて歩いていきました。
イタチの毛は、毛皮が歩いているかのようにふさふさしていました。
そういえば昨日、奥さんの実家にいた時に、
動物図鑑がありました。
とても楽しい本で、ふむふむと読んでいました。
特におもしろかったのが「イタチ」のなかまのページでした。
なので、さっきのイタチが現れた時には、
「おお、昨日はどうも」と思ったのでした。
頭では、イタチのなかまがたくさんいるんだなということ、
イタチがどんなものを食べて、どれくらいの大きさをしているのか、
わかったつもりになっていましたが、
実際に会った時の、「おお」という感動というか驚きは、
からだをずしんとざわざわゆさぶります。
当たり前なのですが、山形は山に囲まれています。
その山にはいろんな動物たちが生活しています。
今日会ったイタチももちろん、クマも、ウサギもいます。
今も、何かを食べたり、じゃれあって遊んだり、
寝ていたり、それぞれの生活をしているんだと思います。
それは一体どんなものなんでしょう。
気になります。
さて、僕らの身の回りにも誰かが住んでいます。
今日も何かして生活しています。
今はマンションに住んでいますが、隣には誰かが住んでいるし、
下の階にも、上の階にも、隣のマンションにも誰かが生活しています。
けど、それを気にせず、隣の人がどんな人かも知らず、
そして、そこに誰かがいることさえ忘れている時もあります。
これが前に住んでいた神戸だったら、もっとそうだろうし、
東京には住んだことがないですが、東京はもっともっとそうでしょう。
隣に誰かが、その人の人生を生きていることを忘れて、
自分の中にだけ生きている。
山形にいると、山を近くに感じますし、
山に住んでる人もいます。
昔なら、山に住む、お隣さんである動物たちは、
もっともっと身近だったろうし、
気配もつねに感じていたんだろうと思います。
動物の存在を忘れて生活している人なんていなかったでしょう。
人間は山を離れ、今日も頭をせっせせっせと働かせ、
お隣さんのことなど忘れて、自分の世界の中に生きている。
図鑑にはそんなこと書いていませんでしたが、
イタチになんだかそんなことを教えてもらった気分です。
Yuta