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歯もしっかり、意思もしっかり。

息子の歯がだいぶ生えてきました。

もう1歳半です。

生えてきたばかりの歯はとてもきれいです。

輝きが違います。

白は白でも、透き通った白をしています。

本当にきれいです。

きれいな見た目ばかりではなく、

その歯を使って、もぐもぐ、むしゃむしゃと

何でもたくさん食べます。

おかげで、身長も体重も平均以上です。

(見た目はシュッとしてます。)


そういえば最近、

意思表示がとてもしっかりとしてきました。

してほしいことを、はっきりと伝えようとしますし、

自分の意に反すると、泣いて暴れまわります。

指で何かを指し示し、「んっ」と言うのですが、

指し示す方向や、強さ、

指し示すタイミングと、文脈、

そして、声の質感、目線、からだの動きなんかも加味して、

なんとか彼の「言わんとするところ」を、

総合的に、想像的に読み取ろうとするのですが、

いかんせん限られた情報なので、

こちらの判断の質も下がります。

そして判断を誤ってしまうと、

全身を使って「違う」と怒られてしまいます。

(こちらも結構目一杯がんばってはいます。)


僕はこの、「歯が生えそろってきた」ということと、

「意思表示がはっきりしてきた」ということが、

とても関連のあることのように思います。


人は歯を使って、食べものを「噛みくだき」ます。

それは、口の中に入れたものを、

細かく小さく「分けていく」行為です。


一方、意思というものは、

「それ」と「それとは違うもの」に、

「分けていく」のが前提になります。

箸とスプーンとを、区別できているからこそ、

「スプーンを使いたい」と意思表示できます。


僕の好きな哲学者の鷲田清一さんが、

どこかの本にこんなことを書いていました。


「ぼくらはしじゅう世界を二つに分け、

 そして分けられたものの一方を選びとりながら生きている」


これは、意思というもののはたらきを、

的確に捉えたものだなと思います。


分けれないと、分かりません。


そして分けて、そのどちらかを選びとりながら、

僕たちは生活しています。


口に入れたものを、細かく小さく分けて、

そして、自分に取り入れて吸収するものと、

必要ないので排出するものとに分けることを繰り返しながら、

僕らは小さな赤ん坊から、ここまで大きくなってこれました。


僕の息子は、強くて丈夫な歯を手に入れて、

今ではいろんなものを食べられるようになりました。


そして、僕らも驚くほどの強くはっきりとした意思という

道具を手に入れて、遊びに幅が広がりました。


この2つの道具を手にした息子が、

どんな風に自分の世界を広げていくのか、

これからも楽しく見守っていきたいなと思います。




Yuta

( Posted at:2016年2月27日 )