僕がロルフィングでしていることは、
「症状の改善」ではなくて、
「背景の改善」なのだと思います。
これは、自然で言うところの「土の改善」になります。
いくら良い種を植えても、土が良くなくては、
喜ぶべき収穫は迎えられないでしょう。
木が枯れていたとしたら、木も調べますが、
その土をよく見ます。
では、その土は何で決まるのか。
周りにどんな木が生えていて、それが落ち葉になるのか。
どんな川が流れていて、それはどんな山から始まっているのか。
その山に降る雨は、どこから来たのか。
植物は、土に生えます。
その土は、さまざまなものの影響を受けます。
人のからだに現れる「症状」は、
それがはっきりと確認できる頃には、
その土壌である「からだ」の状態は、
かなり悪い状態にあります。
症状として認識できる前には、
「兆し」があったはずです。
現れた症状を、いくらいじろうとしても、
それは土壌から生まれてきたものですから、
土壌が変わらなければ、意味がありません。
からだという土壌は、さまざまなものの影響を受けます。
そして、土壌が変わるには「時間」がかかるのです。
今まで生えていた在来種の植物が、
最近は見かけなくなっている。
それは、土が変わってしまったからだと言う。
でもそんな状況が、すぐに改善するとは思えません。
そうなるには、かなりの時間がかかったはずです。
そして土が改善するのは、そんなに簡単なことではなく、
そして、手のかかることで、時間もかかります。
ロルフィングは、その土に目線を置いていて、
そして、それを変化させることのできる、
稀有なボディワークだと思います。
土、そしてからだに深く触れていると、
手は変化していきます。
僕の知っている素晴らしいロルファーさんたちの手は、
僕の祖父や、父のように、
長い時間、土に触れてきた人のような、
なんともあたたかみのある、深い手をしています。
自分の手を見つめてみると、
土に触れることはできても、
土を触れるにふさわしいものでは、まだありません。
まだまだ自分にも、たくさんの時間が必要なようです。
Yuta