先日、知り合いのうえむらかなさんのセッションを受けてきました。
かなさんはタイ古式マッサージをベースにしながら、
セッションをなさっています。
出会いは、数年前、
僕の先輩ロルファーのヒロさんのブログでした。
ブログをいつものように見ていると、
「ポラリティセラピー」という言葉が目に留まりました。
その当時は聞いたこともないボディワークだったので、
Googleで調べたりしましたが、
「ふーん、こんなのもあるんだ」くらいにしか思いませんでした。
そのブログの中に、そのポラリティをなさっている、
かなさんのことが紹介してあるリンクがありました。
それが、僕とかなさんとの最初の出会いです。
すぐにリンク先のブログを読み、
「きれいで穏やかな文章を書かれる方だな」と思いました。
でも、その文章の中に、不思議と芯の強さも感じて、
そのブログをブックマークして、ちょこちょこ見るようになりました。
かなさんがセッションの中でイメージしていることや、
セッションで起きたことなどが書かれてありましたが、
ボディワークの参考書のように読んだことを覚えています。
ある日、ふと下の文章に出会いました。
「そこから自分の内面と体のことに取り組みながら、
いろんな人たちの助けをかりて、自分を癒して、
気がつけば、私もセラピストになっていた。」
それまでは、自分の身体にも、心にも、
そんなに大きな問題があるとは思わなかったし、
ロルフィングを勉強しようと思ったのも、
自分を癒したり、問題を解決するためではなく、
「トレーナーとしての武器になればいいな」
という、自分の内側に問いかけていくというよりかは、
自分の外側に付け足すためのものでした。
けど、この文章に出会ってからは、
「俺にも解決していけなきゃいけない問題があるのかもな」
と思うようになりました。
それから、自分の奥を掘っていくようになりました。
「自分と向き合う」とはよく言いますが、
到底、それは笑顔でできるようなものではなく、
ときには、大事に今まで自分で見ないように隠してきたものを、
時間をかけてゆっくりと、隅から隅まで見るような、
なんとも言えない深い痛みを伴うものです。
それは、村上春樹さんが言うように、
ある種のドアを開けて、暗い地下室に入っていって、
そしてまた戻ってくるような体験でした。
ときには、「僕はこの暗闇から帰れるのかな」
と思ったこともあります。
けど、どこまでが底かわからない地面を掘っていくような作業を、
根気を入れて、丁寧に続けていくことで、
僕は気づいたらロルファーになっていました。
もしもあの時に、かなさんの文章に触れていなければ、
僕は技術論としてのロルフィングをしていたと思います。
そんなかなさんと、実際にお会いしたのは、
2ヶ月ほど前のかなさんが講師をした勉強会でした。
「ようやく会うのだな」と、何だか不思議な気分でした。
でも、かなさんは、ブログで見ていたかなさんのそのままでした。
それほどまでに文章に自分が乗る人なんだなと感心しました。
勉強会後すぐに、セッションの予約をしました。
セッションスペースは大阪の中崎町にあって、
古民家の2階でされています。
場の雰囲気が、僕がBoulderでポラリティを受けていた、
Johnのセッションルームに近くて、
静かで、内側に入っていきやすい感じでした。
セッションの内容のことは細かくは書きませんが、
フィジカル的な変化として、
背骨が伸びて、しっかりと重力のライン上に乗って、
エネルギー的な変化として、
どこにも滞りがなく巡っている感じがあり、
周りの空気と自分とが溶け合っているようでした。
さらに、かなさんはシータヒーリングもするので、
シャーマニックなメッセージをいくつかもらいました。
すごく印象的だったことは、僕の起きたこと、そのものではなくて、
その起こり方が、すごく多音的だったことです。
日本で受けるボディワークの多くは、
単音的な結果しか起こらないことが多く、
痛みに対しての治療なら、痛みは取れるけど、姿勢はそのままで、
姿勢に対してのエクササイズなら、姿勢は変わるけど、動きは変わらず、
心理学的なカウンセリングをしたら、気持ちは楽になるけど、
身体は置いてけぼりだったりします。
例え、いくつか混ざっているとしても、
混ぜること自体で考えることが止まっている人が多く、
その混ざり具合まで気にかける人はほとんどいません。
どこか、ちぐはぐしているような、取ってつけたような感じがします。
けど、かなさんのセッションは、
タイ古式マッサージをベースにしながら、
そこにいろいろなワークが、シームレスに重なり合っていて、
変化も、様々な層で起こります。
同時並列的に、いろいろなことが起きたので、
セッション後にも変化は続いていて、
いまだにいろいろと発見があります。
「ああ、久しぶりだ、こんな感じ」と、うれしくなりました。
自分を担保にして、様々なものを統合していく。
それは、アイダ・ロルフがロルフィングを作りあげていった
過程の中に見えるものです。
僕はこれからどんな経験をして、
それらが混ざり合い、互いに響き合い、反応し、
そしてどんなカタチとなって表れるのか。
明日からどんなロルフィングができるのか、
とても楽しみになりました。
かなさん、ありがとうございました。
Yuta