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来るべき未来のための、これからのボディワーク。

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映画のような未来の食事

最近、「完全食:ソイレントの夢」という記事を読みました。

内容はここでは詳しくは書きませんが、とても興味深い内容で、みなさんにも一度読んでいただいて、いろいろとディスカッションしてみたいなと思うようなものでした。

簡単に書くと、アメリカの若いエンジニアのラインハートという人が、仕事もお金もなくて、日本で言う「コンビニ弁当」でなんとか食いつないでいたところ、ついに身体に異常が出てきてしまいました。

『食べ物をエンジニアリング的な視点で考えるようになっていった。「必要なのはアミノ酸で、牛乳そのものではありません。炭水化物は大事ですが、パンは不要です」と彼は言う。』(記事中より引用)

そうラインハートさんは考え、人間の身体が生きていくために必要な栄養を調べ、それを満たすように化学成分を合成して、「完全食」というものを作り出したのです。

それが「ソイレント」というもので、白い粉末を水に溶かして飲みます。それだけを摂取して生活し、基本的には「食事は要らない」という考えなのです。

『将来の食事は「効用や機能のための食事と、体験や社交のための食事のふたつに分かれていくだろう」と予想する。』(記事中より引用)

「白い粉を溶かしたものが食事?そんなのありえない!」という気持ちもわかりますが、上の引用した文章はとても鋭い視点だなと思います。

物は試しと思い、僕も「日本版ソイレント」と呼ばれている「COMP(コンプ)」を、朝食と昼食にだけ置き換えて実験しているところです。(もしも何か共有したい発見があれば、そのことも後々書いていきたいと思っています。)

僕個人としては、わりと遠くない未来に、ウェアラブルデバイスなどによって計測された、その人の心拍数、血圧、血糖値などの数値から、睡眠の質、自律神経のバランス、病気の兆候など、健康状態を随時モニターして、それをスマホのアプリで管理できるようになって、それがアプリ内で登録されている病院にも共有され、何か異常が出るとすぐに自動的に病院側に連絡されるようになるという時代になっていくと考えています。

さらに、今回のソイレントのような完全食の臨床データがもう少し集まってくると、自分の健康状態の管理するアプリによって、「今日のあなたの朝食」というメニュー(処方)が出てきて、それを自動販売機ではなく、「エナジーステーション」という名の機械にスマホをかざすと、ドリンク(またはグミかカロリーメイトの様なもの)が出てきて、それで朝食を済ませるという感じにもなるのではないかなとも予想しています。

さらには、「メチレーション検査」なども登場してきていますが、遺伝子レベルでその人の「代謝」の状態を調べ、「何を食べるべきなのか(その人個人に合った食事)」がドンピシャで出てくるようにもなると思います。

「何を食べないべきなのか」は、「アレルギー検査」などで調べられるようになり、最近では、かなり一般的にはなってきていますが、「僕は体育会系で、肉食系だから、肉食べないとやってられないんですよね」という人や、「肉ばっかり食べてるからダメなんだよ。日本人は昔から玄米と味噌汁を食べて暮らしてきたんだから、玄米菜食が一番」という人であっても、実は自分の体質に合っていないものを食べている場合が、かなり多いのではないかなと僕は感じています。

なぜならそれは、少しばかり「思想(スタイル、キャラ)」という「バイアス」も入っていて、必ずしも本当にその人の身体が求めているものとは違うこともあります。それを「客観的」に、そして「手軽、安価」で調べられるようにもなってくるでしょう。

少し、ソイレントや食事の話ばかりになってしまったので、この記事を読んで、僕らのボディワーク業界にも今後何が起こってくるのかを考えてみようと思います。


優秀なアプリケーションの登場

現在のトレーナー、ボディワークの業界の潮流は、PRI(Postural Restoration Institute)であったり、DNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization)や、FMS(Functional Movement Systems)などに代表とされる「外来」のもので、ものすごく単純に言うと、「独自の評価システムに基づいて評価をして、それに対してエクササイズや手技を処方する」というようなものです。

僕のロルフィングの先輩である佐藤博紀さんも、IMAC(Integrative Movement Assessment Courses)という方法を考え出して、シンプルに全身の可動域をチェックして、身体の構造の中で問題のあるエリアを導き出して、そこから特定の方向に抵抗をかけて、それに対して筋が反応できるかどうかを調べることで、「どの筋に問題があるか」までを判別していくことができます。

これらで共通していることは、アプリケーションが「とても優秀」で、「シンプルに」誰でも扱えるものなんだけど、「効果」がすぐに出やすく、「個人の能力はそれほど必要ない(個人の能力に依存しない)」ということです。

以前は、一人一人全く違う人間の身体を、「適切に評価して、必要なことをする」ということであったり、「どの筋に問題があるか」などは、解剖学、生理学などの身体の基礎的な知識の膨大さはもちろん、最新の論文、情報も丁寧にフォローしていて、頭でっかちではなく、実際の臨床のレベルも、自分のしているやり方だけでなく、様々なテクニックにも精通しているような「特に秀でた人(いわゆる、その道の天才たち)」が、できることだったのですが、こういった素晴らしい「システム」が開発されてきたことによって、「誰でも、簡単に」できるようになってきているのが現代です。

それはまるで、以前は「自分の知りたい特定の情報に、素早く、効率的にアクセスする」ということが、「一部のコンピュータオタク(ギーク)」だけの「専売特許」だったのが、「スティーブ・ジョブズ」の「iPhone」の登場によって世界ががらりと変わり、誰でもその恩恵に預かれるようになっている状況に似ています。

例えば、「山の天気がこれからどうなるか」は、何年も何年もその山を登り続けてきた「山の達人」が、「もう少ししたら雨が降るよ」と、まるで「予言」のように言い当てていたことが、「山ガール」であっても、スマホをちょちょいと操作すると、かなりの確立で「天気を予想」することができます。

今や「特定の技術は人間から分離され、アプリケーション(システム)になる」ということが、いろいろな分野で起きてきていて、それが身体に携わるトレーナー、ボディワークの業界にも起こってきています。

このことを僕は個人的に、「ボディワークのアプリケーション化」と呼んでいます。

これからどんどんこの傾向は進んでいって、ボディワークを「エンジニアリング的」に考え、それによってどんどん優れた「アプリケーション」ができてくると思います。

今はボディワーカーでありながら、エンジニアリング的な発想もできる人が、この「アプリケーション化」を推し進めていますが(佐藤博紀さんなどはまさにそうだと思います)、そのうちに「優秀で、純粋なエンジニア(つまり、身体の知識は皆無)」に協力してもらって、さらに優秀なアプリケーションが生まれてくることでしょう。

実際に今、海外で出てきてる最先端の医療機器などの分野では、「身体の専門家たち」がアイディア(ソフト)を出して、それを宇宙船などを作れるバリバリのエンジニアによって機械(ハード)が作られているという例が出てきています。それらは大学などの最先端の研究室から出てきているわけではなく、現場のアンテナを張ってるボディワーカーと、優秀なエンジニアの組み合わせによって誕生してきているのがポイントです。


ボディワークのコンピュータの誕生

ボディワークの中に、「ボディートーク」という方法論があるのですが、それは西洋医学の功績である、解剖、生理学などの身体の詳細な情報であったり、それに基づく現代医療の治療法はもちろん、東洋医学の鍼灸の経絡であったり、ヨガなどのチャクラであったり、プラーナだったり、さらには古今東西のエナジーワーク、スピリチュアルワークまで、「身体に関わるものすべて」を集めてきて、それらの「横の関連」を「紐付け(プログラミング)」していって、「チャート(パソコンの基盤のようなもの)」を作り出しました。

それを実際のクライアントさんの身体に、そのチャートにそって「質問」していきます。具体的には、身体が「抵抗するかどうか」という「バイオフィードバック」を拾っていくのですが、身体が抵抗すれば「ノー」、抵抗しなければ「イエス」という感じで、身体に関わる複雑で広大な情報を、質問をすることによって、「0か1かのデジタル情報(デジタル化)」にしていきます。

そうやって、チャートを元にしながら、その人の身体の情報を0か1に振り分けていくと、その人の身体の「現在の症状の原因」が導き出され、「それに対してすべきこと」まで教えてくれます。

僕はボディートークを学んではいませんが、そのアイディアを聞いた時に、「ボディワークのコンピュータの誕生」だと感じました。

(補足:実際の「コンピュータ」は、「この世の中にあるすべての情報を数式で記述する」という「こころみ」の中から誕生してきたものです。)

現在は、西洋医学は西洋医学の中でどんどん「細分化」され、その細かな分野を「縦方向」にどんどん掘り進めてはいっていますが、それぞれがどういう風に関連し合っているのかという、「横方向への関連付け」はあまり十分にはされてはいません。

ましてや、西洋医学と東洋医学とをつなぐ作業であったり、東洋医学や代替療法と呼ばれる業界の中でさえ、それぞれが縦に掘り進めることはあっても、なかなか横のつながりを実現することはとても困難なことでした。

それを、ボディートークを始めた「ジョン・ヴェルトハイム」さんは、今はなきスティーブ・ジョブズさんが、電話、メール、音楽、インターネット、地図、天気、辞書と、今まではバラバラだったものを「紐付け(プログラミング)」して、それぞれが関連し合いながら、スムーズに動くようにしたように「設計(デザイン)」したように、様々なボディワークを「統合」したところに、素晴らしい功績があるなと、個人的に思っています。

ボディートークは、もちろん専門的なトレーニングが必要ですが、「誰でも、簡単に」、高度な療法を行うことが可能になります。

それは、ジョン・ヴェルトハイムさんの身体に関する情報の範囲と量、それらをつなぐ実際的なアイディアと、最終的にはそれを誰でも簡単に扱えるようにしたセンスによるものだなと思います。

こういったように、今まで先人たちが「縦に掘り進めてきたもの」が、どんどん「紐付け」られてきて、手軽なんだけど、かなり高機能な「アプリケーション」として、誰でも利用できるようになることでしょう。


自分というiPhoneに、どんなアプリをインストールするか

この流れはもう止まりようがなく、この流れに「自然に乗れる人」と、「なんとなく嫌悪感を感じ、距離を取る人」とに分かれていくのではないかと、僕は予想しています。

極端な話をすると、これからのトレーナーやボディワーカーは、解剖学や生理学などの専門的な知識をそんなに知らなくても、アプリケーションの通りに身体を見て、それが示す処方をしてあげると、それだけで「結果を出せる」ようになってくるのです。

自分という『デバイス(iPhoneみたいなもの)』に、どんな『アプリケーション』を『インストール』するのか」が、そこでは重要になります。

実際にみなさんの周りにも、新しいアプリが出る度に、自分のiPhoneにどんどんインストールしていって、何の専門家でもないのに、「いろいろなことが、まるで専門家のようにできる人」というのがいると思います。(いわゆる「ガジェット好き」と言われているかもしれません。)

写真をぼかして撮ったり、それに色を付けて加工したりするのは、今では子どもですらできる時代ですが、フィルムカメラで写真を撮って、それを暗室で現像することの手間と労力を知っている人からすると、すごい時代が来たと思っていることでしょう。

そういうようなトレーナー、ボディワーカーがこれから増えてくる時代になると思いますが、自分のFacebookのタイムラインを見ていると、最新の「ボディワークのアプリケーション」を、どんどんインストールしていって、実際のセッションで「成果を上げている」人が、すでにかなり多くなってきていると感じます。

僕はそのことを「否定」はしているわけではなく、むしろ「歓迎」しています。

どんどん若い世代の人たち(正確には、どんどん出てくるアプリケーションの波に「自然に乗れる人」たち)が、僕らや僕らの上の世代の方々が、「苦労して身につけてきたこと」を、パッとすぐにできるような時代になってきて、どんどん活躍してくれればいいなと素直に思っています。

先に書きましたが、「いや、そういうのはあってはいけない。人様の身体に関わらせていただく専門家なのだから、そんなチャラチャラしていてはだめだ。地道に勉強し、真摯に身体に向き合っていかなければいけない」と、「なんとなく嫌悪感を感じ、距離を取る人」もいるのも十分に承知しています。そして僕は、それもそれで「否定」はしていなくて、それでいいと思います。

ただ「二極化が進んでいく」ということで、どっちがいいということが言いたいわけではありません。

このような考えは、「落合陽一」さんという人の、『2017年へ:「幼年期は終わる。今こそバベルの塔を建てよう」(前編)』を読ませてもらって、なるほどなと思ったことを、トレーナー、ボディワーク界にも置き換えて書かせてもらっています。その記事もとても刺激的なので、ぜひお時間ある時に読んでみてください。

大事なポイントとしては、「結果を出す」のを最優先事項とすると、「優秀なアプリケーションを選んだり、扱ったりするセンス(例:どの天気アプリを選ぶか、そしての機能を十分に引き出すように操作できるか)」の方が、「実際に身体を見たり、触ったりする能力(例:いろんな山に何年も何年も登り続けて、時間をかけて、その「勘」を養う)」よりも「効率的」になってくることもあるということです。

そして、だからと言って、クライアントさんが求めることは「結果を出す」ことのみ、というわけでもないので、そうなると「実地で鍛え上げた腕と嗅覚と勘」のようなものの方が、大切になってくることも明らかです。

そのことを、次の章で書いていきたいと思います。


身体に関わる仕事のこれから

「ボディワークのアプリケーション化」がこれから進んでいって、それに「親和性が高い」グループと、「嫌悪感を感じ、距離を取る」グループに分かれていくことは、すでに書いたとおりなのですが、その人たちが「提供するもの」も二極化していくのではないかという話を、最後にしたいと思います。

◯脱個人、脱場所、アプリケーション
・とにかく、目的、効果がありき(治ればいい、痩せればいい)
・誰にしてもらおうと、どこでしようが関係ない
・いかに短期間で終わるかが重要
・目的、効果に応じて料金は上がるが、安価でも提供可
・業界のいろいろなものが混ざるが、あくまで「並べ替え」

◯個人が際立つ、場の存在、そこでだけできる経験
・全人的なアプローチ、高尚で、高次な体験が大切
・その人にしてもらうこと、その素晴らしい場にいることが大事
・そこでしかできない、個人的な体験
・プレミアムな値段設定
・業界がシームレスに「溶け合い」、「統合」されている
 それか、あえて一本(例えば、鍼灸のみなど)でいく

まず最初の方ですが、こちらは「脱個人」であるので、「個人の能力」は関係がなく、「アプリケーション」の機能が優れているかどうかが大事になってきます。

店舗を出すとしたら、「うちはこんなアプリケーションをインストールしています」というのが売りになってきますし、もしも個人で活動するトレーナーだとしたら、実際的な手技のテクニックや、エクササイズ指導の上手さという「個人の能力」ではなく、「どんなアプリケーションを選ぶかどうかのセンス」であったり、その「アプリケーションの操作技術」そのものが大事です。(いくら「アプリケーション」自体が優秀だとしても、それを「使いこなせる」ことができなければ意味がありません。)

場所はどこでもよく、駅に近かったり、自宅でできたり、なるべく「移動のコスト」もかけず、「金銭的コスト」もかけずに、「目的、効果にコミットする」というのが重要です。

「目的、効果」がはっきりしているので、「なるべく短期間で」という「効率化」も大切になります。

都内の駅近くのマンションの一室で、座り心地のいいソファにゆったりと座り、耳にはつけ心地のいいヘッドホンを付けて、ヒマラヤの奥地で修行している聖人のマントラであったり、川の流れや海の波の音のような自然音であったり、その人のチャクラのどこに滞りがあるかどうかもアプリでわかっているので、それに応じた音、周波数が流れてきます。

鼻には吸引ノズルが付けられ、匂いもアプリから割り出されたアロマの香りが出てきて、最高のリラックス状態がそこにはセッティングされます。

その状態で、トレーニングされたスタッフが、ボディワークのアプリケーションのいずれかを手際よく実施して、身体が構造的にも整えられます。

最後にその時に必要なサプリを摂取して終了します。

これは「身体のリセット」コースをイメージして書きましたが、これが「痛みの除去」が目的であれば、それは病院で違った形で行われるかもしれませんが、そこはそんなに大きな違いはないと思います。

そして、レビューが書かれ、それぞれのお店、人は星の数で評価されるような感じになると思います。

その一方では、高野山で世界的にも有名な僧侶を招いての瞑想リトリートが開かれます。

昔から脈々と受け継がれてきた、修行の地として「場の力」を感じながら、集団瞑想で魂が浄化されたような、高次な体験をします。

食事は全国から集められたオーガニック食材を使って、然るべきシェフが、最高の技術でそれを料理したものをいただきます。

そして自分で選択したボディワークのセッションを受けることもでき、様々な種類のボディワークがオプションとしてあり、一流の素晴らしい技術を受けることがそこではできます。

そこに自分で行かなければ、その「場のエネルギー」を感じたり、「その人にしかできないボディワークの技術」を体験することができません。誰もが同じではなく、「自分だけの個人的な体験」がそこでは大切なポイントです。

「特定の技術は人間から分離され、アプリケーション(システム)になる」と書きましたが、それでも「その人にしかできないこと」は「特定の人間に残る」と思います。当然です。

それには、素晴らしい「価値」があるので、どんどん「プレミアムな値段設定」になってくることは避けられません。そうであっても、「それでもその人から受けたい」という人がかなりの数いると思います。

今回は、かなり単純な「二極化」の比較をしましたが、もちろん、それらが混ざりあったものや、いいとこ取りの中間のようなものも登場してきて、「多様化」も進むとは思います。

そして、そんな未来の「予兆」のような「サービス」も、現実に登場し始めてきています。(例:高級列車でゆったりと優雅な電車の旅を楽しみながら、目的の旅館を目指します。自然豊かな、静かな旅館に1週間ほど滞在して、精進料理やオーガニック食材を使った料理をいただき、温泉に心ゆくまで浸かり、その間、瞑想やボディワークを受けることができます。自分を「リセットする」、「癒やす」、「禊をする」などのテーマに沿って、様々なプランが選べます。)

もう一度ここで、「完全食:サイレント」を作り出した、ラインハートさんの言葉を引用したいと思います。

『将来の食事は「効用や機能のための食事と、体験や社交のための食事のふたつに分かれていくだろう」と予想する。』

これからトレーナーやボディワークの業界も、「効果や機能のため」のものと、「体験や社交のため」のものに分かれていくのではないでしょうか。

「結果にコミットする」という宣伝文句のダイエットを売りにしている会社もありますが、多くの知り合いトレーナーが、「結果がすべてです」とまっすぐな眼で言っているのも見てきました。

これは時代の流れで、様々な形の「結果」がさらにシビアに求められてくるのは、どうにも避けられないでしょう。

それはそうだよなと思う半分、「本当にそれだけでいいのかな」と思う自分もいます。

「結果が大事なのではなく、そこまでに至るプロセスであったり、そこまでしてきた体験が重要」と言う人もいます。

それもわかります。これからのボディワークのセッションは、「なんだか痛みが取れるとか、そういうことだけでなく、自分のことをより深く見つめられる体験でした」というような「体験そのもの」に「価値」があると、広く認識されてくるようにもなってくるとも思います。

僕個人がこれから進んでいく方向としては、後者の方になっていくと思います。

自分のロルフィングを受けてもらうと、「他の人とはまた違う感じのセッションでした」などと言ってもらうことがあります。自分のしていることは、「アプリケーション化」しにくいなとも感じますし、「痛みを必ず取る」という「特定の効果にコミットする」というタイプでもないので、自然に後者に向かっていくことでしょう。

でも、前者が良くないとか、否定しているわけでもありません。

僕自身も歯が痛くなって、歯医者に行くこともあるので、その場合に求めるものは「すぐに出る効果」です。「体験」とか、「プロセス」とかは要らないので、「なるべく早く、この歯をなんとかしてほしい」と思います。

一人の個人が、その状況では、「効果や機能」を求めるべきなのか、「体験や社交」を求めるべきなのかを、「選択」するようになってくると思います。

それは、「電車の乗り換え」の際に、「自分のiPhoneのアプリで検索する」べきか、「めちゃくちゃ詳しそうな駅員さんを探す」べきなのかを、僕らは自然に「選択」していますし、「この寿司屋さんで食べるべきネタを決める」際に、「このレストランの食べログを開いて、レビューの中から探す」べきか、「目の前の職人としてこだわりがありそうな板前さんから聞く」べきなのかも、人によってどちらかを「選択」しています。

今回のこの記事は、どっちがいいとか、悪いとか、ということではなく、「こんな未来が訪れたら、どうなるのかな」という想像のきっかけにしてもらえたらと思っています。

僕も僕なりに、「来るべき未来のために今から何ができるかな」と、じっくりと考えたり、このことを友人とディスカッションしてみたりして、その未来につながるような行動をし始めています。

多くの人が、健康で、健全な人生を楽しめるように、今できることを、この地方山形で、丁寧にしていきたいなと思います。




Yuta

( Posted at:2017年10月 5日 )