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モニターCさんの感想(セッション4 | 40代 女性)

Cさんも「深層のセッション」が始まりました。

セッション4〜6では、様々な筋肉から干渉を受けている骨盤を、自由に解放し、水平な位置に導いていくことが重要になってきます。

今回のセッション4では、内転筋群と骨盤底膜などの骨盤の「下側(底側)」にアプローチしますが、骨盤底膜というのは「自律神経」と密接な関係があります。

自律神経は、身体がスイッチオンの状態で働く「交感神経」と、スイッチオフの状態で働く「副交感神経」から成っていて、それらが大きな波を描くように一日の中で働きが切り替わります。

簡単に言うと、日が昇り活動的になってくると、交感神経が優位に働いて、日が沈みあたりが暗くなると、次第にリラックスして身体が休息に向かい、今度は副交感神経がメインで働き始めます。そうやって自然の大きな流れに沿って、ゆるやかに変化していくのが通常です。

しかし、現代では夜でも街は明るく、日が沈んだから仕事が終わるということもありません。中には、徹夜で仕事する人もいます。寝る直前まで、パソコンやスマートフォンの明るい画面を覗く人も多く、脳は常に興奮状態にあります。

そうなると、本来であれば副交感神経に切り替わり、スイッチオフになる時間帯なのにも関わらず、まだ頭は忙しく、交感神経が働き続けるようになります。それがある一定期間続くと、副交感神経へのスイッチの切り替えがうまくできなくなり、慢性的にストレスを感じていたり、緊張が強かったり、身体のハリ、コリがなかなか取れなかったり、寝ても寝ても寝た気がしないなどの状態になってしまいます。

最近、ロルフィングをしていて感じるのが、「副交感神経が適切に働いていない(身体をスイッチオフにできない)」人が、とても多くなってきている気がします。みなさん、自分自身では気づいていないのですが、「身体の力を抜くこと」ができないのです。ベッドに身体の重さを預ける(委ねる)ことができず、重力に反して身体を引き上げています。

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そんな自律神経は、骨盤底膜の緊張と連動していて、交感神経が優位の時には「収縮」して、副交感神経が優位の時には「弛緩」します。活動的で、集中して仕事をしている時や、ストレス、恐怖などを感じて身を守らなければいけない時などは、骨盤底膜が収縮して、骨盤の下の方が「締まる(狭まる)」ようになります。(上の図の右側で、青い矢印で示されています。)

その反対に、身体がリラックスして、力も抜けている時には、骨盤底膜が弛緩して、骨盤の下の方は「ゆるむ(開く)」ようになります。(上の図の左側で、赤い矢印で示されています。)

つまり、一日の中でも、骨盤は自律神経の切り替わりと連動して、「開閉」していることになります。(厳密には、呼吸する度に、微妙な開閉運動は行われています。)

さらに女性には「生理」があります。野口整体では、昔から「生理周期」と「骨盤の開閉」の関係性を言及していて、生理が近づいてくると、徐々に骨盤は「開いた」状態になってきて、それに伴って副交感神経が優位になり、頭がぼーっとして集中しにくくなります。

生理が終わりに近づくと、今度は骨盤は「閉じた」状態になっていきます。そうやって月に一度、開閉をしているのですが、それは「出産の予行練習」をしていると考えられています。

出産の際には、ホルモンの作用で、骨盤がもっとも開いた状態になりますが、いきなりその状態になるのではなく、毎月ゆるやかに開閉を続け、その時に備えているのです。

ここで先ほど書いた、現代の慢性的にストレスを感じ、副交換神経が適切に働けずに、交感神経が常に高ぶっている状況では、それに連動して骨盤底膜も収縮していて、「ゆるめない」状態になっています。つまり、骨盤が「閉じている」状態で、身動きできないような感じです。

そのような、ストレスを受け続けることで、自律神経の切り替えがうまくいかなくなり、硬く、柔軟性を欠いた、閉じた骨盤をしている女性は、生理痛、生理不順などの問題が起きやすくなってしまいます。

若い女性にロルフィングをすると、生理に関する問題を抱えている人が多く、それには「骨盤底膜の慢性的な緊張」という要素も関係していることもあるのです。

このセッション4では、その骨盤底膜にアプローチすることで、男女共に、「自律神経のバランスを取り戻す」ことにもつながますし、女性の場合は、「安定した生理のプロセス」を回復する可能性もあります。そしてそのことで、「健やかで、自然な出産体験」にもつながっていくことにもなります。

また、「極度の精神的、肉体的トラウマ」を受けた方にも、骨盤底膜に強い緊張が見られます。短時間にものすごい量のストレスを受け、それが自分のキャパシティを上回ると、「失禁」したり、「腰が抜ける」ことや、「膝が笑う」ことがあります。興味深いことに、これらはすべて、セッション4で扱うエリアになります。身体のそのエリアに、「トラウマの記憶」が、筋肉の緊張という形で保存されているとも考えられるかもしれません。

少し長くなりましたが、違う角度からセッション4を見てみました。

次にCさんの感想を見ていただいて、解説をしていきたいと思います。

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4回目
脚の内側と骨盤ということでかなり気になる内容でした

骨盤のゆがみはロルフィングを受ける前から何となく自覚していました
それとホルモンの関係なのか骨盤が開いている時期と閉じ始めた感じが何となく毎月のリズムでわかるような気がしていました

そして今回のいちばんの変化はウエストのくびれがすごく出たのです

ロルフィングの翌朝着替えていたらなんかウエストがユルい?
鏡を見たらくびれがキュッと出てました
『久しぶり~』と思わず声が出てました
体重は変化ありません
ダイエットとかは何もしていませんがくびれはその後も継続中です


あと今回特に感じたことはロルフィング中にリラックスしていることから更に進んだようなこと

眠る前の意識は有るけどボンヤリしているような状態
だけど無意識ではなくて子供の頃の事を思い出していたりこれからの事を少しイメージしてみたりネガティブでもなくポジティブでもない中立でそれでも何か大切なことのような事を考えていました
寝てはいません笑
でもかなり眠りに近いような状態をキープ
それがすごく気持ち良かった
大友さんにも伝えましたが瞑想に近かったのかな?と思います


からだとこころは本当に繋がっていますね

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ロルフィングを受けると痩せますか?

よく聞かれる質問です。笑

僕の今までの経験で言うと、「直接的に」ロルフィングが影響して、体重が減ることはないです。けれでも、10シリーズを受けていく中で、体重が減ってくる人がいます。それは「間接的に」ロルフィング影響していると考えられます。

ロルフィングを受けるとことで、呼吸が変わったり、体液の循環が改善することで、「代謝」が良くなります。それも痩せる一つの理由でしょうし、身体の痛みや不調、関節の強張り、筋肉の張りがなくなってくることで、自然にその人の「活動レベル」も上がります。そのことで、体重に変化が出てくる人もいると思います。

個人的には、「体重が減ること」よりも、「その人が持っている自然な美しさ、たくましさが、表に現れてくる」ということの方が、大切なのではないかと思います。

どういうことかと言うと、ダイエットのビフォーアフターの写真などを見ると、アフターの方が構造の歪みが目立ち、自然な美しさを感じないことが多くあるのです。(「ビフォーの方がよかったんじゃない?」とツッコミを入れたくなります。)

たとえ体重が落ちなかったとしても、身体の「体液分布」が変わることにより、むくんで太く見えていた太ももが、すっきりと見えてくることがあります。

Cさんの場合は、セッション4で骨盤の位置が良くなった影響で、ウェストの見え方に変化が出てきたようです。

無理なダイエットでくびれを出すことよりも、身体の構造が適切な位置に戻り、それによってくびれが出てくる方が、身体全体も健康になりますし、その後も無理なくそのスタイルが持続しやすいと思います。



寝ていると起きているの狭間

ロルフィングをしていると眠ってしまう人がいます。個人的には、それでもきちんと身体が無意識に反応してくれていたら、何も問題はありません。人によって毎回眠る人と、全く眠らずに、僕のしていることをトラッキングしている人や、それが毎回のセッションで違う人など、様々にいらっしゃいます。

今回のCさんのように、「半分寝ていて、半分起きている」状態は、僕もロルフィングを受けていると自然にそうなってきて、一番心地良い時間です。「瞑想状態」とも呼ばれています。

この瞑想状態では、寝ているような状態でもあるので、身体の力は十分に抜けています。そして、こちらから何か話しかけるとすぐに反応できる状態でもあります。知覚はとてもクリアに開かれていて、自分の身体で起きていることも、身体の周りの空間で起きていることも把握しています。

自分の意識が、そんな「覚醒状態と睡眠状態の狭間(境界)」にあると、「過剰に働いている思考のサイクルから外れる」ことができます。それはまた、「論理的で冷静な観察者から距離を置く」ということにもなります。

現代はSNSが発達していて、インターネット空間に、自分の「アカウント」を誰でも簡単に持つことができ、自分を「客観視」することに慣れています。「こんなことをFacebookに書くと、みんながいいねしてくれるかもしれないから、だから書こう。」とか、「見てほしくない人が見ているかもしれないから、これは書かないでおこう。」など、自分から「もう一人の自分」が離れ、それが冷静に自分を常に観察しています。

主観と客観が切り離しづらい若い年代の人の中にも、今の自分の置かれている状況を、冷静すぎるほどに把握できている人は多く、年齢が上の人たちを驚かせます。(それ故に、「さとり世代」とも呼ぼれることがあります。)

自分のしていることを、常に論理的な思考をする自分が眺めていて、そしていちいちツッコミを入れてきます。何とも息苦しい世の中です。

さらに、一旦そんな観察者が現れてしまうと、なかなかそれが去ってくれることはなく、「常に」監視され続け、それが苦しくなってきている人も多いのではないかなと思います。

そんな、なんとなく何か(個人的には、「漠然とした正しさのようなもの」なのではないかと思っています。)に縛られていると感じている人が多いこの社会の流れに、カウンターとして登場してきたものが「禅、マインドフルネス(または瞑想、メディテーション)」などの流行です。

忙しく働いてしまう思考のサイクルから離れ、今現在、身体で起こっているいることを内観したりします。

ロルフィングをしていると、自然に瞑想状態に入ってきます。ロルファーに身体を触れてもらうことで、自然に自分の身体に今まさに起こっていることに意識を集中することができ、身体の滞りや強張りがゆるんでいきます。オーバーヒートしている頭も落ち着いてきて、副交感神経が優位に働き、左脳と右脳とがバランスよく機能し始めます。そうして、そんな状態になってくると、思いもかけないアイディアや、ビジョンを得られることがあります。

今回のCさんの場合には、「子供の頃のこと」が、なぜか自然に思い出されてきたようです。左脳(顕在意識)の働きが鎮まってきて、そうすることで、深層意識の中に埋もれていたものが、浮かび上がってくるのです。

そういった時に得られたものは、とても「示唆的(または暗示的)」なものが多く、そういう意味では、「夢」と近い機能を持っているのかもしれません。

しかし、毎回ロルフィングをしたら、瞑想状態になって、それで何かしらアイディア、ビジョンを得られるというわけではありません。(映画「となりのトトロ」の中で、「またトトロに会える?」と聞かれたお父さんが、その娘たちに「運が良ければね」と答えるシーンがありますが、そういうことに近いと思います。)

そういった状態になるには、「秩序ある方法、手順」というのがあって、それを滞りなく行うと、瞑想状態に入っていくことができて、それでさらに運が良ければ、「現時点の自分にとって必要なもの」を手に入れることができます。それは「ギフト」とも言えるかもしれません。そしてそのギフトは、その人が歩むべき方向を示してくれるもののはずです。

僕の知り合いの世界で戦っているアスリートが、数多くのオリンピック出場選手やメダリストからも信頼されている、海外のメンタルコーチのセッションを受けることがあって、その様子を僕に教えてくれたことがあります。

メンタルコーチのセッションと聞くと、マンツーマンでの「カウンセリング」のようなものをイメージしますが、そのコーチはベッドに寝てもらって、呼吸に意識を集中させたり、簡単な身体の動きを繰り返させることで、まずは瞑想状態に導いてくれるようです。

そこで初めて「何か気になることはありますか?」などと、いわゆるカウンセリングのようなことが行われ、自分で語ることによって、自分で気づいていくプロセスが進むということです。

もしも思考が過剰に働いている状態でカウンセリングをしたら、「カウンセラーが言ってほしいであろうこと」を話したり、そもそも大事なことは何も話さないかもしれません。

まずは瞑想状態になり、そして深層意識にアクセスするということ。そうすることで、必要な情報が自然に出てきます。

「ミスしてはいけない、間違ってはいけない」と、過剰に考え過ぎてしまう(気にし過ぎてしまう)現代においては、身体を通して、適切に瞑想体験を持つということがとても大切になってくると思います。正しさ(その多くは、正しさのようなものですが)の奴隷になっては、人間は疲弊してしまうばかりです。

ロルフィングのセッションが、そういったものの突破口になれればいいなとも思います。

次はセッション5ですが、どんなことが起きてくるのか楽しみにしたいです。




Yuta

( Posted at:2017年4月 1日 )