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モニターCさんの感想(セッション2 | 40代 女性)

モニターCさんの2回目のセッションです。

今回は早速Cさんの感想を見てみましょう。

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二回目のセッションは劇的ビフォーアフターが起こりました

初見で大友さんから指摘されていたふくらはぎ、もともと太い筋肉質なのですが、気づくとこの一年位でさらに足首近くまで太くなりました

確かに筋トレ(バーベル担いでスクワット)もしているのですが、別にウェイト増やしたり、メニュー変えたわけでもないのになぁと思っていました

そしてその特に問題児の左ふくらはぎ
二年前の肉離れが悪さしている予感が的中

大友さんには大変ご苦労おかけしました

とにかく時間をかけて施していただきました
筋肉って繊維ひとつひとつ細胞も含め生きてる自分の体なんだと何となく実感

一回目のセッションが住宅の内覧と思え、この二回目から体のリフォーム工事をしてもらったようなイメージです

そして結果、ふくらはぎが細くなりました 

あの足首近くの塊がなくなり足首近くは細い本来の私の足に戻りました
触った感じの質感も不思議と違います
うれしくて何度も見てしまう

大友さんにこんな風に出来るのはロルフィング以外に有りますか?と聞いたところ、エステの強引なリンパ流しとかなら一瞬だけ細くなると言われなるほどなぁと思いました
不思議だなぁと思いつつ自分の体のことをさらにいとおしく感じられるようになりました

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身体のシルエットが教えてくれること

素敵な表現たちが感想の中で踊ってますね。笑

セッション1の際に、立位姿勢を見させてもらった時からそうでしたが、「ふくらはぎの内側」が特に気になっていました。ふくらはぎを両方とも肉離れをされているCさんですが、それにしてもよく発達しています。パッと目を引く感じでした。

身体のシルエットは、実に多くのことを教えてくれます。

「私、太ももが太いんです。」と、おっしゃる女性は多くいらっしゃいます。そのほとんどは、「むくんでいる」状態の方が多く、リンパ節の辺りをワークしたり、関節や、組織が正しい位置になるようにすると、身体の水の巡りが滞っている状態(むくみ)は、自然な循環を取り戻します。そして、結果的には太ももはすっきりとして、セッション前に比べて、ズボンがゆるく感じることがよくあります。

そして、むくみの他にもう1つが、「過度に発達した筋」が原因という方もいます。こちらは、昔から筋肉がつきやすかったというスポーツマンタイプの方に多いです。

では、なぜ過度に筋が発達してしまうのでしょうか。

それは筋が「環境に適応する」性質があるからです。

身体全体の組織もそうなのですが、基本的には、自分の置かれている環境の刺激に対して、それに適応するために、身体は成長、変化していきます。身体の変化は、基本「常に後追い」なのです。そうする必要があるから、変化するということです。

ここからは、少しだけ私たちの生き物の進化のストーリーをおさらいしてみましょう。

私たち生物は、母なる海で生まれました。最初の原始的な生物は、ただの細胞のようなものでした。海水を「膜(細胞膜)」によって仕切り、自分と他者とを分けます。そして、必要なものは自分に取り入れ(吸収)、必要のないものは出す(排泄)という、ただシンプルな「生きる」という行為をしていました。

その細胞たちが集まってきて、ある一定の量に達すると、それは「管」のようなものになりました。その方が、海中にある栄養をたくさん、効率よく吸収できるからです。(それでもただ、海の中を「漂う」だけでした。)

そして、管になった生き物は、それをさらに効率よく吸収、排泄するために、管に「袋」を作っていきます。それが「内臓」の原始的な姿になります。

ただ口を開けて、受動的に栄養を取り入れる状態が長く続きましたが、さらに栄養を効率よく得るために、「能動的に移動する」生き物が出てきました。それを可能にするのが、「骨」であり、それを動かす「筋」になります。筋骨格系の登場です。

その中にはチャレンジャーがいて、いよいよ海から陸に生きる場所を求めるものが出てきます。陸上では、重力が身体にかかりますので、それを支えるために、より筋骨格系が発達していきました。(最初に内臓系、それを制御する神経系、そして意思のようなものを持って移動すために筋骨格系が順に発達していきました。)

陸上は多種多様な環境です。そして栄養の求め方も変わり、移動の仕方、住む場所が変わり、さまざまな「すがた、かたち」が出てくることになります。

でも、基本的には、「生きていくために必要であるから、何かを発達させる」というのは、ずっと変わらないルールです。そういう意味で、「常に後追い」で変化させること、つまりは「適応」をしてきたわけです。

さて、元の話に戻りますが、なぜ筋が過度に発達したかと言うと、「そうする必要があったらから」です。

筋は、重力に抵抗して、移動したり、支えたりするものです。もしも身体の構造の中で、構造がゆがみ、崩れそうになったり、倒れそうになったりすると、筋を緊張させてそれを支えます。それが過剰にずっと続くと、筋を増やして対応します。(ウェイトトレーニングは、身体に重りによる負荷をかけ、それに筋を適応させながら鍛えていくものです。)

太ももが太い人の場合は、下肢全体のアライメントが崩れていて、少ない力で、効率よく、地面から得た力を移動に使っていくことができません。途中の関節で逃げてロスしてしまう力を、なんとか逃さないようにするために、太ももの筋肉で支えている(耐えている)ような状態になります。

これは、曲がりくねった川(下肢アライメントの崩れ)が、氾濫しやすく(力が逃げやすく)、そこに堤防を作ったり、土嚢を置いたりすること(筋を発達させること)に似ています。

下肢のアライメントが整い、必要最低限の力で運動できるようになると、身体のシルエットまでが変わってきます。途中で、力が逃げてロスしないので、筋肉が過剰につく必要がないからです。(スポーツ選手の脚が、細くすらっと見えるのはそのためです。)

Cさんの場合は、地面からの力がふくらはぎの内側辺りに逃げていってしまっていたのだと思います。


子持ちししゃも、産卵を終える

上の言葉もCさんのおっしゃった表現です。笑

確かに、まるで「子持ちししゃも」のようなシルエットでした。

よくよくセッションで話を聞いてみると、「20年ほど、仕事の関係でハイヒールを履き続けていた」そうです。それを聞いて、「それか!」と思わず納得してしまいました。

ハイヒールは、すごく不自然な履物です。それが故に、不思議な魅力を持つものなのでしょうが、それにしても(男性から見ると)歩きづらそうです。たまに前を歩くハイヒールの人が、カクンとなっているのを見ることがあります。

もしかしたら、Cさんはそんなに下肢のアライメントが悪くはなかったのかもしれませんが、ずっとハイヒールを履き続けるという、不自然な足の状態を続けることで、ふくらはぎの内側が過剰に働いて、それで子持ちししゃものように発達していったのかもしれません。

実際には、固まってしまった筋肉の繊維を、1本1本に分けていくような感じでワークをしました。特に肉離れをした箇所は、時間をかけて、細胞レベルにまで分かれていくようなイメージで触っていくと、「産卵を終えた、子持ちししゃも」のように、すっきりとしたふくらはぎになりました。

ただ固いところをもみほぐしたわけではなく、適切な位置に関節、その周りの組織を誘導したので、また「子持ち」になることはないかなと思っています。(またハイヒールを履く仕事をされたら別ですが。)

感想にもありますが、エステなどで集中的に身体の水を移動させると、身体のシルエットが変わったりしますが、身体の構造までが変化したわけではないので、時間が経つと戻ってきてしまうことが多いと思います。(優れた鍼灸師さんに鍼を打ってもらうことでも、身体の水の移動は起きます。)

僕自身も、パッと見て「結構変わったなぁ」と感じたので、「不思議だなぁと思いつつ自分の体のことをさらにいとおしく感じられるようになりました」と思っていただいてよかったと思います。

ロルフィングでは、元々その人が持っている身体の可能性を引き出していくので、その人の自然な魅力が出てきます。決して「背伸び」ではない、その人に「似合った」変化です。

さらにCさんが、自分の身体を「いとおしく」感じられるように、次のセッションも楽しみにしたいと思います。




Yuta

( Posted at:2017年2月14日 )